真説・佐山サトル の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
初代タイガーマスクとして一世を風靡した 佐山サトルの評伝。著者の田崎健太とは、あの「真説・長 州力」を書いたノンフィクション作家。あの本の好き・嫌 いはともかく、取材力に関しては確実に信用出来る仕事人 であることは間違い無い。 ・・・いやぁ、凄かった。 まずハードカバーの単行本で500ページを超える物量だけ でも凄い。これに加え、佐山本人や周辺の人々に丁寧に取 材がなされており、いい加減な記述・断定的な記述の類い が一切無い。内容に関しては、これまでいろいろなところ で書かれてきた初代タイガーや佐山のエピソードとほぼ相 違なく、誤解を恐れずに言うのなら、壮大な「まとめ」を 読んでいる気分。だけど・・・。 もし田崎さんで無い人間が「まとめていた」のであれば、 そんなこととっくに知ってたぜ!的な、妙な否定を伴った 感想しか出てこなかった気がする。キッチリ仕事の出来る 作家さんが書いてくれるからこそ、僕らが特別な感情を持 たざるを得ない「唯一無二の存在」の物語を楽しむことが 出来た、と思う。田崎さん、本当に感謝します。 そして改めて、佐山サトルという男の「天才ぶり」を思い 知った。その上で、佐山サトルというプロレスラー・格闘 家が、今の僕にどれだけの影響を与えてくれたのかも再確 認出来た。 タイガーマスクに熱狂したこと、旧UWFでゾクゾクしたこ と、シューティングで「恐ろしい競技が始まった」と感じ たこと等を昨日のことのように思い出す。何より、本人の 意には沿わないのかもしれないが、僕が変わらずに大好き なプロレスの世界に戻ってきてくれた佐山には、本当に感 謝しか無い。 願わくば、今後の佐山サトルの人生に正当な評価があるこ とを望む。佐山サトルの存在に人生を変えられた人間は、 本当にたくさん居る筈なのだから。
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