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淫ら義母 乱れる の商品レビュー

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オーソドックスに淫靡なれどタイトルに示すには淫らさがやや不足

39歳の義母に対して主人公は24歳の社会人につき、むしろ第2の人生を歩む父の後妻といった趣の【奈央子】をメインに据え、幼馴染みながらしばらく振りに縁が戻った【美咲】を対抗に置くのはこの作者が得意とするヒロインの配置。ただし、この2人に官能的な接点はない。清楚で奥ゆかしい奈央子に生...

39歳の義母に対して主人公は24歳の社会人につき、むしろ第2の人生を歩む父の後妻といった趣の【奈央子】をメインに据え、幼馴染みながらしばらく振りに縁が戻った【美咲】を対抗に置くのはこの作者が得意とするヒロインの配置。ただし、この2人に官能的な接点はない。清楚で奥ゆかしい奈央子に生じた疑念と、昔を思い出しつつ甘酸っぱい青春めいた恋仲へと発展する美咲という2つの物語が描かれた作品と言える。 双方とも社会人であり、相応に恋も経験してきただけに美咲の過去が頭によぎる主人公。聞き出す程でもないが何となく気になる。しかし、父の発した「過去はどうあれ今が大事」といった旨の言葉が主人に去来する。これは後々の奈央子にも言えることであり、おそらく小説としての作者のメッセージと思われる。本人達には無関係な、些細なことから距離が生じた主人公と美咲が、それでも互いにずっと気になる存在だったことから再び距離が近づき、将来を誓う仲になるまで描かれている。手慣れたところを見せながら純真に恥じらう一面もあり、何より主人公への一途な想いが見て取れる恋物語である。 貞淑と思われた奈央子に生じた疑惑。元夫と会っているらしい。復縁を迫られ困っていると奈央子は話すが……あらすじに示されているので詮無きことだが、真相は逆である。今の夫(主人公の父)では満足できないという奈央子の本性が描かれていく。尊敬する父や美咲への後ろめたさを覚えながらも奈央子が時折見せる妖艶さに抗えない主人公。遂には許されぬ関係を結ぶに至るのだが、これが後半になってようやくなので、この時点で早くも残りの頁数を気にしてしまうことに。何とも勿体ない気がする。後には父の入浴中に淫らさを見せる奈央子の場面もあるにはあるのだが、その先を期待させて幕が引かれてしまう印象である。 公称224頁、実際は221頁目で終わる本作。これくらいの分量は別に珍しいことではない。しかし、奈央子への不審から事実の判明や美咲との距離を縮めていくところで前半を費やしているために官能描写自体は淫靡なれど絶対的な量不足は否めないと言わざるを得ない。今少し早くに関係を結ぶか、もしくは頁数を増量して官能場面を増やすかして欲しかったところである。

DSK