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日本の没落 の商品レビュー

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2023/01/04

ドイツの哲学者オズヴァルト・シュペングラーの『西洋の没落』を読み解きながら、日本の没落に警鐘を鳴らす本。自らをシュペングラーに並べた表題は流石に背負ってるなと思うが、名前負けせず。シュペングラーの現存在と覚醒存在を形態素として分析する理論を、恐らく私などはそのまま読めば理解不能な...

ドイツの哲学者オズヴァルト・シュペングラーの『西洋の没落』を読み解きながら、日本の没落に警鐘を鳴らす本。自らをシュペングラーに並べた表題は流石に背負ってるなと思うが、名前負けせず。シュペングラーの現存在と覚醒存在を形態素として分析する理論を、恐らく私などはそのまま読めば理解不能な箇所も中野剛志が明解に解説してくれる。 いつもながら、感想というか思考や記録が散逸になるが、本著の論旨体系ではなく、自らの補完のために、以下メモ書き。 1750年から1830年の間に起きた第一次産業革命では、蒸気汽関、紡績機、鉄道などが生み出され、1870年から1900年の間に起きた第二次産業革命では、電気、内燃機関、上下水道が登場。どちら技術革新も生活を一変させるほどの大きなインパクトがあった。ところがコンピューターによる第三次産業革命は、1960年頃に始まり90年代半ばに頂点に達したが2000年以降の技術進歩は娯楽や通信に関するものばかり。 事実はそうだろうが、人類史全体で見れば成長しない経済の方がむしろ常態だった。人口拡大がない限り、成長限界が来る。 言葉と言うものはもともと見える事物の名前なのであるが、その言葉はいつの間にか思考の事物、すなわち概念の標識となる。つまり、見ることから抽象された引き抜かれた理解と言うものが可能になる。これが思考と言うものである。同じ覚醒存在でも動物と人間を厳密に区分するものはこの思考である。 思考する人間に同時代的、あるいは覚醒存在として経路依存傾向が抽出され、歴史は繰り返す。 世界都市に集積する人々は、自然とは乖離した人口的な空間にあって高度な認知能力を要求される業務に従事し、極度に知的な緊張を強いられている。それゆえ「気晴らし」が必要だとシュペングラーは言う。気晴らしとは。意識的に行われた愚行によって解放すること。知的緊張をスポーツという肉体的緊張によって解放し、肉体的緊張を快楽という感覚的緊張によって、興奮という精神的緊張によって解放すること。 知的労働者は、やがて自らの人生にもその高度な認知能力を用いてその意義を悩む事になる。だから、気晴らし、麻酔のように、悩みを忘れさせるエンタメコンテンツが必要になるのだろう。 親子関係という束縛は自己を犠牲にするため、自己実現という個人主義的価値観にシフトすれば、子供を持つことを正当化させる事が困難に。 そして、セックスがエンタメコンテンツと化す。 ポスト・トゥルースとは、客観的事実よりも感情や個人的信条の方が世論形成により大きな影響を及ぼすこと。真理とは、新聞雑誌が生み出した世論であり、新聞雑誌が採り上げないものは、真理とみなされない。証明方法は、新聞雑誌からインターネットに変化。ポスト・トゥルースは、エリートへの不信によっても助長される。 スリード社はB層に対するラーニングプロモーションが必要としたが、シュペングラーも思想訓育に触れる。我欲を通すために大衆を操作する。今は検索エンジンがエビデンス化しており、世論形成に作用する。 成文憲法とは異なる不文憲法。不文憲法とは。国家の慣習、法制度、判例あるいは法解釈の歴史的な蓄積であり国体とも言い換えられる。それは歴史の中で自然発生的に形成されてきたものであり状況の変化に応じて漸進的で柔軟に変わるもの。フリードリヒフォンハイエクであれば「自生的秩序」と呼んだであろう。つまり、世論を含む形成された秩序こそ実存。

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2019/11/15

これはちょっと残念。どこが日本の没落なのか。 シュペングラーの引用ばかり、西洋の没落を氏が副読本としたイメージ。タイトルと内容が乖離すると少し残念。

Posted byブクログ

2019/04/30

明日、新しい時代である「令和」を迎えるにあたり、部屋の片隅に読みかけとして置かれていた本を一斉に整理することにしました。恐らく読み終えたら、面白いポイントが多く見つかると思いますが、現在読んでいる本も多くある中で、このような決断を致しました。 星一つとしているのは、私が読了でき...

明日、新しい時代である「令和」を迎えるにあたり、部屋の片隅に読みかけとして置かれていた本を一斉に整理することにしました。恐らく読み終えたら、面白いポイントが多く見つかると思いますが、現在読んでいる本も多くある中で、このような決断を致しました。 星一つとしているのは、私が読了できなかったという目印であり、内容とは関係ないことをお断りしておきます。令和のどこかで再会できることを祈念しつつ、この本を登録させていただきます。 平成31年4月30日(平成大晦日)作成

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2018/06/06

西洋の没落のことが現在をイメージしながら理解でき、読みやすい。 過度な合理性批判は分かる。でもその先を自分の理解不足からかなかなかイメージできないような…もう一度読もう

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