セーヌ川の書店主 の商品レビュー
20年前の失恋を忘れられないジャンはセーヌに浮かぶ船を本屋に改装し生計を立てている。ある日自分の住むアパルトマンに配偶者に裏切られ独り身になった女性が越してきた。そんな折ジョンは20年前に失恋相手のマノンから受け取ったまま封を開けていなかった手紙を発見するのだった。新しい出会いに...
20年前の失恋を忘れられないジャンはセーヌに浮かぶ船を本屋に改装し生計を立てている。ある日自分の住むアパルトマンに配偶者に裏切られ独り身になった女性が越してきた。そんな折ジョンは20年前に失恋相手のマノンから受け取ったまま封を開けていなかった手紙を発見するのだった。新しい出会いに20年ぶりの恋心を抱き、そしてマノンがどうして自分の元を去ったのかを知りジョンは思わずずっと走らせることのなかった船のロープを解き、セーヌ川を南へと下っていく。同じアパルトマンに暮らしていた人気小説家のマックスも勢いよく船に飛び乗り、二人は本と共に旅に出る。 ストーリーとしては恋愛小説なんだろうなとは思う。今惹かれているカトリーヌへの気持ちやマノンを忘れられない痛々しさがとても大人びた描写でとつとつと語られる。ただこの小説は船で川を下っていく穏やかな旅小説でもあり、本屋のジャンがところどころ本についてや、読書のあり方について描くのもあって、読書好きへの本の紹介小説の要素もある。 で、中身としては本を愛しているジャンという人間の自らの心の機微や周りの人間の感情への推しはかりなどがとても味わい深いんだよね。 フランス映画ってこんな感じだよなぁ…と読んでいるだけで空気が違うような不思議な感覚だった。
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正直序盤は退屈を感じ 読むのを止めようかと 思いました。 が、読み進めていくと 心に留る台詞が次々と。 さまざまな人生を垣間 見ることが出来ました。 情景描写も大変美しく 出会えて良かったなと 思える一冊でした。 たった一晩で年老いる こともある。 そのただ一通の手紙が...
正直序盤は退屈を感じ 読むのを止めようかと 思いました。 が、読み進めていくと 心に留る台詞が次々と。 さまざまな人生を垣間 見ることが出来ました。 情景描写も大変美しく 出会えて良かったなと 思える一冊でした。 たった一晩で年老いる こともある。 そのただ一通の手紙が、 人生の行き先を変えて しまうこともある。
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セーヌ川に浮かぶ船上で、悩める人々に本を“処方"する書店主。 彼は自らの心の傷を治す船出を決意する。 ストーリーは少しずつゆったりと進んでいく。 書店主の本への愛情や、人としての優しさに穏やかな気持ちになる。 中盤から主人公の感情にもどかしさを感じてしまい、読んでいる...
セーヌ川に浮かぶ船上で、悩める人々に本を“処方"する書店主。 彼は自らの心の傷を治す船出を決意する。 ストーリーは少しずつゆったりと進んでいく。 書店主の本への愛情や、人としての優しさに穏やかな気持ちになる。 中盤から主人公の感情にもどかしさを感じてしまい、読んでいるうちに億劫になってしまった。
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夏にぴったりの一冊。 フランスの夏を楽しみながら一緒に船で旅しているような気分になれる。 そんなことする?!ってビックリの場面もあるけれど、それはラテン系であるフランス人だから出来ることなのかな。自分には絶対出来そうもない。ハーレクインばりのそんなシーンも楽しめた。 孤独を愛する...
夏にぴったりの一冊。 フランスの夏を楽しみながら一緒に船で旅しているような気分になれる。 そんなことする?!ってビックリの場面もあるけれど、それはラテン系であるフランス人だから出来ることなのかな。自分には絶対出来そうもない。ハーレクインばりのそんなシーンも楽しめた。 孤独を愛する書店主はまるでわたしのようだった。 けど彼は愛する人を見つけたのね。人生は愛と共にある。 羨ましい限り。
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『あなたに合った本、処方します! in France』 セーヌ川に浮かぶ「文学処方船」で、その人に合った本を処方する主人公。フランス紀行文としても、ブックガイドとしてもラブ・ストーリーとしても楽しめる作品。愛するとは?深く考えさせられる作品でした!
