本から本へ の商品レビュー
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。 知の巨人、松岡正剛の本の読み方がわかる。読書は交際であり、格闘技である! 第1章 世界読書の快楽 道元『正法眼蔵』 ブレーズ・パスカル『パンセ』 滝沢馬琴『南総里見八犬伝』 オノレ・ド・バルザック『セラフィタ』 エドガー・ア...
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。 知の巨人、松岡正剛の本の読み方がわかる。読書は交際であり、格闘技である! 第1章 世界読書の快楽 道元『正法眼蔵』 ブレーズ・パスカル『パンセ』 滝沢馬琴『南総里見八犬伝』 オノレ・ド・バルザック『セラフィタ』 エドガー・アラン・ポオ『ポオ全集』 第2章 書架の森 リュシアン・フェーヴル&アンリ『書物の出現』 デレク・フラワー『知識の灯台』 フランセス・イエイツ『世界劇場』 メアリー・カラザース『記憶術と書物』 ジョナサン・グリーン『辞書の世界史』 ヴィンフリート・レーシュブルク『ヨーロッパの歴史的図書館』 アルベルト・マングェル『読書の歴史』 小川道明『棚の思想』 第3章 読み方指南 ウォルター・オング『声の文化と文字の文化』 川島隆太・安達忠夫『脳と音読』 前田勉『江戸の読書会』 上田利男『夜学』 周興嗣『千字文』 前田愛『近代読者の成立』 ゴットフリート・ロスト『司書』 マイケル・ディルダ『本から引き出された本』 第4章 ビブリオゲーム ホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』 ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 アンドルー・ラング『書斎』
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ネットで公開されている「千夜千冊」はパラパラと見ていた。ただスマフォやタブレットだと長い文章を読めない私は、本屋でそれを再編集したらしい文庫本を発見して狂喜した。 第一巻の本書は、稀代の本読み正剛さんの本への向き合い方が、26冊の本を通して記されている。 渋そうな本、難しそうな...
ネットで公開されている「千夜千冊」はパラパラと見ていた。ただスマフォやタブレットだと長い文章を読めない私は、本屋でそれを再編集したらしい文庫本を発見して狂喜した。 第一巻の本書は、稀代の本読み正剛さんの本への向き合い方が、26冊の本を通して記されている。 渋そうな本、難しそうな本が並んでいるが、私も親しくそれらの本と「交際」したい。少々出来の悪い小生は先方から「交際」を断られそうな気もするが・・笑 考えようによっては積読状態になっている我が家の本も、それなりに縁があって我が家に来ているのだろうから、出来ればどの本も全部読みたい。 中々読み応えのある、千夜千冊の第一巻であった。けっこう難解で分からない部分も多かったが、読書筋、読書脳を鍛えて多くの本と「交際」したい。まずは「正法眼蔵」あたりに挑戦しようかな。
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第1章 世界読書の快楽 988夜 道元 『正法眼蔵』 762夜 ブレーズ・パスカル 『パンセ』 998夜 滝沢馬琴 『南総里見八犬伝』 1568夜 オノレ・ド・バルザック 『セラフィタ』 972夜 エドガー・アラン・ポオ 『ポオ全集』 第2章 書架の森 1018夜 リュシア...
第1章 世界読書の快楽 988夜 道元 『正法眼蔵』 762夜 ブレーズ・パスカル 『パンセ』 998夜 滝沢馬琴 『南総里見八犬伝』 1568夜 オノレ・ド・バルザック 『セラフィタ』 972夜 エドガー・アラン・ポオ 『ポオ全集』 第2章 書架の森 1018夜 リュシアン・フェーヴル&アンリ=ジャン・マルタン 『書物の出現』 959夜 デレク・フラワー 『知識の灯台』 417夜 フランセス・イエイツ 『世界劇場』 1314夜 メアリー・カラザース 『記憶術と書物』 6夜 ジョナサン・グリーン 『辞書の世界史』 282夜 ヴィンフリート・レーシュブルク 『ヨーロッパの歴史的図書館』 383夜 アルベルト・マングェル 『読書の歴史』 752夜 小川道明 『棚の思想』 第3章 読みかた指南 666夜 ウォルター・オング 『声の文化と文字の文化』 1233夜 川島隆太・安達忠夫 『脳と音読』 1661夜 前田勉 『江戸の読書会』 759夜 上田利男 『夜学』 357夜 周興嗣 『千字文』 1282夜 前田愛 『近代読者の成立』 1214夜 ゴットフリート・ロスト 『司書』 第4章 ビブリオゲーム 552夜 ホルヘ・ルイス・ボルヘス 『伝奇集』 241夜 ウンベルト・エーコ 『薔薇の名前』 347夜 アンドルー・ラング 『書斎』 110夜 レイ・ブラッドベリ 『華氏451度』 1632夜 デヴィッド・L・ユーリン 『それでも、読書をやめない理由』 1552夜 ジェイソン・マーコスキー 『本は死なない』
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※このレビューにはネタバレを含みます
