火の鳥(角川文庫版・新装版)(4) の商品レビュー
手塚治虫作の「火の鳥」第4巻。 舞台は8世紀半ば天平の時代で、東大寺の大仏が建立される時代背景で生まれも育ちも正反対の2人の仏師が、人生のいろんな場面で絡みながら話が進んでいく。吉備真備や橘諸兄、藤原仲麻呂など歴史上の人物も登場する。 テーマは輪廻で、主人公の一人我王は「火の鳥」...
手塚治虫作の「火の鳥」第4巻。 舞台は8世紀半ば天平の時代で、東大寺の大仏が建立される時代背景で生まれも育ちも正反対の2人の仏師が、人生のいろんな場面で絡みながら話が進んでいく。吉備真備や橘諸兄、藤原仲麻呂など歴史上の人物も登場する。 テーマは輪廻で、主人公の一人我王は「火の鳥」を通じて主役や準主役として登場する。輪廻の中で猿田彦であったり、猿田博士であったり、今後も色々な「火の鳥」作品で登場してくるらしい。楽しみである。
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奈良時代を舞台に、対照的な宿命を背負った2人の彫刻師の生き様を描きながら、「因果応報」「生きることの意味」「芸術の真価」といった重厚なテーマが語られるエピソード。 生粋の悪人から、苦行と後悔を経て他者の苦しみに寄り添う「仏師」へと変化していく我王。権力や名声という世俗的な欲に溺れ、醜い心へと堕ちていく茜丸。 二人の人生を完璧な対比構造の中で描き、人生の意味や芸術の価値を読者に訴えかけてくる。 特に、我王が人生の意味について悟ることとなるp.252-257の描写は圧巻。 その他にも、二人が東大寺大仏殿の建立を巡って対峙するラストシーンも凄すぎた。 世間一般では広くシリーズ最高傑作として認知されている印象。個人的には、「未来編」や「太陽編」と甲乙つけがたい。ただし、『火の鳥』を人にお勧めする場合は、まずは「鳳凰編」を読むように進言する。
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我王を救った良弁上人が即身仏になった後、我王が人生の意味について問い、悟りを得るシーンが印象的だった。茜丸が人間以外の輪廻を繰り返すシーンと合わせて、この世を生きる意味を考えさせられる傑作だと思う。若い頃は自分の納得がいく作品を作るのに命を燃やした茜丸が、金と権力を得て変わっていく様子も印象に残った。一番笑えたのは、ブチが大仏の掌にウン⚪︎をするシーン。
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最初に読んだのは確か小学生の頃だからもう四半世紀程前か。当時も咀嚼しきれないながらも「すげぇ名作だ」と思って読んだ記憶があるが、今読んでもやはり「すげぇ名作だ」という感想に尽きる。 昔はこの鳳凰編の主人公は我王という理解だったが、今読むと茜丸もまた主人公であったことが分かる。この...
最初に読んだのは確か小学生の頃だからもう四半世紀程前か。当時も咀嚼しきれないながらも「すげぇ名作だ」と思って読んだ記憶があるが、今読んでもやはり「すげぇ名作だ」という感想に尽きる。 昔はこの鳳凰編の主人公は我王という理解だったが、今読むと茜丸もまた主人公であったことが分かる。この二人は表裏一体、どちらもが人間世界の悲哀を表現するのに不可欠である。 最後の東大寺の鬼瓦製作対決。都会の政治闘争の中で汚れてしまい、かつてのクリエイティビティを失ってしまった茜丸が、それでも苦しみながら生み出した鬼瓦は、我王の鬼瓦に負けず劣らず鬼気迫るものであったことが今回改めて読んでみて分かった。やはり茜丸もまた常人ならざるクリエイターだったのだ。 乱世編、羽衣編、太陽編が好きなのだけれど、鳳凰編の良さを改めて見出せてよかった。
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本作の主役は、我王と茜丸の2人。 生まれたときの事故で片目、片腕を失った我王は恨みのため何人もの人を殺め、盗賊として生きていた。捕らえられ処刑されるところを良弁僧正に救われ、二人は行脚の旅に出る。一方、我王に片腕を切られた仏師の茜丸は、残された腕で彫刻の道を究めようと修業に励...
