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鏡の背面 の商品レビュー

3.6

65件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    8

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2024/11/03

女性たちが住むシェルターアグネス寮。ある時火事により聖母が死んだ。悲しみにくれる入居者達。しかし火事で死んだのは別人だったことが判明する。一体死んだのは誰だったのか。 死んだのは誰かをずっと追いかけていく話。途中ちょっと話長いなぁと感じたものの、最終的には落ち着くところに落ち着い...

女性たちが住むシェルターアグネス寮。ある時火事により聖母が死んだ。悲しみにくれる入居者達。しかし火事で死んだのは別人だったことが判明する。一体死んだのは誰だったのか。 死んだのは誰かをずっと追いかけていく話。途中ちょっと話長いなぁと感じたものの、最終的には落ち着くところに落ち着いた感じ。

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2024/09/22

ひぃー...。ずっとアリ地獄にはまったようなロングストーリーだった。結構な時間もがき這い上がれるか苦しんだが結局脱出できなかったような、徒労感がどっと押し寄せてきた。傷ついた女性達の自立を支援する施設のカリスマ、小野先生が火事で亡くなった。マザーテレサともいわれるほど慈悲深く人望...

ひぃー...。ずっとアリ地獄にはまったようなロングストーリーだった。結構な時間もがき這い上がれるか苦しんだが結局脱出できなかったような、徒労感がどっと押し寄せてきた。傷ついた女性達の自立を支援する施設のカリスマ、小野先生が火事で亡くなった。マザーテレサともいわれるほど慈悲深く人望のある小野先生の死亡に周囲は深く悲しむが、遺体はなんと別人だった。誰?という謎を解きつつ話は進むのだがなかなか怖い話で、特に依存症・オカルト・手記の描写が恐ろしい。サプライズ的な面白さはないもののヒヤっと背筋が凍るような体験。

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2023/12/08

女性シェルターでの火災が発生し、聖母と慕われていた先生「小野尚子」が母子を助けて亡くなった。しかし彼女は小野尚子とは別人だった。女性へのなりすまし疑惑と事件が渦巻く過去を探りながら彼女の半生を辿るサスペンス。薬や性暴力など過去から逃げ出しやり直す事の難しさを痛感させられ、一つ一つ...

女性シェルターでの火災が発生し、聖母と慕われていた先生「小野尚子」が母子を助けて亡くなった。しかし彼女は小野尚子とは別人だった。女性へのなりすまし疑惑と事件が渦巻く過去を探りながら彼女の半生を辿るサスペンス。薬や性暴力など過去から逃げ出しやり直す事の難しさを痛感させられ、一つ一つの謎を解いていく過程はグイグイ惹きつけられる。彼女は人生をやり直せたのか、昔の自分に決別できたのかそれは彼女にしかわからない。

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2023/04/04

一気読み。 面白かったけど、どこか、腑に落ちない。 納得できない。 まだ裏があるんじゃないかと思っちゃう。 最終的に彼女は幸せだったのかな?

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2023/02/12

火災によって発見された遺体は全くの別人だった。 誰が何故何の為に? 昨今、取りざたされる稀代の悪女を脳内に描きながら推理して行くものの、真相に近づいたと思いきや振り出しに戻る様は、ゴールの見えないすごろくをしているような感覚だった。 成りすまし?輪廻転生? 怪物だった彼女は...

火災によって発見された遺体は全くの別人だった。 誰が何故何の為に? 昨今、取りざたされる稀代の悪女を脳内に描きながら推理して行くものの、真相に近づいたと思いきや振り出しに戻る様は、ゴールの見えないすごろくをしているような感覚だった。 成りすまし?輪廻転生? 怪物だった彼女は本当に聖女に生まれ変わる事が出来たのか? 真相解明の為のフィリピンへの旅、そこでのダークでリアルな風景描写、更にサスペンス、ホラー、オカルト、様々な要素が加わりラストまでのめり込んで読んだ。 しかし死人に口なし。真実は闇の中だ。 圧巻の534ページ。

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2022/12/08

鏡の背面、象徴的な「鏡」の意味が分かるのは、物語の後半。 読んでいて、登場人物の1人、フリーライターの知佳の言葉を借りれば、吐き気がしてくる箇所も多い。 でも、現実にこういうことに苦しんでいる人、特に女性たちは確かに存在するんだろう。 自分の身内だったら、と考えると、気が重くな...

鏡の背面、象徴的な「鏡」の意味が分かるのは、物語の後半。 読んでいて、登場人物の1人、フリーライターの知佳の言葉を借りれば、吐き気がしてくる箇所も多い。 でも、現実にこういうことに苦しんでいる人、特に女性たちは確かに存在するんだろう。 自分の身内だったら、と考えると、気が重くなる。

