匿名者のためのスピカ の商品レビュー
島本理生さんらしいけど、どこか物足りない本だった。まだ咀嚼できてないのか。 ≪引用 「登場人物の気持ちなんてどうして書いていないのに分かるんだ。笑ってるのに悲しいとか。じゃあ泣けばいいのに」これは最初のシーンのただの会話文だけどこの話の事件を象徴としているようで何か印象深...
島本理生さんらしいけど、どこか物足りない本だった。まだ咀嚼できてないのか。 ≪引用 「登場人物の気持ちなんてどうして書いていないのに分かるんだ。笑ってるのに悲しいとか。じゃあ泣けばいいのに」これは最初のシーンのただの会話文だけどこの話の事件を象徴としているようで何か印象深い ≫ ただ単にこの人は感情がわからないのだと思ってたけどもっと深かったみたい。 ≪引用 「誰に対しても執着するのと、誰に対しても距離を置くことは、真逆に見えて、根っこは同じだよ。愛情を与えられていない人間の距離感の欠落なんだ。」 ≫ 確かにこういうのは表裏一体だなとおもう 距離感の欠落。 執着と無関心。
Posted by
ハードカバー版から少し表現が変わっている。 全体的にわかりやすく直接的になっているので、私はハードカバーの方が好き。
Posted by
歪んだ愛情、ヒシヒシと伝わってくる情景。 何が正しくて間違っているとかよく分かんなくなる。それぞれが、それぞれの闇を抱えていて相手に気づかれないように、なんとか必死に生きているんだと思った。なんだかすごいリアルな話だった。
Posted by
完璧な愛の欲しさがゆえに起きた事件。 必死だったために、これ以上巻き込まないために好きだった彼を突き放す強さ。素敵だけれど胸が苦しい。 『匿名者のためのスピカ』は『〇〇さんのための〇〇』だったのかと、読後にタイトルの重さに気付きました。
Posted by
何となく、"性別による好きの違い"みたいなものを感じた作品だった。男性の好きは救ってあげる(能動的)、女性の好きは連れ出して欲しい・分かって欲しい(受動的)に分けられて書かれている。ストーリーは何となく薄っぺらく感じてしまった。この感想文で"何となく...
何となく、"性別による好きの違い"みたいなものを感じた作品だった。男性の好きは救ってあげる(能動的)、女性の好きは連れ出して欲しい・分かって欲しい(受動的)に分けられて書かれている。ストーリーは何となく薄っぺらく感じてしまった。この感想文で"何となく"を多用しているけど、本当に"何となく"な作品だった。
Posted by
単行本の時から読みたいと思ってたけど、なんというか…。言葉に表しづらい物足りなさというか。 国語が一番好きだったから、過去の背景があっても笠井くんに感情移入できずサイコパスめいて感じられたのもあまりハマらなかった要因かも。
Posted by
信じることと、執着すること、何が違うのでしょうか。その人が信じるものは周りからみたら執着で。求めることと与えることが上手にできない。光の危うさを感じました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ここ最近、島本理生作品を読んでるけど、初めての男性主人公。こういうのも書くんだ。だからというわけじゃないけど、あんまり感情移入できなかったあ、、。
Posted by
【あらすじ】 法科大学院生の笠井修吾は就職の相談がきっかけで同級生の館林景織子と親しくなる。彼女には恋人に監禁された過去があり、今もその男らしき相手から連絡が来るという。怯える彼女を守ると誓った修吾だったが、ある日彼女は、その男と思しき人物の車に自ら乗って姿を消してしまう。修吾は...
【あらすじ】 法科大学院生の笠井修吾は就職の相談がきっかけで同級生の館林景織子と親しくなる。彼女には恋人に監禁された過去があり、今もその男らしき相手から連絡が来るという。怯える彼女を守ると誓った修吾だったが、ある日彼女は、その男と思しき人物の車に自ら乗って姿を消してしまう。修吾は彼らを追って南の島に向かうが…。著者が初めて挑む、衝撃の恋愛サスペンス! 【感想】 愛情とは何かをすごく考えさせられた一冊だった。自分にとってはこれが普通だと思う愛情でも、他人からしてみたらそれは普通の愛情ではないこともあるんだなと思った。そのわかりやすい例がマザーコンプレックスだと思う。当の本人たちは愛情をただ与え合っているだけだと思っている。でも傍から見たらそれは、少し異常に映る。今回の物語はそれと同じと言っていいのではないだろうか。マザーコンプレックスはお母さんと子ども、この物語の場合は誘拐犯と少女。元恋人でもあった。景織子は親からの愛を受けられずにいたせいて、愛に飢えていた。だから、優しく差し伸べられた手を握ってしまった。それが悪夢の始まりだった。でもそれを景織子は悪夢と果たして認識していただろうか。そんな境遇の景織子を、好意を持たれた笠井は 救おうとする。クラスメイトのちょっと不思議な七澤と共に、景織子の行方を追う。なぜそこまで七澤が力を貸してくれるのか。叔父の太一が七澤の過去を笠井に語ってくれた時、七澤も愛に飢えていた時期があり、自分と景織子を重ねていた部分があったのかもしれないと感じた。だから助けたいと思ったのかもしれないと。笠井は純粋に景織子に好意を持ち、助けたいと思っていた。でも、景織子の方はどうだっただろう。元恋人の歪んだ泥沼の愛情から抜け出せなくなっていたのではないか。この人には私しかいない。私にはこの人しかいない。そんな風には思っていなかっただろうか。これこそ歪んだ愛情だ。もう付き合ってもいないのに、何年も会っていなかったのに、監禁されていたことだってあったのに。それでも、久しぶりに会った時に、波照間島に星を見に行こうと言われて、景織子はついて行った。ここでようやくタイトルの意味について考える。匿名者のためのスピカ。元恋人は、自分のための星、つまり輝かんばかりの愛を手に入れたかった。そういう意味でもあり、好きになった人と、スピカを見に行きたいという意味も込められているのではないかなと思った。愛情とは奥深いものだと思う。一歩間違えたら歪み狂うものでもある。純粋で輝かしい透き通った星のようなものでもある。この物語に出てきた登場人物は皆、誰もが歪んだ愛情を少しずつ抱え、大きく抱え、または過去に抱えている人もいた。完璧な愛情とは何か。そう聞かれてもわたしは答えられない。なぜならわたしの受けている愛情もきっとどこかしら歪んでいるからだ。歪みのない愛情なんて存在するのだろうか。完璧な愛情なんてあるのだろうか。あるのならそれがどんなものか、わたしは知りたい。この物語を読んで、愛情以外にも完璧って難しいことだらけだよなと痛感した。匿名者のためのスピカは、もしかしたら、あなたのためのスピカを指しているのかもしれない。
Posted by
法科大学院に通う主人公がつきあい始めた同級生。彼女が元恋人と失踪する。 高校生のとき元恋人に監禁された過去を持つ女性や、子どもへの歪んだ愛情を注ぐ母親が出てくる。歪んだ愛を描いた物語として読むならアリなのかもしれない。でも、帯には「恋愛サスペンス」と謳っている。サスペンスやミステ...
法科大学院に通う主人公がつきあい始めた同級生。彼女が元恋人と失踪する。 高校生のとき元恋人に監禁された過去を持つ女性や、子どもへの歪んだ愛情を注ぐ母親が出てくる。歪んだ愛を描いた物語として読むならアリなのかもしれない。でも、帯には「恋愛サスペンス」と謳っている。サスペンスやミステリーとしてはかなり消化不良だった。もっと登場人物の心情が深堀りされていたなら違う印象だったはず。もったいない。
Posted by
- 1