バッハ の商品レビュー
「音楽家一族の家に生まれ、ごく自然に音楽家になり、当時の音楽家にならって宮仕えをし、家庭用営み、一生を終えた」との記述が、バッハの生涯を端的に表している。バッハ一族はルター派の音楽家で、彼らの職場はルター派の教会だった。 1703年、18歳の時、アルンシュタットに新造された教会...
「音楽家一族の家に生まれ、ごく自然に音楽家になり、当時の音楽家にならって宮仕えをし、家庭用営み、一生を終えた」との記述が、バッハの生涯を端的に表している。バッハ一族はルター派の音楽家で、彼らの職場はルター派の教会だった。 1703年、18歳の時、アルンシュタットに新造された教会のオルガニストとして、初めての定職を得た。 ヴァイマルに着任して間もない頃からイタリア人作曲家の声楽曲や協奏曲を書き写しており、とりわけイタリア風の協奏曲はバッハを魅了した。 バッハが人生後半の四半世紀を過ごしたライプツィヒは、ワーグナーが生まれ、シューマンが大学に通ってクララと恋に落ち、メンゲルゾーンがゲヴァントハウス管弦楽団の音楽監督として、そしてバッハ復興の立役者として活躍した町。 ライプツィヒにおけるバッハの27年間は、膨大な数の教会作品を作曲した1720年代、世俗音楽を多く作った1730年代、「音楽の捧げもの」BWV1079、「フーガの技法」BWV1080、「ロ短調ミサ曲」BWV232のような集大成的な作品に取り組んだ1740年代の3つに分けられる。
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子どもの頃、ピアノのレッスンで登場するバッハが、苦手だった。 両手がバラバラに動くようなフレーズも難しかったし、同じ強さで淡々と弾くように言われて、もっとドラマティックなメロディが弾きたいと、つまらなく思っていた。 音楽室に肖像画がかかっている、その程度の印象しかなかった人は、当...
子どもの頃、ピアノのレッスンで登場するバッハが、苦手だった。 両手がバラバラに動くようなフレーズも難しかったし、同じ強さで淡々と弾くように言われて、もっとドラマティックなメロディが弾きたいと、つまらなく思っていた。 音楽室に肖像画がかかっている、その程度の印象しかなかった人は、当時の私にとっては2次元で、何世紀ごろの人、と筆記試験のためにマル覚えするような対象でしかなかったのだ。 宗派のこと、時代のこと、政治のこと。 こういうことを知っていれば、バッハの音楽がもっと面白く感じられていたかなぁ。 少なくともバッハが、現代を生きる人間と同じように悩んだり、恋をしたり、仕事に情熱を燃やしたり、まるで中間管理職のように上司(にあたる立場の人)の政治的な揉め事に巻き込まれて困ったりしていたことを知れば、もっと身近な、同じニンゲンとして親近感を覚えることができたかも。 今になってでも、出会えたからよしとしよう、と思う。 今だから分かることも、沢山あったと思う。 トシを取った証拠なのか、どうなのか・・・。 人は、音楽ナシでは生きられないんじゃないか? 何百年も前から、良い音楽を生み出すことにこんなにも情熱を傾ける人たちがいたことを知ると改めてそう思う。 「生存する」ことはできるかもしれないけど「豊かに生きる」には、やっぱりこういう芸能とか、気晴らしになるようなものが必要だったんじゃないかな、と。 とはいえ「どうしても必要」となればお金も絡むし、利害が絡めば政治が出てくる、宗教が出てくる。「芸術家」であるだけでは、本人も作品も、生き残りづらかったのは今も昔も変わらないみたい。 立場とか、やりたいこととか、生活のいろいろな事情とか、、、「いろんなことのバランスを取りながらガンバってたバッハさん」の生き様が垣間見えるようでとても面白い1冊。彼の並べたオタマジャクシが、今も残ってるんだもの、、、それって凄いコトだ!と改めて思える。 ところで実は 「バッハさん」への親近感を得られたことと同じくらい衝撃だったのは長3度にチューニングされたミーントーンのパイプオルガンのこと。 オートハープのチューニングで試そうとしたこともあるのだけれど、実際にはなかなか難しくて実用には至らず。パイプオルガンの調律なんて、どんな風にやるのか想像もつかないけど、、、その調の一曲を最高の響きで、というこだわり方が素晴らしい。ひょっとすると、神への捧げものだったからこそ、そういう贅沢が生まれたのかも。
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今まで数多くのバッハに関する本を読んできたが、この本がベスト。バッハの歩みが精神面のみならず具体的な距離感としても理解でき、バッハの人間としての息遣いも感じられた。筆者の本はオペラや絵画など数冊読んできたが、今回もとても良い本でした。あとがきのラスト3行も全く同感です。
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今まで色々なバッハについての本を読んできたが、今回ほどバッハが住んできた都市を体系的に理解出来た事はなかった。当時の社会に於いて自分の住む所が生活の全てであって、その都市を離れるというのは生活環境を全く変えてしまうという事と想像出来る。その中にあってバッハは、収入・仕事環境改善と...
今まで色々なバッハについての本を読んできたが、今回ほどバッハが住んできた都市を体系的に理解出来た事はなかった。当時の社会に於いて自分の住む所が生活の全てであって、その都市を離れるというのは生活環境を全く変えてしまうという事と想像出来る。その中にあってバッハは、収入・仕事環境改善と宗派的理由から何度も居住地を変えている。それが、本人の才能を活かすため、現代語でいう「リア充」を求めてなのか、家族の幸福(教育)の為なのかは、分からない…残っている資料は基本的に公のものばかりだから。今でも会社を辞めるときには「一身上の理由により」と書かれるが、その一身上の裏には多くの理由があるのと同じだ。 個人的には、家庭におけるバッハの姿をもっと掘り下げて欲しいし、彼の信仰についても神学的なアプローチも必要かと思うけれど、バッハの居住地を巡るというアプローチにおいて色々なインスピレーションを与えてくれた一冊である。
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