海軍夜間戦闘機「月光」 アンコール版 の商品レビュー
手持ちの『世界の傑作機』をようやくすべて読み終わった! 月光の号は初版を購入したが読みきらないうちに紛失。再版を購入してようやく読み切った。 渡辺洋二氏の渾身の記事。見開きページの月光による全戦果のリストは圧巻。 渡辺氏は後に文春文庫から『死闘の本土上空』という本を出す。本...
手持ちの『世界の傑作機』をようやくすべて読み終わった! 月光の号は初版を購入したが読みきらないうちに紛失。再版を購入してようやく読み切った。 渡辺洋二氏の渾身の記事。見開きページの月光による全戦果のリストは圧巻。 渡辺氏は後に文春文庫から『死闘の本土上空』という本を出す。本書はこれに掲載した分に収まらなかったものが一気に詰め込まれた感がある。 ラバウルで斜銃が考案されなかったら駄っ作機の一つになったであろうという考察は考えさせられる。海軍は双発戦闘機のあるべき姿をイメージできず、偵察機としても鈍足で犠牲ばかり増える機体だった。 用途が明確になってから使える兵器に変身したのは、中島飛行機の設計が確かなものだったことによると思う。主翼が付け根で18%という厚翼なのは、中島としてもどう使われるか分からない飛行機に安全余裕をとったというところか。 ドイツは早くから夜戦の必要性を認識し、夜戦専用のHe219を開発するが、日本は結局月光の後継機はなかった。しかし、本土防空の初期は昼夜を問わず活躍した月光も、硫黄島が陥落して単発戦闘機が来るようになったら双発戦闘機に昼間の迎撃は不可能となった。 傑作兵器は性能だけではなく、必要なときにそこにあるというタイミングも重要な要素だと改めて思う。
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