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恋愛小説であり、友情物語、生と死、色々な要素がギュッと詰まった小説だ。そして、本に対する愛に溢れた物語でもある。また、フランスを舞台とした美しい風景描写も旅情を誘った。 一言で感想を言い表すのは難しい小説だが、読んでいる最中は心穏やかな気持ちになった。登場人物達も人間味溢れる人ば...
恋愛小説であり、友情物語、生と死、色々な要素がギュッと詰まった小説だ。そして、本に対する愛に溢れた物語でもある。また、フランスを舞台とした美しい風景描写も旅情を誘った。 一言で感想を言い表すのは難しい小説だが、読んでいる最中は心穏やかな気持ちになった。登場人物達も人間味溢れる人ばかりで、物語の展開も自然でいて飽きさせることがなく、楽しく読書することができた。 恋する男女が沢山登場するが、作家が女性ということもあってか、男性の登場人物達が繊細で女々しい感じがして読んでいてもどかしい気持ちになることもあったが、昔感じた感情や記憶が蘇り、懐かしいような気持ちにもなった。 物語の最後はとても美しく、幸せな気持ちになりました。特にマノンの日記に感動しました。
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フランスにいるような感覚を覚える雰囲気の良い本だった。 一人の人を一生愛するというのが人生みたいな固定観念があったけれど、冷静に考えれば複数の人を同時に愛するということだってあり得るよなとマノンが教えてくれた。 そんなマノンに理解を示すリュックをみて、愛とは、夫婦とはなんだろうと考えさせられた。 マノン、そしてカトリーヌと出会う女性によって、人生の光も陰影も経験し、再び歩み出したペルデュ。恋ってすごい力があるなと改めて思う。 ペルデュ、マックス、クーネオの友情も素敵だったなっ。
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装丁とタイトルに一目惚れして手にした一冊。 何度見ても素敵…。 家に居ながら、フランスを旅している気分に浸れる、美しい本でした。 パリからセーヌ川、ローヌ川を通って、プロヴァンスへ。ラベンダーの庭、果樹園、ブドウ畑…。 自然の豊かな色彩であふれた一冊です。
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序盤は、読むのがつらくなるような感じでしたが 中盤から終盤になって、どんどん引き込まれていく感じ です。 訳者あとがきにも書かれてありましたが、一つの楽しみ方 として旅行記として読む感じも後半のプロバンスあたり からは、Googleストリート見ながら読みました。 サナリー・シュメ...
序盤は、読むのがつらくなるような感じでしたが 中盤から終盤になって、どんどん引き込まれていく感じ です。 訳者あとがきにも書かれてありましたが、一つの楽しみ方 として旅行記として読む感じも後半のプロバンスあたり からは、Googleストリート見ながら読みました。 サナリー・シュメールとボニューは行ってみたい海外の 一つだと思いました。 恋愛小説・喪失と再生の物語としても非常に面白く、引き込まれていきました。 最後まで読んで、また最初の部分を読み直しました。
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ブクログのタイムラインで知った本です。 人や人生を愛することに勇気と希望を与えてくれる一冊。 パリのセーヌ川で〈文学処方船〉という名の船の本屋を営むジャンには封印していた忘れたくても忘れられない過去があった。 ひょんなことから知らなかった事実を知り、衝撃を受けるジャン。 彼は発作的に船を出航させる。 スランプ中の若き作家と2匹の猫を乗せて・・・。 ロードムービーも再生の物語も好きなのでこの展開には心躍った。 出会う人々が皆心優しく、少し風変わりで愛しくなる。 お気に入りはスランプ中の若き作家、マックス。 何故か私の頭の中では若き日のベン・ウィショーで脳内再生された。 山椒のようにピリリと効いている猫たちの存在も猫好きとしては嬉しい。
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