積読の解消に向けてこの本を読みました。 積読。どことなく無駄や焦りを感じるものですが、この本を読み終わると見え方が違ってきます。例えば、本は少し読んだら伏せてじっくり味わったり、書いてあることに真摯に向き合う態度が大切です。また、本はいつでも躍動を待ち構えている記憶と共にある相棒だったり、拠り所となる「場所」だったりします。本はカタブツではなく、やわらかいパッケージとして人類の歴史に寄り添ってきた交際相手であり、だから付き合い方はさまざまで、出会いが豊富な積読状態はすごく幸せなのだと思います。ただ、何かしらの手掛かりがないと不安なあなたは、きっとボルヘスやパスカルの見立てや、日本の夜の学びやの様子や、古代アレクサンドリアのハイパーリンクの存在に勇気づけられるでしょう。 読む前の準備 位置づけ:まずは赤い。字紋の黒との対比が現世から心を引き離す。そして本棚と松岡校長が白く漂い、水先案内人の様相だ。開くと使い込まれた丸い器に四角い額縁が置かれ、本が無造作に転がっている。裏面の俳句からそれが正法眼蔵とパンセであるとわかる。裏表紙には10冊のタイトル。さて、どんな春の宵となることやら。 状況づけ:目次にある、世界読書、書架、読み方、そしてビブリオゲーム。これらキーワードが本をあらゆる角度からいじり倒していく物語の幕開けを感じる。前口上に知り合いの数より付き合った本の方が多いという初手。はたして自分はどうなのかという問いが生まれる。そして追伸からこの本は取説、交際指南書であると判明。 理由づけ:赤い表紙の先にログインすれば交際相手がずらり。背伸びしないと届かなそうな本もあれば幼馴染もいたりする。この本たちとひと通り会話をすると得られる人類の歴史文化における最高の知的情報体のパッケージ。その入り口に読者は今立っているという見立てによって、本から本へと交際を続けていく喜びを伝えようとしている。 見方づけ:読書筋を鍛えようと門をたたいた身としては、本の字紋がポージングをしているように見える。まだまだ距離がありそうな部分やまだ読んでいない本の内容の不透明感が、期待と不安の入り混じった誰かと付き合う前の心のありように思えてくる。 予測づけ:積読の解消を目標に掲げ、この本をトレーナーに見立てて本との交際の仕方をひとつひとつ確認することと、習慣化が可能な内容を探ることを課してみたい。そして、トレーニング後にはこの本がくたくたのいい味わいになっていることを期待している。 ●1章 キーブック:『パンセ』ブレーズ・パスカル キーセンテンス パスカルはとっくに「弱さ」や「小ささ」が大きな自然や巨大な宇宙に匹敵することを知っていた。それは小さな人間の思考を媒介するかぎり、強弱と代償が逆転するものなのである。人間の小さなことがらに対する敏感さと、大きなことがらに対する無感覚とは、奇妙な入れ替わりを示している。 ●2章 キーブック:『記憶術と書物』メアリー・カラーザス キーセンテンス 書物は黙りこくった紙の束や孤立したシステムなのではなく、いつも躍動を待ち構えている「記憶という書物」であろうということだった。書物はそもそもが記憶計画であって、そもそもが認識原型になっているということなのである。 ●3章 キーブック:『夜学』上田利男 キーセンテンス 草庵は明晰な学習方針を持っていた。ひとつは「掩巻」で、これは書物を少し読んだら、そこでいったんそれを伏せてその内実を味わうようにするという学習法だ。もうひとつは「慎独」である。自身を慎めという言葉だが、学習的に言うと他者や書物に教えられたことについて絶対に自分を欺かないで、その感想を披瀝する。 ●4章 キーブック:『伝奇集』ホルヘ・ルイス・ボルヘス キーセンテンス ボルヘスは「形式と手続きと知識と知覚」とがほとんど重なっていることを確信できた稀有な文学者だった。このことは、ボルヘスが書物とかページとか編集とか書棚というものを「場所」のように見抜いていたことにつながっている。
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千夜千冊の中の、本や読書術に関する内容に特化した、編集版。 松岡正剛という人の造詣の深さには、改めて感嘆のほかないが、電子辞書を引きながら、内容を理解していく楽しみがあった。 紹介されている本はいくつか読んでみたい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
<目次> 第1章 世界読書の快楽 第2章 書架の森 第3章 読み方指南 第4章 ビブリオゲーム <内容> 「千夜千冊エディション」の第1巻目。本屋で目に付くたびに拾い集めているので、これが第1集とは知らずに読んだ。なるほど、”本読み”の松岡さんにとって、第1集にふさわしい内容だった。読書の楽しみ読み方、必要性、読書の(本の)歴史、現在の本業界(作家、出版社、流通、本屋、図書館)への批判。私はここまで本を深く読めていない(愛してい入るけど)ので、ついていくのが精いっぱいだったが、「デザイン知」(第2集でこっちを先に読んだ)よりはついていけた気がする。そして、紹介されたいくつかの本を読んでみたいと思った。
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面白かった。もちろん難しかったが。けれどそんな馬鹿みたいな感想でも、正剛先生はおそらく読書好きでさえあれば見下したりはしないであろう。それくらい気持ちのいい読書贔屓であり、本を愛することにかけては偏執狂と引けをとらぬビブリオマニアだと思う。日本が誇る世界的な「本豪」といえる。(ち...
