デジタルネイチャー の商品レビュー
ものすごい量の注釈が物語っているが、専門用語やカタカナ語を多用し一見分かりづらいが、落ち着いて読めば理解できる内容。経済産業とテクノロジーの進化により、人々の生活がどのように変化してきたかの沿革を落合流に解説し、その先の未来を提示する。 現実とテクノロジーが限りなく境目なしにつな...
ものすごい量の注釈が物語っているが、専門用語やカタカナ語を多用し一見分かりづらいが、落ち着いて読めば理解できる内容。経済産業とテクノロジーの進化により、人々の生活がどのように変化してきたかの沿革を落合流に解説し、その先の未来を提示する。 現実とテクノロジーが限りなく境目なしにつながり、まさに「デジタルなネイチャー」な世界になるという。それは単なるIoTということでなく、ホログラムやトランスニューマニズムの延長になる。究極は、人間とは意識であり、それをクラウド化すればあとはロボットやバーチャルが世界を成り立たせるというあり方。 確実にその方向に向かっているが、果たしてそれは幸せなのか。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
個人的には前作の魔法の世紀の方がわかりやすく、すんなりと内容も入ってきた。 途中に挟まれているコラムも内容は興味をそそる フェイクニュースを始めとしたフェイクが生み出すイノベーションは、観点として逆説的に考える視座を与えてくれる コミュニケーションの補間的なツールとしてAIが使用されるのも納得 また人間に纏わる既知の概念が、技術革新に伴い多様性を持つため、自己とは?死とは?という哲学的考察は必須であり、解もまた多様化すると思う レビューを書くとわかるが、本書の批評は書きながら思考が深まるかもしれない。
Posted by
・エジソンの蓄音機はあくまでコミュニケーションの手段であり、演奏の記録には消極的=音楽は解像度を含めて耳だけのものではなく、ライブで体感するもの→20世紀では違ったが、21世紀ではその通りに ・タイムマネジメントからストレスマネジメントへ ・ヨウジヤマモト ほころびによる美 ・侘...
・エジソンの蓄音機はあくまでコミュニケーションの手段であり、演奏の記録には消極的=音楽は解像度を含めて耳だけのものではなく、ライブで体感するもの→20世紀では違ったが、21世紀ではその通りに ・タイムマネジメントからストレスマネジメントへ ・ヨウジヤマモト ほころびによる美 ・侘然、侘寂= the Beauty found in the Stabilization Process of the Unstableness between Complexity and Simplicity through the iteration towards the Nature. ・仕事になる趣味を3つ持て ・IBM初代社長トーマス・J・ワトソンの言葉「不確かな持論を持つ思想家の道を辿れ。自らの考えを論争の脅威にさらけ出せ。率直に意見を述べ、変わり者のレッテルよりも、従順という汚名を恐れよ。そして、自分にとって重要に見える問題のために、立ち上がり、どんな困難にも立ち向かえ」 ・未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ ・価値ある仕事を創出する
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
落合哲学、世界観を学べる一冊。良著であるが、自身のタイミング上、集中して読めず。 メモ ・人々の労働は機会の指示のもと働くベーシックインカム的な労働(AI+BI 地方的)と機会を利用して新しいイノベーションを起こそうとふるベンチャーキャピタル的な労働(AI+VC 都市的)に二極化し、それぞれの地域で全く違った風土の社会を形成するはず。 ・uberやairbnbの機能がオープンソースになった場合、ユーザー側のコンセンサスによってプラットフォーム 受益者負担方システムになって維持されうる。この場合 非中央集権的にシステムが保持され、トークンによる評価経済で運営されうる。ブロックチェーン利用により非中央集権型のオープンソース的資本主観社会を自然に形成する可能性がある。 ・これまでの社会はRPGの勇者のようにレベルをあげて次のステージに行くやり方。これからはわらしべ長者的な働き方。または、キリギリス的な生き方。冬が苦手でも環境を変えて個性を伸ばせる社会になっているため。命がけで好きなことを追求し、南国に移住すればよい。 ・近代的な人間観は自分らしいことをわ。、自分らしく生きていくという考え方。重要なのは自分探しでなく、今即時的に必要なことをリスクをとむてやれるかどつな。やったことによって事後的に自分らしさが規定されていく。
Posted by
次の時代を考える上で読まなくてはならない本。 サピエンス全史と同時読みしていたら中々シナジーがあって良かったです。
Posted by
【極貧】 AIが普及してもすべての人がその恩恵にあずかれることはないでしょう。 仕事はAIがやってくれるから人は遊んで暮らせる! なんてことはありません。 資本の原理からAIを所有するものは、AIと同じことあるいはそれ以下しかできない人間は雇いません。もしくはAIコストより安い...
