魔導の黎明 の商品レビュー
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登場人物それぞれの悩み苦しみ願いが混然として、早く解決して!と思いながら先を読み進めました。 レオンたちが生きている間はまだまだ魔導士は迫害されているかもしれないですが、未来は真っ暗というわけではなさそうで、そこが救いです。 イーディスとアシェッドの関係にによによさせられ、アシェッドが騎士団たちにからかわれてるところも重たい話の合間の癒しでした。 彼らの未来も想像はもちろん、書いていただきたいなと思います。
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取り憑かれたように読み続けていたシリーズだけれどもとうとう読み終わってしまった。もっと読んでいたかった。もっとこの世界に浸りたかった。という気持ちでいっぱい。 シリーズ最終作となる今作ではカデンツァ自治区とラバルタが再度の停戦に至るまでが描かれる。 一作目の停戦から12年もの時が経過しているので、意外なひとが亡くなっていたり逆に意外なひとが存命で驚かされたり……とにかく総集編とばかりにこれまで出てきた人物が次々登場する。変わらぬ姿あり誇らしく成長を遂げた姿あり、ずっとこの世界に浸っていたので懐かしい顔ぶれが出てくると嬉しい。 肝心の内乱は、自治区とラバルタ王家だけでなく第三者勢力の介入あり、寧ろそちらが今回の主役であり、王家のあるリアンノンサイドも王家と鉄の砦と近衛騎士団とで思惑が異なっていたりして、意外な方向に収束していく。これが本当に意外だった。このタイミングでようやく…。しかしこのタイミングでなければ動けなかったという某卿の気持ちも理解できないものではなくて、この作品は弱い人間の決意で進んでいく物語だなと思う。 終盤でこの世界が少しずつ良い方向に進んでいくだろう可能性が示唆されているけれど、1巻の『魔導の系譜』では「三十年以上の長きに亘り続く、北ラバルタ内乱」という記述があるので、読者が目にした自治区を取り巻く物語はその半分にも満たない。(――し、いずれ滅ぶと予告され続けてきたラバルタ国家が少なくともあと30年は存続するということでもある。)これからもたくさんの犠牲を払って、代替わりもして、粘り強く耐えながら少しずつ少しずつ夜明けを迎えていくのだろう。 オールスター総集編的な演出だった分個々の描写は薄めで、禁術のもたらしたものであるとか、鉄の砦のその後であるとか、もう少し厚みのある描写をして欲しかったなと思う部分はあるのだけれども、そう簡単に「めでたしめでたし」とはいかない世界ではいくら描写されてもきっと足りないと感じてしまうので、これくらいでちょうど良かったのかなとも思う。願わくば少しでも良い方向に進んでいきますようにと願う。 主人公の師弟は俗っぽい言い方をしてしまうと末永く爆発しろという感じで、何度絆を確かめ合ったら気が済むんだろう! 一時は師に依存してしがみついている感のあったゼクスがすっかり精神的に自立した一個人になっていて、寄る辺を得て初期よりは芯が強くなったもののいまだに危なっかしさの残るレオンとの対比が際立つ。レオンはもっと大丈夫な大人になったんだと思っていたのだけど、まだまだ駄目な大人だなあ。でも懸命に生きているこの人がとても好きだ。ゼクスが何度でも迎えに行くと宣言してしまったし、きっとこの二人はいつまでもこんな感じなんだろう。もう末永く寄り添っていて。 最後の最後で第一巻のタイトルである『魔導の系譜』を思わせる発言が魔導師ではないガトーから出てきたのも良かった。やっぱりこれ最終巻なんだなあ。 読み終わるのがもったいないと思える本と出会えて良かった。
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めでたしめでたしではない。 けれど魔導士の明日に光が見えるのは間違いない。 どんな世界になっていくのか楽しみな感じもする。消えていくのか残っていくのか、目立つのか埋もれていくのか、一人一人の想いが少しずつ道を創っていくのだろう
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