ドエクル探検隊 の商品レビュー
表紙と挿画を「鉄コン筋クリート」や「ピンポン」などを描いた漫画家の松本大洋が(何故か)担当していて、書店の児童書コーナーで妙に目立っていた本。以前から気になっていたので読んでみた。 著者の草山万兎は、本名を河合雅雄という1924年生まれの霊長類学者。児童書の著作は他にもあるそう...
表紙と挿画を「鉄コン筋クリート」や「ピンポン」などを描いた漫画家の松本大洋が(何故か)担当していて、書店の児童書コーナーで妙に目立っていた本。以前から気になっていたので読んでみた。 著者の草山万兎は、本名を河合雅雄という1924年生まれの霊長類学者。児童書の著作は他にもあるそうだ。…が。 内容は、モロ、「ドリトル先生航海記」+「失われた世界」+「ソロモンの宝窟」を、10で割ったくらいの味わい。それでも700ページの大作だ。すごい。 主人公(?)の竜ニとさゆりは著者の写し身らしく、12歳。だから物語の時代設定が1935年になっているのだろう。 "真面目な学者さんが憧れのファンタジーを書いたんだなぁ"というのが正直な感想です。
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児童書なので、大人がどうこう言うのもアレなんだが、暗い。ダークファンタジーではなく、隠ファンタジーという感じ。図書館で平置きスペシャル棚にあったのが目につき、装丁の立ち耳白犬にめちゃくちゃ引かれて借りた。 装丁についている概要は、 「時代は1930年代。小学校を卒業したばかりの...
児童書なので、大人がどうこう言うのもアレなんだが、暗い。ダークファンタジーではなく、隠ファンタジーという感じ。図書館で平置きスペシャル棚にあったのが目につき、装丁の立ち耳白犬にめちゃくちゃ引かれて借りた。 装丁についている概要は、 「時代は1930年代。小学校を卒業したばかりの竜二とさゆりは風おじさんの家へ招かれる。動物の言葉がわかるおじさんの家には、神代に祖先をもつ個性豊かな動物たちが一緒に暮らしていた。ある日、この一家のもとにアンデス山脈にいるズグロキンメフクロウから手紙が届く。危機を知らせる差し迫った内容に、さっそく探検隊が結成され、一行は南米ペルーへと向かう。それは太古に巨大哺乳類が絶滅した謎に迫る大冒険の始まりだった。」 あらすじからは『ドリトル先生アフリカ行き』まるぱく的な『風おじさん南米行き』、という感じの印象を受けた。物語の序盤はモロドリトル先生和風変換。そしてキャラクターも大変素晴らしい。八咫烏のタケツノ、聖徳太子の愛馬の直系子孫5代目の黒駒、聖徳太子の愛犬6代目の雪丸、ニニギノミコトが高千穂の峯に天孫降臨したときに案内した猿田彦の遠い子孫ヒーコ(字名はキッキー、猿田彦が猿だったというのは酷い)、金太郎と相撲をとった熊の何代目かの足柄熊左衛門助ユウザ、サンコウチョウのベルカハヤ、タヌキのポンピーノとポンピーナ夫妻、イタチのゴッペ、ボノボのマーマン、ノウサギのチョウジなど。風おじさんは白犬雪丸に動物言語を教わってそだてられたので動物と話できるという、まさにドゥーリトル(笑)。が、しかし、最初のキャラ設定は面白いのだが、物語が動き出すと、うざいほどホラ吹きホラジ(ニホンカワウソ)とキッキー(ニホンザル)ばかり描かれて、げんなりする。人間3人も今ひとつ印象薄く、地味。そして、悲惨。出てくるキャラの多くが辛く悲しい体験をもっていて、それを披露して、可哀想ね、、ってしんみり暗い気分になっていく。闇落ちするわけでなく、それがどうってわけでもなく。南米に行っても、ご都合な移動や設定は多々あるが、冒険少なく、単に忍耐勝負的な、最後も延々と辛く悲しい思い出話と、多分辛い未来になる2人の訳あり孤児が現実に戻るというイニュエンドゥ、やりきれん、、。夢オチでなかっただけ、ありがたいが。就職直前で短い置き手紙だけで突然居なくなり(しかも養父母宅)、南米で長期にわたり過ごし、するっと帰宅して元の生活に戻れるものだろうか?(無理)。関係者各位への迷惑度もすごいと思うが、、。とはいえ、夢落ちならぬ異世界落ち(言及していないので個人的な妄想)で、時間的には1分ぐらいしか経ってないとか、そういうのかもしれない。 伏線回収もないし、なんというか、フィールドワークでお年寄りのまとまってない思いつくままに話てもらった戦争体験を聞いている気分になった。別に変わった動物がでてくるわけでもなく、バトルシーンもナニだし、風おじさんがいまいちキャラ弱く、行動も、ほんと100年前の博物学的で(設定が昭和初期なのでそれでいいんだが)、今の子供向き??令和ファンタジーなのでもう少し現代に寄せたところがあっていいのでは?と、思わんでもない。最初にドリトル先生を連想させたのが敗因かもしれないが、私のようなドリトルガチファンでもない、未読の人が読むと楽しいのかもしれない。 童話ってこんなに読むのしんどかったっけ?と、疲れた作品でした。 北米大陸に住む 野生のキンメフクロウって 見る機会が少ないんだが、 なんせ、ものすんごく小さいうえに 昼に寝る場所は 超もじゃもじゃ好きなので、見つけづらい。 人間をクチバシで殺せるほどの キンメフクロウが出てくる童話 ていうか、童話とはいえ 猛禽の武器は爪であってほしい。 クチバシで攻撃って、ないわー (超個人的な感想です) 挿絵は素敵でした。
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かわいい動物がたくさん出てくる。その動物たちがゆうもうかかんに、ようかいと戦うのがかっこいい。 隊長の博士が、ほろんだはずのナスカの王国が存在していて、人もふつうに生活しているのを発見しても、王国を守るために、だまっていたのもすごかった。欲よりも王国を大事にした。 絵が、かわいく...