【極貧】 AIが普及してもすべての人がその恩恵にあずかれることはないでしょう。 仕事はAIがやってくれるから人は遊んで暮らせる! なんてことはありません。 資本の原理からAIを所有するものは、AIと同じことあるいはそれ以下しかできない人間は雇いません。もしくはAIコストより安い給料で雇います。 AIを所有し浮いた利益はAIを所有したものが独占して全員にその恩恵を配ることはありません。 つまり、AIの能力以下の人間には極貧生活しか残されていません。 AIの能力なんてまだまだ人間にはおよばないと思っている人も多いかもしれませんが、加速度的に進化するAIをみくびってはいけません。 あと10年ぐらいはかかると思っていることは、5年で到達してしまい、10年後には遥か先を進んでいることになります。 ただ、AIは所詮実績からくる最多解を見つけるだけです。前例のないことを生み出せる能力はありません。 またリスクを取ることもできません。 0から1を生み出せるのは人間だけです。 本当にバカげたことができるのは人間だけなのです。 AIには「お前ほんまにアホやな」という行動はとれないのです。 「お前ほんまにアホやな」という行動がとれることが、人間のすばらしいところです。 これからはそういうところで生きていくことが人間の道となります。
Posted by
巷で言われているほど難しくはないです。日頃落合さんが仰っていることが具体的に記されています。 個人的には第3章で議論されていた、オープンソース化による社会の変化に胸が高鳴りました。 「すべての個人は個別の最適解を持ちうる上、標準化はあまり意味を持たず、最適解は時系列と環境によ...
巷で言われているほど難しくはないです。日頃落合さんが仰っていることが具体的に記されています。 個人的には第3章で議論されていた、オープンソース化による社会の変化に胸が高鳴りました。 「すべての個人は個別の最適解を持ちうる上、標準化はあまり意味を持たず、最適解は時系列と環境によって異なる。」 非中央集権的なシステム(ブロックチェーンなど)による社会のオープンソース化は、これまで不可能だった個人の最適化を可能にします。それにより人々は個別の価値観を持つことが可能になるという主張です。 現代の我々の社会は均質的思考が求められ、時にそれが苦悩の種になりますが、今後人と違うことが否定されない社会になると予測してくれることに、私は将来に希望を持つことができました。
Posted by
まえがきが最もタフでわずか31ページを読み切るのに1時間以上かかったが、それさえ乗り切れば以降は滑らかに読める。 近代の超克や東洋思想への回帰という発想は非常に面白い。 本書で提示しているような哲学的考察や思考実験を吸収して自分なりにアップデートすることが次なるパラダイムへの備え...
まえがきが最もタフでわずか31ページを読み切るのに1時間以上かかったが、それさえ乗り切れば以降は滑らかに読める。 近代の超克や東洋思想への回帰という発想は非常に面白い。 本書で提示しているような哲学的考察や思考実験を吸収して自分なりにアップデートすることが次なるパラダイムへの備えとなると感じた。
Posted by
人間を数理的に捉えるサイバネティクス、あるいはあらゆるモノをコンピューティング化するユビキタス思想に立脚しながら、「デジタルネイチャー」という新たな地平を構築。 脚注も豊富で、膨大な情報量に裏打ちされた有機的な論の数々がひたすら刺激的。脳汁出まくりで飛べる一冊。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
限界を迎えている様々な近代システムに対し、イデオロギーではなくテクノロジーの側面からこれを刷新することを目指した1冊。タイトルのデジタルネイチャーとは「生物が生み出した量子化という叡智を計算機的テクノロジーによって再構築することで、現存する自然を更新し、実装すること」とある。つまり、テクノロジーによって従来の人間対自然、主観対客体、などの二項対立を超越し、全体主義的に最適化された状態へと、まさに「脱近代化」するということであろう。内容は少し難しかったが、テクノロジーによって今何が変化しているのか、あるいは今後何か変化するのかということを考えるには非常に適した指南書であると感じた。
Posted by