跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング の商品レビュー
本を読み、想像を超える状況が思い浮かび、大変な仕事と知りました。老人が増えていくこれからますます需要のある仕事と思います。こういう方々に尊敬の念を表したいです。
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2018年刊。人死の際に後片付けの清掃を行う専門会社、デッドモーニングに関わる人物群。その周辺の関係者や、発注者となる人達が織り成す物語。設定面からグロい描写は必然だが、過度に強調するようなことも無く。かと言って軽くしたり、濾過したりも無さそうだ。人間同士の関係、同性・異性を含め...
2018年刊。人死の際に後片付けの清掃を行う専門会社、デッドモーニングに関わる人物群。その周辺の関係者や、発注者となる人達が織り成す物語。設定面からグロい描写は必然だが、過度に強調するようなことも無く。かと言って軽くしたり、濾過したりも無さそうだ。人間同士の関係、同性・異性を含めて、誕生と死滅は深く影響する。デッドモーニングに関わる面々が、それぞれに悩みを抱えつつ影響し合い、時に留まりながらも歩んでいく。「軽快な物語」とは言えないが、読んで良かった。
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前川ほまれさんの新刊 『藍色時刻の君たちは』が良かったので遡る形で本作を手にした。 『跡を消す』でポプラ社小説新人賞を受賞され作家デビュー。 浅井航はバイトで生計を立て、ただぼんやりと 地元の海に漂うクラゲみたいな生活を目指す。 居酒屋で知り合った笹川は「特殊清掃専門」の会社を...
前川ほまれさんの新刊 『藍色時刻の君たちは』が良かったので遡る形で本作を手にした。 『跡を消す』でポプラ社小説新人賞を受賞され作家デビュー。 浅井航はバイトで生計を立て、ただぼんやりと 地元の海に漂うクラゲみたいな生活を目指す。 居酒屋で知り合った笹川は「特殊清掃専門」の会社を営む。 航はバイトとして働き始め、孤立死や自死の痕跡から 死を見つめ直す機会を得る。 P57 遺品の入ったビニール袋を投げる航に 廃棄物収集運搬業者の楓が 〈なんで遺品を投げてるの?〉と詰め寄る。 遺品はゴミではない。 P218 〈たった一つしかない生活の欠片を運んでる〉 痕跡から見えてくるものは。 死の形が違えば、それを受け入れる側の気持ちもそれぞれ。 航の気づきを共有しているようだった。
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ひょんなことから特殊清掃の現場で働くことになった青年が成長してゆく物語。 客への態度や自身の環境のわりに青臭いセリフを吐くところなど、やや違和感がないでもないが、テーマとしては面白い作品だと思う。
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特殊清掃専門会社「デッドモーニング」 孤独死、自殺、殺人などのあった部屋を依頼人の要望によって清掃や遺品整理する仕事です。 主人公・浅井は田舎から東京に出てフリーターをしながら毎日を何となく過ごしています。 祖母の葬儀のあとフラッと入った小料理屋でたまたま出会ったデッドモーニン...
特殊清掃専門会社「デッドモーニング」 孤独死、自殺、殺人などのあった部屋を依頼人の要望によって清掃や遺品整理する仕事です。 主人公・浅井は田舎から東京に出てフリーターをしながら毎日を何となく過ごしています。 祖母の葬儀のあとフラッと入った小料理屋でたまたま出会ったデッドモーニングの社長・笹川に誘われて嫌々手伝った特殊清掃の仕事。 この仕事をすることで彼の人生が変わっていく。 特殊清掃が出てくる小説や漫画を何冊か読んだ気がするけど、こんなにガッツリとした作品は初めてでした。 死はただの『点』この世に誕生した瞬間も『点』 大事なのはその『点』と『点』を結んだ『線』 生きている瞬間を積み重ねた事実が大切 清掃シーンはなかなかの描写ですけど良い作品でした(^ ^) 前川ほまれさん初読み作家さんです。 ブク友ゆーき本さんの他作品のレビューで知りました♪ この作品でポプラ社新人賞受賞のデビュー作とのことですが、読みやすくて面白かった。 他の作品も読んでみようと思います♪
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「僕は思うよ、最初から優しい言葉なんて存在しないんだ、あるのは、優しく聞こえる言葉だけ。でもね、どんな不器用な言葉だって、叱られた時の言葉だって、いつかは思い出した時に、その言葉が胸のどこかを温めていたら、それは本当に優しい言葉なんだ。すべての言葉は優しい言葉になる可能性を秘めて...
「僕は思うよ、最初から優しい言葉なんて存在しないんだ、あるのは、優しく聞こえる言葉だけ。でもね、どんな不器用な言葉だって、叱られた時の言葉だって、いつかは思い出した時に、その言葉が胸のどこかを温めていたら、それは本当に優しい言葉なんだ。すべての言葉は優しい言葉になる可能性を秘めているよ。だから、今日、浅井くんが白星さんにかけた言葉たちも、いつか本当の優しい言葉になるかもしれない。」 すごくグロテスクな現場の後だから、ブルーマンデーが流れる車の中での会話がすごく優しく聞こえる。 繊細な人は優しい人だ。亡くなった人達も救われるような気がした。
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部屋の描写が生々しくてめっちゃ想像できた こういう仕事してる人が現実にいると思うと尊敬する 私には絶対できない
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わかっていた。わかってはいたんだ。だけど、思った以上にキツかった。 最後は明るい終わりで救われた。 自分は死体の生々しい描写より、死後の得体のしれなさの方が苦手なんだなとわかった。
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1.青い月曜日 / 2.悲しみの回路 / 3.彼の欠片 / 4.私たちの合図 / 5.クラゲの骨 / エピローグ 初めて前川ほまれさんの作品を読みました。 各エピソードそれぞれどれも印象的でした。 特殊清掃という仕事は知ってはいたのですが想像していたよりも描写が細かくてリアルだ...
1.青い月曜日 / 2.悲しみの回路 / 3.彼の欠片 / 4.私たちの合図 / 5.クラゲの骨 / エピローグ 初めて前川ほまれさんの作品を読みました。 各エピソードそれぞれどれも印象的でした。 特殊清掃という仕事は知ってはいたのですが想像していたよりも描写が細かくてリアルだったので少し辛かったです。 でも実際に起こっていることなのでこの仕事は本当に大変な事なんだなと思いました。 笹川さんはあの出来事だけで一歩を踏み出せた感じだったので少し軽い?かもとは思いましたがラストはハッピーエンドのように終わったので良かったです。
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「特殊清掃」病院ではない場所で亡くなった方の部屋などの清掃業務 祖母の孤独死がきっかけで「特殊清掃専門会社」でバイトすることになった主人公「浅井航」と仕事に携わる人々を描いた連作短編集 凄惨な現場に何度も挫ける航 故人の痕跡を消すのが仕事だが、廃棄処分されるものであっても遺品...
「特殊清掃」病院ではない場所で亡くなった方の部屋などの清掃業務 祖母の孤独死がきっかけで「特殊清掃専門会社」でバイトすることになった主人公「浅井航」と仕事に携わる人々を描いた連作短編集 凄惨な現場に何度も挫ける航 故人の痕跡を消すのが仕事だが、廃棄処分されるものであっても遺品は疎かに扱わない 真剣に現場に向き合う彼らに、本当は身近である自分の死後をリアリティを持って感ました 社長のエピソードと絡めた良エンドの作品です
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