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教科書には載っていない最先端の日本史 の商品レビュー

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2018/09/30

今から30年以上前に高校時代に授業で日本史を勉強しました、理系クラスで3年生だったこともあり、内職しながらでしたが、元来歴史好きであったので、耳はすましていた記憶があります。 定期試験前に変な点数を取りたくなかったので、一夜漬けした覚えはありますが、中身は殆ど覚えていません。最...

今から30年以上前に高校時代に授業で日本史を勉強しました、理系クラスで3年生だったこともあり、内職しながらでしたが、元来歴史好きであったので、耳はすましていた記憶があります。 定期試験前に変な点数を取りたくなかったので、一夜漬けした覚えはありますが、中身は殆ど覚えていません。最近の研究により多くの通説が覆っているようで、この本ではそれらの新説を紹介してくれています。 日本史通と称している人ほど要注意!と本の帯に書いてあります。今後、このような本を読み続けて、新説を理解した上での「歴史通」になっていきたいと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・史実に迫ろうとするなら、複数の史料の間に矛盾がないか十分に気を配り、行間を読む能力も必要、根気のいる作業だが、それができる研究者が多くいるから、歴史の解明も日進月歩で歩んでいる(p3) ・対米海戦通告が遅れたのは、外務省の怠慢とされてきたが、メリーランド州にある米国公文書館で、通説を覆す発見がなされた。アメリカ海軍による傍受記録が見つかった(p41) ・中宮寺の木造菩薩半加像、エジプトのスフィンクス、モナ・リザと並んで世界の三つの微笑像に数えられている(p50) ・孔子に次ぐ聖人に位置づけられる孟子の教えには二面性があった、一方は君主への忠と両親への孝を最高の徳とする、もう一方は、無道な君主は暴力を駆使してでも排除して良いという革命肯定論である、江戸時代には、後者を無視した(p64) ・葛飾北斎で最も有名な「富嶽三十六景」は、点数は46図である、山下白雨・神奈川沖浪裏・凱風快晴=赤富士、がシリーズ三役(p66) ・福岡県赤村に巨大な前方後円墳を発見、その規模は仁徳天皇陵をといわれる大仙古墳に迫る大きさ(p85) ・大化の改新で、蘇我氏滅亡は現実と異なる、滅ぼされたのは曽我本宗家であり、政変に加担していた蘇我氏(入鹿の従兄弟)もいた(p98) ・伏見は月見の名所として知られていて、平安時代には多くの皇族貴族が別荘を構えた場所、足利義満は豪勢な別荘を建てる計画をしていた、それを知った秀吉は、聚楽第に匹敵する建物(指月伏見城)を建てようとしたのかもしれない(p109) ・勝利至上主義の義経は、個々の功名を第一とする鎌倉武士と意向があわず、後白河法皇に従順な姿勢も鎌倉武士の意向に反していて、当時は「判官びいき」は当時はなかった(p123) ・戦国時代の騎馬兵は馬を主に移動に利用するのみで戦うときは馬から下りていた、これはルイスフロイス、サビエルも書き記している(p127) ・武田信玄は今川義元が打たれて以降、今川領を侵食し始めた、これに対して今川氏真は「塩止め」という流通を止める報復行動をとったので、信玄は塩を得られなくなり、金もうけのために上杉謙信は高い値段で売った(p129) ・享保飢饉を境に人口増加率は激減する、これは出生前の中絶や出生後の間引きが考えらえる(p141) ・離婚時に男が発行した「三行半」は、前半は、二人の前世の縁が薄かったこと、後半は離婚に至ったのは夫の都合であり妻には何の責任もない、誰と再婚しても差し支えない、という一種の保証書であった、もし離縁状の授受が無い場合は、男の方は追放刑、女のほうは髪の毛を剃り、親元へ返されるとされていた(p144) ・太平洋戦争の軍人と軍属(戦闘に直接関与しない要員)は約230万人であるが、9割は昭和19年夏から無条件降伏の一年間に集中している、また6割(140万人)が餓死による。(p154) ・神風特攻隊は、フィリピンでは敵艦突入成功率は27%だったが、沖縄では13%と半減した、沖縄が陥落して南九州の制空権がアメリカに握られると、飛び立つことで基地の位置がわかってしまうので、何もできなかった(p158) ・特攻隊員の生死は、特攻隊の指揮官が士官学校卒であれば、絶望的、普通の四大卒であれば希望が持てた(p161) ・大仙古墳は、全長が従来考えられていたよりも40メートルも長いことが分かった、経年劣化で堀に崩れ落ちた部分を考慮にいれていなかったから(p175) ・大正7年に取引された「稲葉天目」は、当時で16.8万円、現在価値で16.8億円である(p187) 2018年9月30日作成

Posted byブクログ