焼肉ドラゴン の商品レビュー
演劇を見ているよう。 春に読みたい一冊とのことで読んでみましたが、 確かにこの話には「桜」が必要なのかも。 前知識なく、実写化など知らずに読みました。 まだ生まれてないけど、 高度経済成長期という怒涛の変化のなかで ドラマがあったのだろうと思います。 ツッコミどころも多くあ...
演劇を見ているよう。 春に読みたい一冊とのことで読んでみましたが、 確かにこの話には「桜」が必要なのかも。 前知識なく、実写化など知らずに読みました。 まだ生まれてないけど、 高度経済成長期という怒涛の変化のなかで ドラマがあったのだろうと思います。 ツッコミどころも多くありますが、 それがどこか令和とは違う人情なのかも…と思いました。 想像を膨らませながら一気に読むことができます。
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演劇が好きだ。 人柄や見た目の良さだけでは 演劇の役者は務まらない。 その空間に集う人々を魅了する、 何かしら引き込む力が求められる。 それは良いものだけと限らない。 ネガティブなものでもいい。 美しいもの、醜いもの、異形なもの、 熱いもの、大きいもの、小さいもの ありとあらゆる...
演劇が好きだ。 人柄や見た目の良さだけでは 演劇の役者は務まらない。 その空間に集う人々を魅了する、 何かしら引き込む力が求められる。 それは良いものだけと限らない。 ネガティブなものでもいい。 美しいもの、醜いもの、異形なもの、 熱いもの、大きいもの、小さいもの ありとあらゆるものが引力になりうる。 唯一方向性があるとしたら、 それは濃さかもしれない。 演劇を思わせる情念の濃い物語。 高度経済成長に湧く中取り残され、 貧しくあり続ける大阪の小さな町。 そんな町にへばりつくような 焼肉屋を営む在日韓国人の夫婦と 3人の娘と1人の息子。 そして店でくだをまく常連の男たち。 世の中への不満や好いた惚れた、 貧乏や国籍や国家権力や町の汚さ臭さ、 そんなものすべてを下敷きにして、 激しい言葉が行き交う。 ほとばしる感情がぶつかり合う。 互いの情念が入り乱れ、 絡まり隆起して大きなうねりとなる。 そして静かで穏やかな エンディングがやってくる。 でもそれは終わりではない。 抑えきれない情念や感情、 言葉に出口は無い。 一時の休息が終われば、 また戦いが始まる。
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