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GHQ特命捜査ファイル 軍事機密費 の商品レビュー

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2021/07/08

戦後直後GHQの検察官が戦犯の戦争犯罪の有力な証拠とすべく日本陸海軍の軍事機密費を調査した際の資料を70年後に著者が丹念に読み解いていくノンフィクション。かいつまんで書くと、機密費ができる構造と第二次世界大戦に向けてそれが巨額のものとなり軍人の腐敗が生じ、最終的には陸軍、海軍が予...

戦後直後GHQの検察官が戦犯の戦争犯罪の有力な証拠とすべく日本陸海軍の軍事機密費を調査した際の資料を70年後に著者が丹念に読み解いていくノンフィクション。かいつまんで書くと、機密費ができる構造と第二次世界大戦に向けてそれが巨額のものとなり軍人の腐敗が生じ、最終的には陸軍、海軍が予算や機密費を巡って争ったり、戦争を起こしたりするといった内容。この構造は2000年代に起きた外務省の機密費問題とも酷似した構造となっており機密費を巡る根の深さを思わせる。 この本を読んで何よりも一番の驚きは、戦前の日本は日清戦争の1894年から第二次世界大戦終了の1945年まで臨時軍事費特別会計(この特別会計だけが唯一年度単位ではなくかつ後精算的予算であった為、様々な問題の温床となる)を敷き続けていたことである。厳密に言うと、山東出兵の臨時軍事費は1931年3月で終了しており、次に臨時軍事費が組まれるは同年9月の満州事変からであるので、戦前の日本が日清戦争以降の約50年間で"戦争状態"でなかったことは僅かにこの5か月間に過ぎなかったということである。戦前50年間の慢性的戦争状態と戦後74年間の恒久平和状態とのギャップのすごさが日本の現代という事なのか、、と考えさせれました。 ちょっと時間がないので、またヒマな時に詳細を書き足します。

Posted byブクログ