1,800円以上の注文で送料無料

紺碧の果てを見よ の商品レビュー

4.6

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/01/24

始まりの夏 江田島 リメンバー・パネー 空墓 紺碧の果て 著者:須賀しのぶ(1972-、埼玉県、小説家) 解説:末國善己(1968-、広島県、文芸評論家)

Posted byブクログ

2018/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文通相手との読書会のために、文庫で再読しました。 何度読んでも惹きつけられ、度々出てくるタイトルが切ないです。美しいタイトル。 戦争の行く末が分かっていても、彼らの辿る運命の悲惨さに胸が潰れそうになります。 誠実に丁寧に、迫力はあるのですが冷静に描かれていて、それが戦争の悲惨さをしみじみと感じさせます。皆川や江南の死はとても悲しく、生き残っただろう鷹志と有里も艦長クラスだったからきっと…と思ってしまい辛いです。 特攻隊の「生き仏」という表現も辛かったです。この戦争は負ける、と気付いてからの鷹志も。 そして雪子の戦いも辛いです。時系列を逆に進む手紙、最後にあったもので真実に気付きました。 辛いですが、目を逸らしてはいけないと思います。この作品に出会えてよかったです。

Posted byブクログ

2018/10/28

細かい。 艦コレやっとけば、戦艦の名前とか特徴とか、出撃した場所とかわかってて、別口でもより一層おもしろいなと思いました。 戦後70年だからなんですね。 表面的に見えていたものと、裏側に佇んでいたものが入れ替わる時間なんですね。

Posted byブクログ

2018/10/28

文庫再読。タイトルが本当に秀逸だと思います。 紺碧の果てを見よ。これに何度泣かされることか。 舞台は太平洋戦争なので悲しい出来事がどうしてもたくさん出てくるんですけど、物語の中でおこるドラマを過剰な演出で描いていないからこそ、胸にくるものがある。 読み進めるのにエネルギーのいる作...

文庫再読。タイトルが本当に秀逸だと思います。 紺碧の果てを見よ。これに何度泣かされることか。 舞台は太平洋戦争なので悲しい出来事がどうしてもたくさん出てくるんですけど、物語の中でおこるドラマを過剰な演出で描いていないからこそ、胸にくるものがある。 読み進めるのにエネルギーのいる作品だとは思うのですが、読了後の余韻がたまらない名作。

Posted byブクログ

2018/10/21

海軍兵学校を出た海軍士官たちの太平洋戦争の物語。主人公の父は会津出身、日露戦役の生き残りというところに思わず引き込まれてしまいました。 士官側からみた戦争小説ってあんまり読んだことがなかった気がするな。ぐっと胸にくる小説でした。 この作家さんは、実際には見たことがないはずの時代...

海軍兵学校を出た海軍士官たちの太平洋戦争の物語。主人公の父は会津出身、日露戦役の生き残りというところに思わず引き込まれてしまいました。 士官側からみた戦争小説ってあんまり読んだことがなかった気がするな。ぐっと胸にくる小説でした。 この作家さんは、実際には見たことがないはずの時代をなぜこんなに生き生き描けるんだろう。戦前・戦中の日本の空気感が、まるでそこにいるかのように伝わってくるこの筆致。ぐいぐい引き込まれる。

Posted byブクログ

2018/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文通相手との文通読書会二回目の課題本。 自分では戦争ものを選べないので、こうして課題本にしてもらって、読むことができてよかった。 鷹志は幼い頃より父に「逃げるは最上の勝ち」「ねらぬものはならぬ」と教えられて来た。その教えは男子としての生き方を否定されているようで、心の中でいつも反駁を繰り返していた。そんなおり海軍に入った叔父に連れられて祖先の防人たちの寂れてしまった墓を参ったことをきっかけに、自分も海の防人にと心が傾いていく。その後震災で父は負傷し、そして両親は叔父夫婦に鷹志を養子に出し、兵学校への道を開いてくれた。その思いにこたえるように鷹志は兵学校での日々を精一杯に勤めていく。そこで出会った友人たちと厳しくも、実のある日々を過ごしていた鷹志は、その中で親友との別れを経験する。鷹志にはとても美しい妹がいた。少し他の女の子のようにいられない妹は、これと決めたことを曲げられず、その苛烈なまでの生き方を鷹志は心配していた。そんな妹の雪子は兄が叔父夫婦の容姿に出てから彫刻に打ち込むようになっていく。その集中力はすさまじく、行動力と才能で彼女は尊敬していた彫師のもとで腕を磨いていた。しかしそんな生活は長くは続かず、雪子はカフェーで女中をしながら、西へ行きそこで新たな修行先を探そうとお金をためていた。それを知った鷹志に家に連れ戻され、彫刻への夢は断たれてしまう。 そのころ鷹志は大きく広がり始めた戦争に巻き込まれ始めていた。いくつもの海を渡り、数えきれない部下を上司を同志を亡くし、繰り返す消耗にただ一度取り返しのつかない罪を犯す。 鷹志が見初めた顔に痣があるために顔を極端に隠す早苗。雪子に陸の上で必ず帰る場所になってほしいと求婚する鷹志の兵学校での同級の友の江南。海軍に魂を捧げてきたのに、最後には生き仏を運ぶ仕事に疑問が疑心へ、それは焼き付くような怒りと悲しみになった有里。戦争が進むにつれ、いくつもの視点が重なって、ラストは胸がつぶれそうな青に繋がる。 雪子からのいくつもの手紙。それは一通も出されたものではなかった。つよく強く焦がれた兄の姿が、それでもどうしても望めなかった心が、同じ青へ還れたことが救いのような気持がした。 ラストの100ページは夢中で読んだ。彼らが感じた静寂が耳に聞こえた気がした。

Posted byブクログ

2018/10/03

読み応えがありました。 どの時期もクライマックス… 他の歴史物もそうですが、終わりがわかっているなかで、その時を生きる姿を見るのは締め付けられる思いです。 抗えない流れと、その中でも心ある一人一人が描かれていて、要約しがちなことに気付く。

Posted byブクログ

2018/08/28

戦争そのものは決して肯定はしないし、賛美するものではないが、こういった戦争(を題材とした)文学はいつまでも書き継がれていってほしい。

Posted byブクログ