症例でわかる精神病理学 の商品レビュー
現代の分類に基づく精神疾患について記述式精神医学・現象学的精神医学・力動的精神医学の3つから読み解く教科書。
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木村敏さん・中井久夫さんとかのお弟子さん(?)の松本卓也さんが著者の本当に分かりやすい精神病理入門書。 僕は、国試レベルの記述精神病理の知識と高校の倫理の知識しかなかったけどスラスラ読めました。全部面白い!特に統合失調症と自閉症の章が本当に面白い…(幻聴が「対象なき知覚」ではなく...
木村敏さん・中井久夫さんとかのお弟子さん(?)の松本卓也さんが著者の本当に分かりやすい精神病理入門書。 僕は、国試レベルの記述精神病理の知識と高校の倫理の知識しかなかったけどスラスラ読めました。全部面白い!特に統合失調症と自閉症の章が本当に面白い…(幻聴が「対象なき知覚」ではなく、「聴覚における受動的体験」という捉え方とか、エポケーから抜け出せないのが統合失調という考え方とか、自閉症のタイムスリップ現象とか、カントでいう「悟性」が働かない状態だとか)。力動精神病理についても基本的なことを知れてよかった! 鑑別という観点よりも、病自体を深く理解するっていうとこに重きを置いてますね(当たり前か)。 ディルタイの「了解」という概念自体は、医師によって結構ブレが出そうだなと思いました。 あと統合失調症における意味妄想は知覚連関の弛緩で、機能幻覚は意味妄想が派生したものっぽいとなんとなく思いました。 自治医科大のCC見学したいな…
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「症例でわかる」とあるが「何がわかるのか?」というあたりが、自分の知りたいあたりと被っている箇所が多くて助かりました。欲を言えば「雰囲気」や「たたずまい」といったあたりがもう少し詳しく読みたかった。
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題名の通り、簡単な症例を介して精神病理の解説がなされている。初学者で十分読みやすい。精神・心理症状ハンドブック等と同系統の本と行っていいと思われるが、説明はより平易で、症例がある分こちらの方が理解はしやすいように感じる。精神病理の知識の会得を通して診断面接の精度や目前の事象に対す...
題名の通り、簡単な症例を介して精神病理の解説がなされている。初学者で十分読みやすい。精神・心理症状ハンドブック等と同系統の本と行っていいと思われるが、説明はより平易で、症例がある分こちらの方が理解はしやすいように感じる。精神病理の知識の会得を通して診断面接の精度や目前の事象に対する考察は向上すると思われる。
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記述式精神病理については非常にわかりやすかったけど、それ以外は自分の読解力の無さからくるものなのかやっぱりむつかしい。簡単に理解するということ自体が不可能な学問なんだとつくづく思わせてくれたので星4。
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難解な精神病理学の理論を記述精神病理学、現象学的精神病理学、力動的精神病理学と、どの学派に偏ることなく平易に説明。また症例は古典的な症例を含めて提示され、その内容を説明。これだけの膨大な内容を網羅的に説明できるのに圧倒され、また若い著者の能力にも驚嘆した。
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脳でも心でもない「精神」と呼ぶよりほかない領域の理解。そのために精神障害の症例を精神病理学で理解する。 それは、患者さんの症例が発する言葉を丁寧に聞き取り、現象の特異性を取り出す営み。「脳」の異常や「こころ」の問題としてわかろうとする態度とはことなる。 患者の心的体験をわかるこ...
脳でも心でもない「精神」と呼ぶよりほかない領域の理解。そのために精神障害の症例を精神病理学で理解する。 それは、患者さんの症例が発する言葉を丁寧に聞き取り、現象の特異性を取り出す営み。「脳」の異常や「こころ」の問題としてわかろうとする態度とはことなる。 患者の心的体験をわかることは、どこまでをわかってよいのかをわかるようになること。 精神病理学には3つの立場がある。 ①記述精神病理学(心的体験の記述、了解という方法) ②現象学的精神病理学(あいだ、患者の世界への棲まい方の検討) ③力動精神医学、精神分析(無意識領域における欲動同士のぶつかり合い、それによる変化)
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