犯罪コーポレーションの冒険 の商品レビュー

エラリー・クイーン(著者),飯城勇三(訳者)

2018/09/04

1939年から1948年にかけて全米で放送されたラジオ版「エラリー・クイーンの冒険」の脚本集第3弾。今回は日本版オリジナルのラジオドラマ脚本集で、11作が収められています。
耳で聴いただけで分かるような内容でないといけないので、いわゆるクイーンの諸作に比べればシンプルかもしれませんが、面白く読みました。
個人的にインパクトのあった脚本は、本邦初訳の『犯罪コーポレーションの冒険』。アンフェア一歩手前のトリックには、当時の聴取者も「えっ？！ もう1回最初から聴かせて」と思ったことでしょう。脚本ならば最初から読み返せるわけですが。。。
『カインの一族の冒険』や『放火魔の冒険』なども面白かったです。
なお、本作にはその他のラジオドラマ脚本のエピソード・ガイドも収録されています。「活字化されていない脚本」についても触れられており、それらの邦訳出版が待たれます。