日本につけるクスリ の商品レビュー
診断編はわかりやすかった。 税金は、一人でできないことをみんなで実行するためにに必要なもの。年金は生きるリスクに備える保険だと考えるとやはり、寿命が伸びたら、働けるうちは働かなくては、国の成長はないんだろうなぁ。 格差は、受け入れなくてはならないが、貧困という絶対的に困ってい...
診断編はわかりやすかった。 税金は、一人でできないことをみんなで実行するためにに必要なもの。年金は生きるリスクに備える保険だと考えるとやはり、寿命が伸びたら、働けるうちは働かなくては、国の成長はないんだろうなぁ。 格差は、受け入れなくてはならないが、貧困という絶対的に困っている状態をなくすことが必要なのに、日本は「貧困」を明確に把握できていないし、その言葉も忌み嫌ってる⁈ 政治は、政治家の票田獲得のため特定の利権に走り、ルールを作る官僚に権威があり、終身雇用の仕組みがあるため、良い政策が出てこない。 メディアは、反権力という権力になってしまっている。メディアが知識を提供し、その知識を組み立てて知恵にする方法を教育が教える事が必要。 教育は、お金がかかるのに日本は割安。完成されたものを分解するのでなく、つくりながら学ぶ結論までのプロセスを指導できる人が必要。社会人になっても学び続けることが必要。 処方箋は、分配のためにも経済成長が不可欠。経済成長に介入せず、減税し、起業を高めるために、赤字企業を退出させる勇気が必要。 経済成長の設計と分配の機能は別である。経済成長の設計に小さい政府を貫くことが、政治家の補助金=権力である限り、日本はできない。起業する会社も少ない分、倒産する会社も極めて少ない。 ヒエラルキー型だと数が少なく、クレーマーの可能性もあり評価の質が低いが、ネットワーク型になれば、取引の数が評価の数となり質も高く、数も増える。変革のためには特区を活用する。 割引率が高いとは、将来の価値を今より大きく割り引いて小さく見積もる=今が大事。 割引率が低いとは、将来の価値を今より割り引かず、大きく見積もる=今と同じく将来も大事。 リスクが高いことにチャレンジする時、意識的に将来の割引率を低く設定するには、知ること、理解することができるか? サラリーマンになって能力開発を行い、自らジョブチェンジしてもお金を稼げる人になる。 高齢者の医療費を減らすには、医療費を上げて、予防に使う。 老害にならないように尊敬される人になるには、「傾聴する力」「何歳になってもリスクを取って挑戦できる人」になる。 新陳代謝の高い市場とする。 そのために思考停止に陥らない思考のクセ 期待値の下方修正をしない。自分以上に自分に期待できる人間はいない。 ラベリングの罠にハマらない。人の評価のレッテルに左右されない。 問題をゼロにしようとしない。問題が起こらないようにするためにはどうするか、ではなく、問題が起きたときにどう解決するか。 判例法の国のように事前規制より事後チェックの方が生産的である。 問題の構造をメタ認知する。 当たり前を捨てて、どうあるべきかをゼロから組み立てるのも、大事な考え方。 アジェンダを明確にする作業を怠らないこと。 前提条件をすり合わせること。 どの時点で結論が分岐したか、確認する。 しかし、処方箋は難しいなぁと思いつつ、
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・『日本は「かつて豊かな国だった」になる』 20世紀初頭、アルゼンチンはフランスやドイツよりも裕福な国でありヨーロッパ中の農家が出稼ぎの船に乗ってたどり着く、夢と希望の国であった。 50年前、スウェーデンは離婚が多く、性に関するモラルが低い国と認識されていた。 40年前、イギリス...
・『日本は「かつて豊かな国だった」になる』 20世紀初頭、アルゼンチンはフランスやドイツよりも裕福な国でありヨーロッパ中の農家が出稼ぎの船に乗ってたどり着く、夢と希望の国であった。 50年前、スウェーデンは離婚が多く、性に関するモラルが低い国と認識されていた。 40年前、イギリスは高い社会福祉費の為に財政は逼迫され、経済は停滞し、社会は荒れていた。ヨーロッパの癌のような存在であった。 ・『税金とは?』 一人でやれないこと みんなでやったほうがいいこと みんなでやらないとできないこと これらを実行するためにある。 ・『メディアに必要なのは中立ではなく、特定の利害から独立すること』 いまの日本のメディアは「反権力という権力」。 ジャーナリズムとは権力から距離を置くこと、そして同時に大衆から距離を置くこと。 ・『教育』 絶対的な答えのない問いを教えられるよう、結論だけではなく結論までのプロセスを指導できる教員を増やすことが必要。 アクティブラーニングの必要性。 ・『高齢化社会』 60代と90代を高齢者とひとくくりにした制度には改善の余地がある。 高齢者が増えるほど、社会全体の格差は拡大する。日本の格差拡大のかなりの部分は、じつは高齢化によってもたらされている。 ・『老害にならないために』 傾聴する力がある人。 何歳になってもリスクを取って挑戦できる人。 ・『変化を起こす人の思考法』 最初から問題をゼロにしようとせず、問題が起きたときにどうするかを考える。 常に制度の前提を疑い、時代の変化に適応した制度をゼロベースで考える。 ・『日本につけるクスリ』 社会全体に対して当事者意識を持ち、痛みも含めてみなと共有し、ともに未来を作り出していける市民や国民をできるだけ多く生み出していくこと。
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読んでよかった。 日本の政治や経済に課題感を持ちつつ、構造が複雑で理解できない、何かしたいけど何からやればいいかわからない、って人に読んでほしい。
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対談本としても良書です。内容はやんちゃな安部氏を竹中氏がやさしく導くといった趣向です。 劣化が止まらない日本につけるクスリはあるのか?についてお互いの専門分野の知識を駆使して議論する様は知的興味を刺激します。 本書は2016年に出版されたことを考えれば、かなり先見の明があったのが...
