自閉症 もうひとつの見方 の商品レビュー

バリー・M.プリザント(著者),トム・フィールズ・マイヤー(著者),吉田仰希(訳者),深澤雄紀(訳者),長崎勤

2018/10/06

‪UNIQUELY HUMANの邦訳。ようやく読了。ボリュームあるので時間がかかったけどいい本でした。当事者を含む関係者は必読の書だと思う。
自閉症という状態について、一面的に＂障害＂であり修正すべきもの、欠陥をなくすもの、治療すべきものと見做すべきではなく、あくまでひとりの人間として困難に対処し、その人らしさを発揮して幸せに生きるために支援者を含む周囲が何をすべきかをさまざまな側面から紹介する。事例や著者の経験、最新の研究などバランスの取れた内容になっていると思う。

著者はSCERTSモデルの提唱者。もう少し深く読み込んでみたいと思う。しかし昔ながらの行動療法家ってけっこうひどいことしてたんだなあ。

残念なのは翻訳が非常に読みにくく、何を言いたいのかわからない訳文がかなりあったこと。校閲が不十分な箇所もあり、おかしな日本語にはぐぎぎぎぎとなってしまう私には少しつらかったです。せめて日本語として意味がわからないところだけでも改訂してもらえないでしょうか。