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新世界秩序 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2023/05/04
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    ―2023.05.02読了 1891年から10年をミッテラン大統領の顧問を務め、その後もサルコジ政権やオランド政権の要人として支え、マクロンを大統領へと導いた、ヨーロッパ最高の知性と称されるフランス知識人.ジャック・アタリ 19世紀世界はイギリスが支配し、20世紀はアメリカが支配した。 では、21世紀は誰が支配するのか? 中国やインドなど新興国か? 国連などの国際機関か? または多国籍企業か? あるいは原理主義か?

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2020/08/08

本題は7章から。 そこまではヘブライ人による唯一神の発明から、2011.3.11の福島原発事故までの歴史の再構成。 国連があまり重視されない理由も納得。 P267のグローバルな感染症リスクは、コロナによって残念ながら当たってしまった。 保険と娯楽による人の支配、これもまたそ...

本題は7章から。 そこまではヘブライ人による唯一神の発明から、2011.3.11の福島原発事故までの歴史の再構成。 国連があまり重視されない理由も納得。 P267のグローバルな感染症リスクは、コロナによって残念ながら当たってしまった。 保険と娯楽による人の支配、これもまたそうだろう。 保険に加入して将来の安心を買ったつもりになり、ガチャを回して気晴らしをし、国家や会社が自分達を守ってくれるものではなくなった不安から目を背けている。 人間の自由移動がパンデミックにより制限され、工場が止まり、空は青くなり水は澄んだ。 温室効果ガスの排出も少なくなった。 ソーシャルネットワークと超ノマドが大きく伸びている。 2017年に空白地帯と呼ばれていた部分が埋まりつつある中、今続きを書くならどのようになるだろうか。

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2019/07/06

ジャック・アタリによる悲観的な予測論。 トランプ大統領の政策により、同盟国は軍事的にも経済的にも安全保障が揺らいできている。 2030年、経済・軍事面でのアメリカの優位は変わらない。それにEUと中国、インドが続くが、いずれも内部に問題を抱えており、世界を率いていくほどではない。 ...

ジャック・アタリによる悲観的な予測論。 トランプ大統領の政策により、同盟国は軍事的にも経済的にも安全保障が揺らいできている。 2030年、経済・軍事面でのアメリカの優位は変わらない。それにEUと中国、インドが続くが、いずれも内部に問題を抱えており、世界を率いていくほどではない。 国家による統制が緩くなり市場がグローバル化していくと、無法的な企業活動が蔓延していく。 武器やダークマネーの取引などが行われ、よりグローバルな諸問題が発生進展していく。(グローバル・システミック・リスク) →金融危機、人口激増による食糧難、地球規模での紛争、温暖化による干ばつや洪水 これへの対策は世界が一つに結束すること。

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2019/01/06

読みごたえはある本だが、少々誤りがあるように思う。基本的には悲観的な色調であるが、とりあえずの解決策も提示してはいる。結局のところ、人間は自分のことしか考えないということか。

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2018/10/25

前半は、古代から現代まで、どのような国が世界を統べろうとしたのか、歴史から入る。この部分の情報量が多いのだが、著者の主張の前提となる知識になるだけなので、詳細な説明は省かれている。世界史の教科書を100ページくらいに圧縮したようなパートだった。後半は未来の世界秩序はどうなっている...

前半は、古代から現代まで、どのような国が世界を統べろうとしたのか、歴史から入る。この部分の情報量が多いのだが、著者の主張の前提となる知識になるだけなので、詳細な説明は省かれている。世界史の教科書を100ページくらいに圧縮したようなパートだった。後半は未来の世界秩序はどうなっているのか、シナリオを示すと共に、実現のための施策が示される。言うは易し行うは難しで、国連を越えるような民主的な世界秩序を構築するためには、お金がかかるだけではなく、人類の意識も変わらなければならないことが伝わってくる。民主主義のコストは高いね。

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2018/08/28

帝国の攻防と世界統治 古代中世の世界秩序、武力と宗教による統治、資本主義による世界秩序、パックスアメリカーナの拡大と衰退、G2 イギリスとアメリカアメリカとソ連、アメリカと中国店までは非常に興味深く読んだが、 21世紀の世界秩序はどうなるか?に対する答えは様々な可能性を述べる...

帝国の攻防と世界統治 古代中世の世界秩序、武力と宗教による統治、資本主義による世界秩序、パックスアメリカーナの拡大と衰退、G2 イギリスとアメリカアメリカとソ連、アメリカと中国店までは非常に興味深く読んだが、 21世紀の世界秩序はどうなるか?に対する答えは様々な可能性を述べるだけで非常に物足りない内容であった。 インディオは同じ人間なのか?スペインによる世界統治の過程でインディオは人間にあらざる存在であり、改宗させることはできない、インディオは人間であり、キリスト教徒にしなければならない存在だと議論が行われた。その論争の後インディオを奴隷とすることが禁じられた。インディオは本質的に劣った存在であり、人ではなく物として支配することができると明言されていた、キリスト教に改宗した物として、ということである。

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2018/07/14

それぞれの時代にその時代の論理に基づいた世界秩序がある。支配の論理は武力や宗教から資本へと変遷、現在はグローバル資本主義が世界秩序となり、国民国家ですらその立場が脅かされている。グローバル・システミック・リスクはますます増大しており、世界は無政府化、カオス化しつつある。その中で必...

それぞれの時代にその時代の論理に基づいた世界秩序がある。支配の論理は武力や宗教から資本へと変遷、現在はグローバル資本主義が世界秩序となり、国民国家ですらその立場が脅かされている。グローバル・システミック・リスクはますます増大しており、世界は無政府化、カオス化しつつある。その中で必要とされているのは新たな論理に基づく世界秩序であり、世界統治機構である・・・ 詳しい時代考証をバックに現状分析、未来への提言が行われている。リスク回避のためには民主主義をベースとした世界統治機構が必要・・だが、世界が合意の元に新しい秩序を作り上げるには危機意識を共有して自らの目先の利益を放棄して連帯する必要があるだろう・・ 正直、相当なリスクに直面したときに理性的な判断を世界中の人々が下さない限り、彼の構想は絵に描いたもち、なのかもしれない。 今までの世界秩序はすべて何らかの力を背景に格差などの問題を不可視化してきたわけで、「新世界秩序」が真に民主的で公平なものになるために今までの世界秩序の論理では不可能だろう。「夢物語」にならないための方策としてはちょっと説得力が欠けるかな、と思いました。

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