かわいい動物がたくさん出てくる。その動物たちがゆうもうかかんに、ようかいと戦うのがかっこいい。 隊長の博士が、ほろんだはずのナスカの王国が存在していて、人もふつうに生活しているのを発見しても、王国を守るために、だまっていたのもすごかった。欲よりも王国を大事にした。 絵が、かわいくてきれい。ぼくの大好きなカワウソと犬が出てくるのもいい。(小4)
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御書印蒐集のために行ったこどもの本屋 てんしん書房さんで勧められて購入。700ページ超の大作。著者本名河合雅雄さんは霊長類学者。90歳を超えてこれだけの作品を書いたのは素晴らしい。動物たちと喋れる世界(ドリトル先生を意識したよう)での冒険物語はこどもたち(の心を持った大人たちも)...
御書印蒐集のために行ったこどもの本屋 てんしん書房さんで勧められて購入。700ページ超の大作。著者本名河合雅雄さんは霊長類学者。90歳を超えてこれだけの作品を書いたのは素晴らしい。動物たちと喋れる世界(ドリトル先生を意識したよう)での冒険物語はこどもたち(の心を持った大人たちも)にとっては大変面白いのではなかろうか。私も十分楽しめた。 あえて言えば第二部は少々冗長で蛇足気味。著者にとっては専門分野だから書きたかったのだろうがもっと簡潔でもよかったのでは。第一部で大きな山が終わってしまったのでそのあとはむしろスピンオフ的にしてもよかったかも。ただ、いずれにせよ著者もあとがきにある通り筆が進まなかった部分のようなので、こんなに長く書く必要はなかったかと思う(ま、その辺は「大人」の感想かもしれないが)。
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けっこう大きな本だった でも面白かったのでいっきに読めた 児童文学のジャンルだけど 老若男女問わずみんなにおすすめしたい文学作品である 時代は昭和の初期 太平洋戦争以前の話 動物たちにはほとんど関係ないのかもしらんけれど まだこの頃は自然が残っていて平和だったかも 今現在ももちろ...
けっこう大きな本だった でも面白かったのでいっきに読めた 児童文学のジャンルだけど 老若男女問わずみんなにおすすめしたい文学作品である 時代は昭和の初期 太平洋戦争以前の話 動物たちにはほとんど関係ないのかもしらんけれど まだこの頃は自然が残っていて平和だったかも 今現在ももちろん 平和なのだけれど 人間が素朴で素直だったのだと思う だから、こういう物語が成立する 他の国の民族では、絶対に無理だ 動物たちも比較的おとなしく、優しいキャラクター 日本の歴史認識としても 南米 アマゾン流域 アンデス地方の歴史を 覚えるのにも役に立つ フィクション小説でファンタジーの要素満載であるが 100%ではなく、いくつかの事柄には 作者の草山万兎氏の 豊富な経験と知識が織り込まれている このような動物たちの楽園があったら 入り込んでみたいと誰もが思うに違いない 南米探検…冒険物語 多くの人に勇気を与えてくれる 続編を望みたい
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厚い。わりに一話一話がみじかいので結構サクサクよめた。ドエクル探検隊。動物語を話せるおじさん、とくればどうしてもドリトル先生を思い出す。 まあ、それを意識してはいるんだろうけど…。 福音館書店の新刊案内で気になっていたので借りてみたんだけど、やっぱ本家のドリトル先生の方が面白い。 あっちは完璧ファンタジーだしね。 こっちは子どもたちの口調がなんだかちょっと老成してる感じだし、女の子が拷問されるし、ラウラの打ち明け話は重いし、竜二は後向きなこと多いし、さゆりちゃんの過去は驚くほど大変やし、風おじさんは意外と打たれ弱いし、 わー楽しいって、読む感じじゃなくて、 なんか粛粛と読むって感じ? 鳥の郵便屋さんとか、チョコレート好きの老猿とか、好きだったけどね。
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著者の草山万兔氏とは、河合兄弟の一員にして、犬山のモンキーセンター設立にも携わった京大霊長類研の大家として名高い河合雅雄氏の筆名。 個人的には、兵庫県立森林動物研究センターの元所長という肩書が身近だが。 基本的にはローティーンあたりの子供向け? のファンタジーで、しゃべる動物たちや不思議な力を持ったおじさんなどが登場する物語だが、その動物たちも優遇されているのは哺乳類ばかりで、魚や虫などはバンバン食料として捕獲されたり殺されたりするし、爬虫類は思いっきり分かりやすい悪役だったりするのがなんだか可笑しかった(笑)。 ストーリーに関しては、中盤以降は少し迷走しているというか、大量絶滅の謎に関する科学的な好奇心を満たしてくれるでもなし、動物たちの社会を人間のそれに置き換えた教訓的メタファーとして効いているでもなし、はたまた竜二とさゆりの内面的な成長をクローズアップして描写しているわけでもないと、本当に「どこに向かっているんだろう?」という読中の不安を払しょくしてくれぬまま、中途半端かつ強引に終わってしまったという印象。 あとがきに書かれているゲラダヒヒとのエピソードが一番面白かったり…! 御年90歳を超えてこれを書き上げるヴァイタリティはすごい。
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