SKET DANCE(文庫版)(04) の商品レビュー
表紙に、泣けるシリーズとして人気が高いであろう、「OGRESS」ではなく、「パニック・イン・校長室」を持ってくるあたりに、デザイナーさんのセンスを感じるな、うん 『SKET DANCE』を、この文庫版で初めて読む人は、何故、生徒会執行部のメンバーが、謎の胸像を前にして、緊迫感を出...
表紙に、泣けるシリーズとして人気が高いであろう、「OGRESS」ではなく、「パニック・イン・校長室」を持ってくるあたりに、デザイナーさんのセンスを感じるな、うん 『SKET DANCE』を、この文庫版で初めて読む人は、何故、生徒会執行部のメンバーが、謎の胸像を前にして、緊迫感を出しているのか、不思議に思っただろうな。その疑問を抱いたままで、くだんの回を読むと、余計に笑ってしまう訳だ。上手いなぁ 感心しながら、この(4)でグッと来た三つの回を語るので、お付き合いください 第62話「OGRESS-⑥」 やはり、この「OGRESS」も『SKET DANCE』を語る上で外しちゃならんシリーズであり、クライマックスとなるこの回は特に胸が熱くなる 誰にだって忘れたい過去や隠したい傷がある。けれど、起こった事、起こしてしまった事は悔いても消えない。そんな「昔」を背負って、今、誰かの為に、力を奮えるヒメコは女子としてだけでなく、人間として強い。その強さをヒメコの中から引き出す手助けをしたのが、ボッスンであるのは言うまでもない 基本的に、可愛い娘に弱いボッスンが幼子のように思い切り泣くヒメコに胸を貸すシーンだけでも、ハンカチがグショグショになるってのに、ヒメコがありさの罪を赦すくだりは、もう、漫画みたいな涙の流し方をしちゃう 第68話「第1回人気投票結果発表」 こんな濃いキャラが、こんだけ出て、なおかつ、好き勝手にワチャワチャしてたら、そりゃ、面白い作品になるのも納得だよな 当然と言えば当然だが、ボッスンの人気が一番ってのが証明されていた。やっぱり、彼のカッコ良さを見てくれている人がいるんだな、と勝手に嬉しくなった 漫画読みとしての、勝手な我儘かもしれんが、今一度、やってほしいな、人気投票。完結巻に、投票はがき入れて、その結果を週刊少年ジャンプ本誌か、篠原先生の新刊で発表してほしい。結構、激しい一位争いになると思うんだよな 第71話「ガラス乙女」 何となくだが、このシリーズは、男よりも女性に共感され、人気があるんじゃないかな、と思う。人を好きになる、その気持ちは尊いものだが、時に暴走してしまう事もある。そんな危うさに、「わかる」と頷いた女性の漫画読みが多く、より、『SKET DANCE』への好感度が高まったんじゃないだろうか ボッスンの推理が光るシリーズでもあったが、何より、スケット団が泥を被って終わるってトコも、実にグッと来てしまう。真実を明らかにすれば、少なくとも、二人の女の子が傷付く事になる。だから、自分達が悪者になる。こういう嘘の吐き方なら、アリなんじゃないかな、人間として ラストの校内新聞で、椿が激オコで映っているけど、きっと、真相に人知れず気付いた安形が宥めて、スケット団にこれ以上のペナルティが課されないように、さりげなく力を尽くしたんじゃないかな、と私は妄想している この台詞を引用に選んだのは、理屈ぶっこぬきで、ボッスンのカッコ良さにKOされてしまったので 青臭い、でも、そこがいいんだよなぁ。青春真っ盛りの男子高校生にしか言えないよ、こんな熱くて力のある、優しい言葉は 私も、主人公がこれほどカッコ良い事を言っても違和感がない、逆に読んだ人に「グッと来た」と言って貰えるような小説を書こう、そんなやる気が漲った。篠原先生、ありがとうございます
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