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メンタルヘルス不調のある親への育児支援 の商品レビュー

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2018/08/22
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読了。双極性障害の当事者です。かつ支援者でもあります。両者の自分が共存した私からすると、客観的に当事者の自分を見つめ、将来のリスクを考えることが出来てとても良い機会だった。 最後の当事者の語りでは、三島さんのメッセージが当事者の私の心に響き、平野さんのメッセージが支援者の自分の胸に特に響いた。 支援をこれからはじめる人にも読みやすく読み応えがあり、既に支援者にも普段を振り返ることができる気付きのポイントやヒントがいくつもある。支援者、配偶者、当事者、その子ども、様々な立場の人に読んでほしい良いハードルの高さの専門書。 以下「はじめに」の要約。 我が国の児童虐待対策は、矢継ぎ早に打ち出される児童虐待防止対策によって、形式化された業務が増え、優先順位が見えにくくなり、じっくり事例に関わることが難しいことが現状。児童虐待は現象であり原因ではないのだが、その原因は複雑で特定することが難しい。だが原因にアプローチできなれければ、現状の改善は難しい。 地域におけるメンタルヘルス不調の親への支援技術は未確立である。我が国では母子保健業務は保健所から市町村に移管されて、市町村保健師に定着している一方で、精神保健業務は市町村保健師に定着しているとは言えない状態だからだ。メンタルヘルス不調のある親への育児支援は、母子保健と精神保健の両方の支援技術が融合されて初めて確立されたものになると考えられるが、対応する人が違うために支援技術を融合する機会が限られてしまい(?)、未確立となっていると蔭山は考えている。 *本書においてはメンタルヘルス不調を精神障がいや精神疾患の他に、精神疾患で治療してもよい程度に精神的に不健康な状態を指すというように操作的に定義して用いている。

Posted byブクログ