やっぱ志ん生だな! の商品レビュー
古今亭志ん生を知らない人が読んでも志ん生に興味を持てそうな文章は流石である 解説もあり落語を知らない人も置いてけぼりにはしない作りになっている
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落語の素養もある、たけしの評論は、的を射てますね。 さすがです。 書いてある通り、たしかにたけしの語り口は、志ん生に似ていますね。 気取らず、楽しい評論ですが、志ん生の真髄が分かりますね。
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「だいたい志ん生さんに勝っている落語家っていまだに見たことがないんだよ」 時代を席巻したツービートの漫才。 列島を爆笑でひっくり返した数多のコント。 世界に名を轟かせるキタノブルー。 小説家としても多数の著作。 故立川談志に弟子入りし、その弟子の立川談春にも再度弟子入り...
「だいたい志ん生さんに勝っている落語家っていまだに見たことがないんだよ」 時代を席巻したツービートの漫才。 列島を爆笑でひっくり返した数多のコント。 世界に名を轟かせるキタノブルー。 小説家としても多数の著作。 故立川談志に弟子入りし、その弟子の立川談春にも再度弟子入りしている著者が、昭和を代表する落語家古今亭志ん生を語り尽くす。 巨匠と崇め立てられることを嫌い、笑いの最前線に立ち続ける。 その原点は、浅草での師匠深見千三郎との出会い。 若き日に師匠から叩き込まれた原点が、本書の中でも度々登場する。 画家が死ぬまで筆を捨てないように、芸人も最後まで舞台に立ち続ける。 常に戦い続ける男の、これ以上ない落語論。 志ん生は、今でも生き続けている。 挑み続けている。 そして、勝ち続けている。 【本書に登場する主な落語】 「弥次郎」 「粗忽長屋」 「鰻の幇間」 「道具屋」 「お見立て」 「富久」 「黄金餅」 「寝床」 「火焔太鼓」 「あくび指南」 「大工調べ」 「人情八百屋」 「芝浜」 「幾代餅」 「野ざらし」
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ビートたけしによる志ん生論なんだけど、時々たけしさんの落語論のような部分があって、読んでいて面白い。 志ん生さんの生の落語、聴きたかったなぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
近年落語家としての活動もしているビートたけしさんが、古今亭志ん生の落語の魅力を思う存分語った一冊。内容としては今まで聴いてきた落語の話と、その聴きどころが中心。たけしファンの人が落語の世界に踏み込むにはいい入門書になるかもしれない。 ただ、この一冊だけを読んで、最初から志ん生の落語から聴き始めた人だと、好き嫌いが別れるかもしれない。また、たけしさん自身が「現代」を語っている部分が少ない。「過去」のエピソードが多いので、根っからのファンが読むと「その話他でもしていた」と重複する部分に飽きてくるかもしれない。 談志ファンの私としては、談志師匠の『談志百席』等で書いてある志ん生批評のほうが濃い内容に感じたので、そちらも見て欲しい。
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口をついて出てくるのは、5代目古今亭志ん生への あふれる思い。たけしの解説を読んでは、YouTube他に残る動画も観る。今の時代だからできるマルチタスクな熟読玩味。 さて本書。戦後の東京落語を代表し、芸風は「天衣無縫」と評された古今亭志ん生。一冊丸ごと、志ん生への敬愛とその至芸...
口をついて出てくるのは、5代目古今亭志ん生への あふれる思い。たけしの解説を読んでは、YouTube他に残る動画も観る。今の時代だからできるマルチタスクな熟読玩味。 さて本書。戦後の東京落語を代表し、芸風は「天衣無縫」と評された古今亭志ん生。一冊丸ごと、志ん生への敬愛とその至芸を語りながら、他の落語家や漫才・映画について、技法や芸人論・お笑いについて考察も加える贅沢な構成となっている。 志ん生は、『俺の芸を見ろ、見せてやる』といった談志のような高慢ちきな姿勢は微塵もなく、あくまでも 落語をお客さんを愉快な気持ちにさせるためのツールと見なしているような達観の境地さえ感じる。とはいえ、芸においては❛神は細部に宿る❜の言葉よろしく 隅々まで計算された繊細さに施され、その巧さを気づかせないところにまで昇華していると分析する。 例えば、落語というのは座って行なわれる。そう、上半身の動きだけで複数の人物を演じきる。志ん生の場合、なんと言っても、上下(かみしも)の割り振りが絶妙であると。また、志ん生の十八番「富久」の語りは極めて映画的な手法であると説く。 この噺は富くじと火事と幇間(たいこもち)の3つがテーマ。年末の下町で繰り広げられるジェットコースタームービー的噺。これが志ん生の手にかかるとストーリー展開・登場人物ともに俄然躍動的となり、映像的でもあると、自身の映画手法も織り交ぜ語る。 ここで余談をひとつ。 随分と前、たけしと糸井重里の対談の中で、たけしは「志ん生と談志」の比較論を開陳していた。確かこんな内容だった。 「志ん生さんはすっごく先鋭的な落語時代からだんだんと年を重ね骨董品の域に枯れていく良さ、所謂『経年劣化ではなく変化』を遂げてて、いつの時代を取ってみても志ん生は良かった。でも談志さんはずっとギンギンだから、味がないんだよな。」 上梓にあたり、たけしは「ズブの素人が志ん生さんと 落語について偉そうに語りました。お笑いください、 許してね!」とコメントしている。 志ん生は圓生同様、持ちネタの多い落語家で、たけしは今でも就寝時に聴き、また幼い頃、寄席で観ていることもあり、芸人たけしだからこそ分かる巧さ・凄さを見逃さず、見抜き、嘆息する。 本書とYouTubeの二本立てで数日間どっぷり浸り、 あらためて古典落語はおもろいなぁとひとりごちる。 「古くて新しい、今聴いても面白い」と評されるのは噺に出てくる人間が小狡くて、欲をかき、怠け者で、 噂好きで、鈍臭くて、好色である…。インテリもそうじゃなくても不変であるからで、談志が喝破した 「落語とは業の肯定である」とはよく言ったものだと 思う。巻末には、本書で取り上げた噺について、自身のコメントも付け、並々ならぬ思いで「志ん生論」に取り組んだことがうかがえる一冊。
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