ザ・ペニンシュラ・クエスチョン(上) の商品レビュー
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1.小泉訪朝・再訪朝: ●米朝関係が冷え込むと北のすり寄りにより日朝正常化機運が生まれ、拉致問題は進展。しかし正常化の関門は核問題平和解決であり、これは米朝関係が接近しないと実現しないという構造的ジレンマ。 →まず拉致じゃなくて根本の核問題を議論する姿勢は取れないのか。結局日本は米朝間の解決の御相伴に預かるしかないのか。多国間による圧力は結局露中が抜け道になってうまくいかない? ●田中均ーMr.Xのチャネルは一定の効果発揮。ジェームス・ケリー訪朝のお膳立てまでした。(北に黄海事件謝罪を促した。川口外相もライスに助言。)小泉-朝鮮総連チャネルは、田中の外交交渉力を弱めた。(ダブルチャネルは良くない) 2.ケリー訪朝: ●ブッシュ政権における北朝鮮政策の不在。ABC(anything but clinton)が冷静な判断を曇らせ、不拡散屋vs地域屋の内部対立が生産的政策形成を不可能にした。 3.1994枠組み合意崩壊 ●北のHEU(高濃縮ウラン)開発による枠組み合意違反。KEDO軽水炉2基建設遅れ。重油供給停止。北のNPT脱退。 4.ロシュコフ訪朝 ●露骨な外交カード化、包括解決パッケージに米もあまり耳をかさず。北もあまり頼りにせず。レバレッジを失う。 5.林東源訪朝 ●金大中政権末期、金正日に会えず。 ●盧武鉉政権は、親米派ソウルエスタブリッシュメントを敵視。従来の親米外交から一つの区切り。外交ブレーンでは、米からの自立と中国の関与促進による核問題解決を志向。
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