なぜ科学はストーリーを必要としているのか の商品レビュー
前半は良い。問題提起としては至極納得のいくものである。 紹介された道具立てや思い出すためのメモが巻末に収録されているのはよい。自分なり・日本語用に改変を加えつつ使えばそれなりの武器となるだろう。 しかし、冗長に過ぎたり、あまりに説得しようとしすぎているような気がする。なんというか...
前半は良い。問題提起としては至極納得のいくものである。 紹介された道具立てや思い出すためのメモが巻末に収録されているのはよい。自分なり・日本語用に改変を加えつつ使えばそれなりの武器となるだろう。 しかし、冗長に過ぎたり、あまりに説得しようとしすぎているような気がする。なんというか空回り感がある。もしこの本が物語に満ちたものとして描かれているなら、編集か翻訳か、、手に届くまでのどこかのプロセスで抜け落ちているのではないか……と思った。皮肉にも本文で物語を語ることの難しさについて言及しているが、それは本当なのだと思い知らされる。 疑似科学やデマ、捏造の持つ強力な物語性との対峙が科学にとってはとても重要な要素であると思うのだが、残念ながらそこの議論は浅い。しかしこの本によって重要な視点を与えられたことは事実なので、そこんところを考えていきたい。
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