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人体の冒険者たち の商品レビュー

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2022/05/07

医療エッセイとのことだが、非常に文学的な本だと思った。同時に本格的でもある。挿絵も著者のこだわりが感じられ、芸術的。本文にもあるように人体をある種の芸術作品と受け取る方なのだろう。人体に敬意を持って接していて、素晴らしいなと思った。

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2019/09/27

うっとりしながら読んだ、スコットランドのお医者さんのエッセイ。訳者が「音でも聴きたい」とオーディオブックを手に入れたほどの名文で綴る、人体にまつわる古今東西の四方山話や患者のエピソード。ブンガク的に書ける何かのプロの作品は、本と向かい合う時間をとても豊かにしてくれる。

Posted byブクログ

2019/02/01

 現役の医師が、解剖学を中心に、全身を頭から足まで各臓器ごとにエッセイ風につづった本。人体に関して膨大な知識を持った人だなぁと感心させられた。それぞれは全く独立しているのでどこからでも読み始めることができる。

Posted byブクログ

2018/10/01

===qte=== 人体の冒険者たち ギャヴィン・フランシス著 医療現場で見た人の美しさ 2018/9/29付日本経済新聞 朝刊  本書は、スコットランドのエディンバラで、小さな診療所を営む医師によるエッセーだ。体にまつわるあれこれが書かれている。 この医師ギャヴィン・フラ...

===qte=== 人体の冒険者たち ギャヴィン・フランシス著 医療現場で見た人の美しさ 2018/9/29付日本経済新聞 朝刊  本書は、スコットランドのエディンバラで、小さな診療所を営む医師によるエッセーだ。体にまつわるあれこれが書かれている。 この医師ギャヴィン・フランシスは、大学を卒業した後、小児科医、産婦人科医、老年科医、それに整形外科、神経外科と医療のあらゆる現場を渡り歩き、しかも南極や北極に医師として赴き、アフリカやインドの小さな診療所でも働いたという。世界のあらゆる医療の現場、そして人体を、専門の目で目撃してきた。その経験の果てに「とびきりすばらしい人間性の物語ととびきり偉大な芸術が、先端医療と大いに相通じていたり、響き合ったりしている」と知る。  著者には文才がある。医療の現場で貴重な経験をする医師はいても、それを語る文章の才能を持った者は、どこにでもいるわけではない。そういう才能と経験を備えた類い稀(まれ)な作家・医師なのだ。だから本書は、人体というもののリアルを、ありありと実感させてくれる。人の生き死には、すべて体との関わりで起こっていることだが、その文章は、体を、そして生と死を見事に浮かび上がらせている。  さらに、医学だけでなく、文学や芸術への造詣も深い。古代ギリシャの『イーリアス』から現代文学まで、それに美術までを、自身が医療の現場で見てきた人体との関係で、縦横無尽に語り尽くす。例えば、顔の表情筋について、解剖学的な説明をしていたかと思うと、その話がレオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐(ばんさん)』の人物の、顔の表情の読み解きへと展開していったりもする。  それにユーモアもある。内臓についての解説では、「機能について言えば、直腸はまさに待合室でしかない」などとも書く。何の待合室か? あえて説明はしないが(苦笑)。  さらに文章は「医学的に言うなら、身体が醜いことはまずありえず、その図像には芸術にも繋(つな)がる審美性があると言える――たとえその図像が……直腸のものであれ」と続く。人体にまつわる本だから、時にグロテスクと思える描写もある。しかしそれも含め、著者は「人体の構造の複雑さと無駄のなさは、健康であれ病気であれ、しばしば美しい」という。  人間は美しい。すべて美しい。読後、そう思える本だ。 《評》解剖学者 布施 英利 原題=ADVENTURES IN HUMAN BEING (鎌田彷月訳、みすず書房・3200円) ▼著者は75年生まれ。英国の作家、医師。 ===unqte===

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