本作の主役は、我王と茜丸の2人。 生まれたときの事故で片目、片腕を失った我王は恨みのため何人もの人を殺め、盗賊として生きていた。捕らえられ処刑されるところを良弁僧正に救われ、二人は行脚の旅に出る。一方、我王に片腕を切られた仏師の茜丸は、残された腕で彫刻の道を究めようと修業に励んでいたが、時の権力者橘諸兄から ”鳳凰” を彫れと命じられる。鳳凰ができず罰せられるところを諸兄のライバル吉備真備に救われた茜丸は、夢で鳳凰=火の鳥の姿を見て、見事その像を完成させる。一方、旅をしていた我王は、やり場のない怒りの余り像を彫り出したところ、その才能を良弁に見出される。 2人の才能が世に広まった折しも、2人に東大寺大仏殿の鬼瓦の競作が命じられる。その結果は、…… 二人の歩みが対照的に描かれてきて、鬼瓦の競作の場面で遂に交錯し、そして全く別々の運命になるストーリー展開がドラマティックだし、権力の大きさや我王の怒りをより現すためだろうか、絵柄がかなり劇画的なのが印象深い。また本作では、良弁僧正や我王の夢の中に出てきた火の鳥により語られる「輪廻」について、作者の思想が濃密に描かれているように思われる。 茜丸の恋人?のような少女ブチが可愛らしいのがとても良い。
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「宇宙のなかに人生などいっさい無だ!ちっぽけなごみなのだ!」 だからこそ権力側に媚びたり、自分に嘘ついたりすることなく「世の中の人間どもを生き返らせてみたい気もするのです」というのは、とてもエネルギッシュだと思う。
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生まれてすぐに片目片腕を失い、村人に虐げられ、盗賊に堕ちてゆく我王。 仏師として鍛錬をしてきた茜丸は夜の森で出会った我王に利き腕を切られてしまう。 不思議な出逢いを経て、怒りを糧に仏像を彫る我王。 苦行を経て、仏師として名を馳せる茜丸。 そんな2人が都で再開して。 火の鳥、たぶ...
生まれてすぐに片目片腕を失い、村人に虐げられ、盗賊に堕ちてゆく我王。 仏師として鍛錬をしてきた茜丸は夜の森で出会った我王に利き腕を切られてしまう。 不思議な出逢いを経て、怒りを糧に仏像を彫る我王。 苦行を経て、仏師として名を馳せる茜丸。 そんな2人が都で再開して。 火の鳥、たぶん全巻は読んでいないけど、この巻が1番印象が強い。 子どもの頃は猿田彦って意識して読んで無かったなあ。 本人の思惑や行動の結果でないところで降りかかる不幸と、周囲の悪意がヒリヒリして飛ばし読みしていた冒頭。 ただブチが好きで、我王が作る造形が好きで、何度も読んでた。 改めて読んで、やっぱり好きなところは変わらないけれど、今回は茜丸の変化が刺さった。 名声と共に失われていくもの、手放すことで得るもの。 ずっと未来の話が怖くて読まないようにしている火の鳥。やっぱり通して読むかなあ。
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まさかサルタヒコの巡り巡った魂のエピソードが、これとは…。 人に傷つけられ、人を傷つけて生きた男は、内なる激情に任せ仏を彫る……。 しかし、夢のような女の正体がテントウムシっての……めちゃめちゃ刺さったな……ああいう演出、オタクはみんな好きでしょ…そうでしょ…。 だからこそのラス...
まさかサルタヒコの巡り巡った魂のエピソードが、これとは…。 人に傷つけられ、人を傷つけて生きた男は、内なる激情に任せ仏を彫る……。 しかし、夢のような女の正体がテントウムシっての……めちゃめちゃ刺さったな……ああいう演出、オタクはみんな好きでしょ…そうでしょ…。 だからこそのラストの太陽が…美しいわけなんですよ…。 太陽…燃える惑星…火の鳥…。 あとブチ…お前は…お前は何者なのか…???? あれもまた、火の鳥の化身の一つなのだろうか…。
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火の鳥がこんなに面白いと知らずに40年近く生きてきてしまった私!! 家にあった鳳凰編から読んだので正確には読む順番が違うのかもしれないけど、いやぁ!面白かった。 我王にモノを作る才能がなかったら、彼はどうなっていったのか。 茜丸の情熱を保身や顕示欲に変化させたものはなんだったのか。 フランクルの夜と霧を読んだばかりだったので、尚更「生命が人生に問われているモノ」を考えながら読んだ。 火の鳥全部読む!
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宗教としての仏教が政治に利用される中での、2人の仏像師の運命が描かれる。作者の生命観が他の巻と同じスタンスである。歴史を舞台にして展開が見事である。
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