歴史の謎はインフラで解ける の商品レビュー
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第一章 ヒトを人間にかえたもの 第一節 土木と文明 第二節 築土構木の思想 第三節 「みずほの国」はこうしてつくられた 第四節 宮沢賢治と土木 第二章 土木なくして文明・文化なし 第一節 都市をつくった土木 第二節 水道が築き上げたローマ文明 第三節 千年の都・京都と土木 第四節 治水、農地拡大が築いた江戸文化 第五節 『ファウスト』の究極の美 第三章 歴史をつき動かした土木 第一節 ローマの道の物語 第二節 「大航海時代」をつくった測量技術 第三節 信長の天下統一と土木の関係 第四節 幕府を倒した物流システム 第五節 アメリカの歴史を変えたニューディール政策 第四章 まちを救い、人々を救った土木 第一節 「利他行」としての土木 第二節 浜口梧陵と「稲むらの火」 第三節 角倉了以の高瀬川構想と京都 第四節 京都を救った琵琶湖疎水事業 第五節 富山を救った「砂防」 第五章 「経済大国」をつくったインフラ 第一節 日本国民を統合した鉄道と通信 第二節 日本の成長を支えた東名・名神高速道路 第三節 交通インフラが日本の国土構造を決めた 第四節 「国民統合」をもたらした東海道新幹線 第六章 日本の未来と土木 第一節 現代日本の「衰退」の原因 第二節 東京一極集中と地方疲弊の理由 第三節 国土強靭化の成否と日本の未来 第四節 北海道を救う「第二青函トンネル」構想 第五節 日本復活の切り札はリニア新幹線 終章 「土木」という営為の構造 (内容紹介) 歴史、文化、社会、経済を動かす。壮大なエネルギーはなぜ生まれたのか ◎ローマ文明を築いたのは「水道」だった ◎なぜ京都は「千年の都」になったのか ◎治水、農地拡大が江戸文化を築き上げた ◎信長の天下統一には土木の力が働いていた ◎幕府を倒したのは物流システムだった ◎アメリカの歴史を変えたニューディール政策 「土木」を知らなければ、歴史も未来もわからない!桶狭間の戦い以降、織田信長は姉川の戦いや長篠の戦い、甲州征伐と破竹の勢いで天下統一の階段を駆け上っていった。 無論、それだけの戦を戦い抜くためには兵力が必要であり、その兵力を支える経済力が必要不可欠であった。そしてそんな信長の経済力を支えた基盤こそ、先に触れた織田家の土木を通して農業生産性が向上した尾張の大地であったのだが、それとは異なるもう一つの重要な要素があった。 それが信長によって徹底的に進められた「道路」についての土木政策であった。(中略) 信長は道路を「経済活動を支えるための都市地域インフラ」として整備するという、戦国の世では誰も思いつかなかった大きな発想の転換を図り、道路ネットワークを整備していったのである。 信長はまず、道路に「街道・脇道・在所道」の三つのランクを設け、それぞれの「道路規格」を統一して、平定した領地に「計画的」に整備していった。(第三章より抜粋)
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奥付を見て驚いた、初版は平成30年である。令和も6年目なのに、土木の役割に変化は無い。筆者達の主張どおり社会経済スープラを支えるのはインフラストラクチャーである事に変わりはない。
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「〇〇という土木事業がなければ、××という歴史はあり得なかっただろう」の構文によって、インフラの影響力と重要性を啓蒙しようとしてるが、多くの事例を並べ立てようとしているせいかあまりにも視野が狭すぎる気がする。 - ローマ帝国の繁栄に水道、道路その他インフラが寄与したことに間違い...
「〇〇という土木事業がなければ、××という歴史はあり得なかっただろう」の構文によって、インフラの影響力と重要性を啓蒙しようとしてるが、多くの事例を並べ立てようとしているせいかあまりにも視野が狭すぎる気がする。 - ローマ帝国の繁栄に水道、道路その他インフラが寄与したことに間違いはないのだろうが、その根本を下支えした述べても奴隷制には全く言及されていない。 -常願寺川の砂防ダムが土砂動態を変化させ、富山平野の土砂災害リスクを低減させたところまでは述べているのに、下流部での環境変化リスク(たとえば海岸侵食など)には言及していない。 - 新幹線による都市接続が進めば自ずと東京一極集中が改善するような書き方をしているが、ストロー効果のリスクは全く無いといえるのだろうか。 土木事業は自然環境や社会環境に劇的な変化を加えうるものなのだから、ただ一面的にに礼賛するのではなく、それがどんな負の影響をもたらすのかまできっちりと解説して欲しいと感じた。
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土木、インフラの観点から歴史を振り返る良著。 かつては船運ネットワークであったが、その後新幹線ネットワークにという話など、歴史観をつけるのに役立つ。
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