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2022/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私の好きな身元乗っ取り系の話です。 日本のマザーテレサとまで称されるような、高潔かつ由緒正しい令嬢、小野尚子。 私財を擲って、恵まれない境遇にある女性たちを支援する組織を運営していたのですが、落雷による火災で、逃げ遅れた薬物中毒患者の女性の身代わりに死んでしまうんです。 ところが、遺体は小野尚子ではなく、全く別人のものだったんです。この遺体は一体だれ?そして、本物の小野尚子はどこに?組織の代表者の優紀、フリー記者の知佳、元記者の長島を中心に、この謎を暴いていく。 以下、ネタバレです。 小野尚子の身元を乗っ取ったのは、半田明美という「毒婦」。でもねー、なんか途中から明美を応援するような気持になっちゃうんですよね。明美は美貌でもなんでもなく、ただただ「清楚」であるように努めて、ある層の男を手玉にとって、金を巻き上げてたんです。ところが、ヤクザまがいの男に手をだしてしまい、全裸で高速の中央分離帯に置き去りにされる、という報復を受ける。これに懲りて次にターゲットにしたのが、小野尚子。小劇団の女優としての培った発声や発話のスキルを活かし、小野尚子に近づき、そして殺害してなり替わろうとするんですが。 明美ちゃん、すっごい努力するんですよね。自分のことがイヤでイヤでたまらず、演技の勉強も、他の誰かに何かになりたいがため。明美の書いた手記が物語の終盤に明らかにされるのですが、小野尚子になりきるために彼女を殺す前から、鏡を四方に配置して、所作や話し方の練習をしていたんです。小野尚子なりきり日記とかも書いてたんです。 この明美の姿を知佳が、激しく嫌悪するんですが。そこが分からなかった。自分で築くのではなく、他人のものを奪う方向にしか向かわない明美の生き方が許せなかったのでしょうか。 数年したら小野尚子の財産全てを持って、お金に不自由しない生活を目論んでいた明美でしたが20年以上にわたって組織運営に携わり続け、ときにはその財産をつぎ込んでいきます。 魂のレベルでは、逆に明美が尚子に乗っ取られてしまったのか。 楽しく読めはしましたが、ちょっと長すぎ。 オカルト風味とかホラー要素とか、盛り込み過ぎた感を覚えました。 お時間があれば、どうぞ。

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2022/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

期待を裏切らない篠田先生。ミステリーにサイコホラーや心理学が入ったような物語。夢中で読んだ。 本物の小野尚子はどこへ、偽物といつすり替わったんだろう。ドキドキ、少し怖い思いをしながら読み進める。 新アグネス寮の入居者の言動にイライラする。支援の難しさをリアルに感じる。何て学びのある小説。 小野尚子の代わりにはなれず、優紀の役に立てない焦り、自分の弱い部分に向き合わざるを得ないつらさを感じる。 途中、メンバーの不協和音が読んでいてつらい。 優紀の、薬依存から抜け出したように見えるが、代わりに他人へのケアに依存して生きているのではないか、という思いに自分もそうなんじゃないかとぎくっとした。 最後に何と、半田明美は小野尚子に取り込まれてしまった。 精神の大どんでん返し。小野尚子超え。 人間て、環境でここまで変われるものなんだろうか。 人に必要とされること。存在を愛されること。 何だかなあ。すっきりとしない読後感。

Posted byブクログ

2021/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恐ろしい話だと思った。半田明美の執念が怖い。小野尚子の存在も凄いけど、小野尚子という存在感のある人じゃないと、他者によって真相を調べられるまではいかなかった。毒婦と言われたが最期は他者を庇って死んだ。狼を見張っていた榊原久乃も同じくして死んだ。最後は、みんなで移り住める寮も建てられたし良かったかな。よく考えたら、生命力に溢れる話なのかもしれない。

Posted byブクログ

2021/10/22

2021.10.10市立図書館 刊行時に著者インタビュー記事などを読んで興味を持っていたものの、なかなか手にとる余裕がなかったのを、ふと思い出して借りた(文庫化したようで、すでに予約待ちもなく)。 裕福な家に生まれ育つも紆余曲折を経て女性の駆け込み寺的な新アグネス寮を長年たばね...

2021.10.10市立図書館 刊行時に著者インタビュー記事などを読んで興味を持っていたものの、なかなか手にとる余裕がなかったのを、ふと思い出して借りた(文庫化したようで、すでに予約待ちもなく)。 裕福な家に生まれ育つも紆余曲折を経て女性の駆け込み寺的な新アグネス寮を長年たばねてきた聖人とも比すべき女性が火事で亡くなり、検死の結果、赤の他人だったことがわかった。いつどこでなぜ入れ替わったのか、本物の行方は、なりすましたものの正体は? 自分の感覚や記憶をゆさぶられるようなこういうことは大いにありえる話で、分厚いながらも冒頭からぐっとひきこまれる。本の厚みにひるんでいたけど、家事や仕事の合間で読み進み、後半はほとんど一日で読み終えてしまった。(ちょっと頭がオーバーヒート気味…) 自分が自分であるということと外向きに装い演じることのバランス、この物語の主人公はそれがあまりに極端であったけれど、自分ではない誰かを演じるうちに(あるいはその経験をなぞるだけでも)自分を見失いうるというのは決して他人事じゃないので怖くはあるが、本人でさえ戸惑うようなそんなあやふやでつかみどころがないものなのに、マスメディアなどは「聖女」だの「毒婦」「悪女」だの願望や偏見・思い込みだけで平気で極め付けそれを拡声器で刷り込んでくる、むしろそうやってつくられ固められてしまう虚像がおそろしいと思った。 また、マインドコントロールやスピリチュアルも危険だが、宗教やビジネスといった目的をもって近づいてきて心のすきにつけいるそうしたもの以上に深刻なのは、たまたま生まれ育つ環境や立場がその渦中であったり、そういうものの助けを借りないと生き延びられないような修羅であったりすることかもしれない。

Posted byブクログ