対談本としても良書です。内容はやんちゃな安部氏を竹中氏がやさしく導くといった趣向です。 劣化が止まらない日本につけるクスリはあるのか?についてお互いの専門分野の知識を駆使して議論する様は知的興味を刺激します。 本書は2016年に出版されたことを考えれば、かなり先見の明があったのがわかります。 例えば、官僚たちを終身雇用にしたら組織の利益を最大化するインセンティブが働く(P91)、政治家にとって補助金=権力(票)(P161)、「この国には法の支配なんかない、特定の人の裁量ですべてが決まってしまう」(P221)、「政府が国民から信頼されることが最も重要」(P224)、「思考停止フォーマットには2つ、とにかく反対することと永遠の真理を使うこと」(P229)など現政権に耳の痛い話がわんさかでてきます。 最後に、竹中氏が政策NPO(政策や政治家を評価し国民への情報公開を行う)を一緒に進めようという提案を安部氏が断ったのは残念で情けない。
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日々の忙しさという定の良い言い訳をして、社会問題に見て見ぬを振りをしていたことに気づかさられる。他人事のようで、他人事ではない問題は多い。情報に溢れているけれども、能動的に取りに行かなくては、質の良い情報を得られない事を痛感する。大きなことは出来ないくても、まず知ることから始めよ...
日々の忙しさという定の良い言い訳をして、社会問題に見て見ぬを振りをしていたことに気づかさられる。他人事のようで、他人事ではない問題は多い。情報に溢れているけれども、能動的に取りに行かなくては、質の良い情報を得られない事を痛感する。大きなことは出来ないくても、まず知ることから始めようと思わせてくれる一冊。
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対談内容がテーマ毎に区切られていて非常に分かりやすく、面白かった。 こうした議題が国会議員の選挙テーマになればいいのに。
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賢い人が喋っているのを読むのは楽しい。 「経済成長は大切」とか、自分と正反対の考えでも「なぜ必要か」を示してくれていたからある程度納得できた。私も記者を目指す者として問題意識を持っておかなければならないと思って、最近メディア批判に意識的に触れるようにしている。記者になってからも、...
賢い人が喋っているのを読むのは楽しい。 「経済成長は大切」とか、自分と正反対の考えでも「なぜ必要か」を示してくれていたからある程度納得できた。私も記者を目指す者として問題意識を持っておかなければならないと思って、最近メディア批判に意識的に触れるようにしている。記者になってからも、いま頭に入れたこと絶対忘れずにいる!
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社会問題の現場に密着した安部さんがシステム、システムと強調するのが逆説的で面白かった。社会問題のない世の中はない、という前提は大事。最初に税制を据えてきた構成も全うな感じ。宿泊税を定率にしろ、というのはすぐに実現できそうだなぁ。
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竹中平蔵さんと「社会の無関心を打破する」を掲げているリディラバの代表安部さんが対談形式で日本の社会課題について語り合っている本書。 竹中さんはご存知の通り、経済学者でありながら郵政民営化を進めて達成した方で、個人的になんとなく好意をもっていなかったのだが(何故だろう?)本書を読...
竹中平蔵さんと「社会の無関心を打破する」を掲げているリディラバの代表安部さんが対談形式で日本の社会課題について語り合っている本書。 竹中さんはご存知の通り、経済学者でありながら郵政民営化を進めて達成した方で、個人的になんとなく好意をもっていなかったのだが(何故だろう?)本書を読んで見方が変わった。完全なる偏見だった。反省。 安部さんも竹中さんもお互いの自論はありつつも(当然のことながら)建設的な議論を交わしているので大変わかりやすく読むことができたし、章の最後にはちゃんとまとめも書かれているので理解しやすかった。お2人が目の前で話しているかのごとく本書を読むことができるのも魅力の1つかもしれない。 いわゆる若者代表の安部さんと、人生の先輩代表竹中さん。年齢が離れた2人が同じテーマに沿って議論するのは、実社会ではなかなか難しいことなのかもしれないと思いつつ、おもしろく拝読させてもらいました。本書が発売してから1年少ししかたっていないが、また是非議論して欲しい。
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竹中氏の構造改革と安部氏の社会課題解決の視点に立った対談だった。対談本のためかもう少し深く一つ一つの問題を取り上げてほしかったが一度は目を通す価値がありそうだ。
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