この制御不能な時代を生き抜く経済学 の商品レビュー
竹中平蔵に対する怪しげな印象は未だ残っているが、最近では、そうした我田引水に対する疑心よりも、有能さが上回るだろうという所まで辿り着いた。考え方は素直に勉強になる。 ダボス会議よりも国会を優先する永田町の常識に対する警鐘、エビデンスよりエピソードに動かされる政権、IT後進国、シ...
竹中平蔵に対する怪しげな印象は未だ残っているが、最近では、そうした我田引水に対する疑心よりも、有能さが上回るだろうという所まで辿り着いた。考え方は素直に勉強になる。 ダボス会議よりも国会を優先する永田町の常識に対する警鐘、エビデンスよりエピソードに動かされる政権、IT後進国、シェアリング後進国である日本の危機感、ベーシックインカムに対する考え方など。 心地良さや面倒臭さから、現状肯定的となるある種のバイアスに対し、スピード感を持って変わらなければならない各種課題がある。竹中平蔵は、「ショック・セラピー」のような外圧が必要だという。震災もコロナも紛争もある種の強い外圧ではあるが、日本人の心理は変わってきたのだろうか。一方で必要とされるレジリエンスという概念は、原状復帰を意味しないのだろうか。レジリエンス力が強いために変えられない日本。矛盾にも感じる。
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