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銀色のあしあと の商品レビュー

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2020/04/12

星野富弘(1946年~)は、群馬県生まれの画家・詩人。中学校の体育教師としてクラブ活動の指導中に事故で頸髄を損傷し、手足の自由を失ったが、その後口に筆をくわえて文や絵を書き始め、多数の作品を制作し、ハワイ、ニューヨーク、サンフランシスコなどでも詩画展を開いている。 三浦綾子(19...

星野富弘(1946年~)は、群馬県生まれの画家・詩人。中学校の体育教師としてクラブ活動の指導中に事故で頸髄を損傷し、手足の自由を失ったが、その後口に筆をくわえて文や絵を書き始め、多数の作品を制作し、ハワイ、ニューヨーク、サンフランシスコなどでも詩画展を開いている。 三浦綾子(1922~99年)は、北海道旭川市生まれの作家。クリスチャンで、『氷点』、『塩狩峠』などの作品を残している。 本書は、二人が1988年に行った対談を プロテスタント福音派系の出版社・いのちのことば社発行の月刊誌『百万人の福音』に掲載後、単行本で出版され、以後何度か復刊されているものである。私の手元にあるのは、講談社文庫(1999年初版)のものである。(既に絶版) 私が星野氏を知ったのは、あの特徴的な筆致の、一度見たら決して忘れない花々の絵を見たときであったが、それがいつ・どこでだったのかは思い出せない。しかし、その印象は強く、その後たまたま本屋で本書を目にしたときに、この絵の作者はどのような人なのかと、思わず手に取らずにはいられなかった。 そして、星野氏が不慮の事故で手足の自由を失い、その後、絵を描き始め、洗礼を受けたこと、また、キリスト教のつながりで三浦氏との交流するようになったことを知った。 本書は、(既にがんを患っている)三浦氏が、群馬県の渡良瀬川上流の自然豊かな星野氏の自宅を訪ね、美しい自然の中で生きる喜びを語り合ったものであるが、それは、絶望の淵を見た二人だからこそ紡ぎ出し得る、心に響き、癒し、生きる勇気を呼び起こす会話となっているように思うのだ。 掲載された写真も美しく、爽やかな風が心を包むような対談集である。 (2007年11月了)

Posted byブクログ