天地に燦たり の商品レビュー
梅雨のせいかな、集中力が全然保てない。 気候が良くなったらもう一回、ちゃんと読まないと、、 戦を嫌なものだとわかりながら戦で生きる島津の武士樺島久高と、 生を説く朝鮮国白丁出身の儒者である明鐘、 礼を重んじる琉球の真市。 1952秀吉の朝鮮出兵から、1906島津の琉球侵攻まで...
梅雨のせいかな、集中力が全然保てない。 気候が良くなったらもう一回、ちゃんと読まないと、、 戦を嫌なものだとわかりながら戦で生きる島津の武士樺島久高と、 生を説く朝鮮国白丁出身の儒者である明鐘、 礼を重んじる琉球の真市。 1952秀吉の朝鮮出兵から、1906島津の琉球侵攻まで。 なぜ戦うのか、獣と人との違いは?を3人の視点で。 あと、 なんくるないさーは、定型句として前段があって、まくとぅそーけーなんくるないさーで、 真を尽くしていればなんとかなるさ、で、 人事を尽くして天命を待つに近いらしい。知らないってすごく失礼なことだな、、すみませんでした。 それから、イラブチャーという魚、美味しいらしい。食べてみたい。 ……画像検索したら、、めっちゃ青い!
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「礼」に始まり「礼」に終わる人間関係 三人の立場(島津の侍大将、琉球王国の密偵かつ商人、賎民から儒学を得た男)から侍大将は「戦いは誰の為のものなのか」を問い続け、賎民の青年は人種差別を儒学で無くす事を探し求め、琉球の官司はそれぞれの国の情報と人材を求めて密偵として探し求める。互い...
「礼」に始まり「礼」に終わる人間関係 三人の立場(島津の侍大将、琉球王国の密偵かつ商人、賎民から儒学を得た男)から侍大将は「戦いは誰の為のものなのか」を問い続け、賎民の青年は人種差別を儒学で無くす事を探し求め、琉球の官司はそれぞれの国の情報と人材を求めて密偵として探し求める。互いの接点が戦場となり、そこで発見することになる。それは「義」「忠」以上に人を理解すること、人間関係の大切さは「礼」であると。因みに琉球国は「「守礼之邦」である。
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2022.7 少々難しい表現もあるけれど礼に溢れた、ピリッとした小説でした。 守礼の門とはそういう意味だったんだ。
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本著者の二作目『熱源』が非常に面白かったので、一作目となる本書を読んだ。 島津家・朝鮮・琉球の三者が「礼」と「戦」で運命的かつ残酷に繋がるストーリー。三者のそれぞれの背後にある、大明国や豊臣家、徳川家といった権力に翻弄される運命にありながら、戦と儒学をもって「生」きることを肯定す...
本著者の二作目『熱源』が非常に面白かったので、一作目となる本書を読んだ。 島津家・朝鮮・琉球の三者が「礼」と「戦」で運命的かつ残酷に繋がるストーリー。三者のそれぞれの背後にある、大明国や豊臣家、徳川家といった権力に翻弄される運命にありながら、戦と儒学をもって「生」きることを肯定する美学。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
島津の戦い方や、久高が戦場に出るシーンは見ものだった。戦場に出た武士は、死を目の前にして何を考えただろうか。武士にも感情はある。 儒学の教えや琉球の文化が興味深かった。サラッと説明されているのがもったいなくて、一つ一つ掘り下げて読みたい内容だ。 出自や主張に関わらず、お互いを認め合うことはできるはずだ。礼を重んじ、人としてどう生きるかというテーマを強く感じる作品だった。
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始めは難しい(言葉選ばずにいえば読み進めずらい)けど途中からはどんどん展開していくので難しさはなくなる。江戸初期少し前くらいの沖縄舞台の物語は読んだことがなかったので新鮮で感じたことのない雰囲気の中でストーリーが進んでいくのもよかった。礼、がキーワード。
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第162回直木賞を受賞した「熱源」の川越宗一さんのデビュー作。「熱源」は北海道・樺太・ロシアの話だったが今作は鹿児島(島津)・琉球(沖縄)・朝鮮を舞台とした歴史エンターテインメント。豊臣秀吉による朝鮮出兵時代が舞台の物語で、島津・沖縄・朝鮮の3つの国で生きる3人の主人公が時代の中...
第162回直木賞を受賞した「熱源」の川越宗一さんのデビュー作。「熱源」は北海道・樺太・ロシアの話だったが今作は鹿児島(島津)・琉球(沖縄)・朝鮮を舞台とした歴史エンターテインメント。豊臣秀吉による朝鮮出兵時代が舞台の物語で、島津・沖縄・朝鮮の3つの国で生きる3人の主人公が時代の中で交錯していく(このへんは「熱源」と似ている、川越作品の特徴か)。当時の3国の特徴と歴史的関係が克明に描かれており、3人の主人公はそれぞれの国で学んだ儒教の「礼」とは何かを模索していく。登場人物の名前が長いのが難点だった。
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3月-6。3.0点。 豊臣の朝鮮出征の時代。島津の家臣と、琉球の密偵、 朝鮮の身分が低い男達の物語。 朝鮮の男の、成り上がりの物語が面白い。 場面転換が、イマイチスムースじゃ無かったかな。 直木賞「熱源」の完成度の高さが分かってしまった。
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これはまたすごいものを読んでしまったなぁ。 この手の作品の核に『礼』を選ぶ川越さんかっこいいとおもう。 殿方は、義や忠に重きをおきがちだけれど、こうして礼を尽くすとは、おそれいる。 決して愉快ではない時代の、楽ではない身分の、易しくはない生き方を描く。 王に仕えよとい...
これはまたすごいものを読んでしまったなぁ。 この手の作品の核に『礼』を選ぶ川越さんかっこいいとおもう。 殿方は、義や忠に重きをおきがちだけれど、こうして礼を尽くすとは、おそれいる。 決して愉快ではない時代の、楽ではない身分の、易しくはない生き方を描く。 王に仕えよという言葉が最後までハートにささった。 その王は、そうか、自身だったか。 この時代より現在は果たして生きやすいのか、易しいのか、楽しいのか、答えはわからないけれど、たぶん。 『誠を尽くせば、なんとかなる』
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『熱源』に劣らぬ熱さ! 『熱源』と同じく実在の歴史に根差した物語だが、よりフィクション性が高く、著者の想いがストレートに込められている気がする。知らんけど。 創作人物の鍾明や真市のセリフが妙に現代的だったり、笑いを誘う仕掛けがあったりするところも面白い。
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