面白かった。もちろん難しかったが。けれどそんな馬鹿みたいな感想でも、正剛先生はおそらく読書好きでさえあれば見下したりはしないであろう。それくらい気持ちのいい読書贔屓であり、本を愛することにかけては偏執狂と引けをとらぬビブリオマニアだと思う。日本が誇る世界的な「本豪」といえる。(ちなみに「本豪」=剣豪の本バージョンという単語は正剛先生の『多読術』で知った造語)これだけ本を読むという、自分もしているしやってきたと少なからず自負している行為なのに、もう競技が違うと言わざるを得ない経験をする事はどういうことか、圧倒的な知識不足、読書量不足を突き付けられる毎回である。前提としているものが違う。これがプロの洗礼というやつなのか。だとしたら嬉しい。本とはこれからもじっくり付き合っていきたい。あと残りの人生がどれくらいあるか分からないが、その人生をかける価値が読書や本、読むことにはきっとあると思うから。その結果人間がどうなるか己の人生をかけた壮大な実験をやろうと思う。本にはきっとその価値があるから(2回目)
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博覧強記とはこの人のこと。 読書の面白さを人に語っていた際に、勧められたのが松岡正剛という人。 そして、その日の読書にたまたまその人の名前がまた出てきた。 これは面白いと思い、多読術を読了。 その後、本屋で見つけたのがこの本と、佐藤優氏との対談本。 両冊とも購入し、読了し終え...
博覧強記とはこの人のこと。 読書の面白さを人に語っていた際に、勧められたのが松岡正剛という人。 そして、その日の読書にたまたまその人の名前がまた出てきた。 これは面白いと思い、多読術を読了。 その後、本屋で見つけたのがこの本と、佐藤優氏との対談本。 両冊とも購入し、読了し終える前に、目の前に知らない世界が膨大に拡がる感覚に陥った。 興味のあるものから片っ端に調べて、取り寄せて、そうこうする間に読みたい本が膨れ上がり、この本を読み終えるのに相当期間がかかってしまった。 本と本のつながりの中に、知と知のつながりを感じる。 読み始めてから読み終えるまでの間に、 毎日古典ブログをネットにあげるようになり、 「読む」と「書く」とを頻繁に往復することで、本は書くことも含めて読むものであるという氏の言うことが、よく理解できるようになりすごく楽しい。 究めても究めても究め尽くせないであろう 最高の遊びである「読書」。 とんだ道楽と縁してしまったなと 改めて思う。
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本好きの多くにとって師匠のような存在である松岡正剛氏のライフワークともいえる(本人は「ささやかな千日回峰」といっている)「千夜千冊」が、ついに文庫本になった!(2006年に1,144冊分がハードカバー大型本/全7巻+特別巻で出版されているが、一介の本好きには金銭的にも空間的にも購...
本好きの多くにとって師匠のような存在である松岡正剛氏のライフワークともいえる(本人は「ささやかな千日回峰」といっている)「千夜千冊」が、ついに文庫本になった!(2006年に1,144冊分がハードカバー大型本/全7巻+特別巻で出版されているが、一介の本好きには金銭的にも空間的にも購入は難しい) 私は文庫本の出版を知ったとき、歓喜する一方で「これは悩ましい。。。」と思ったのだが、それは、「この千夜千冊エディションが今後次々とでてきたときに買い続けることは可能なのだろうか。。。」と感じたからだ。ネットで公開されているのは既に1,700夜に迫ろうとしており、仮に全夜を本にすると、本書同様に1冊に26夜分を載せたとして、60冊でも足りない。この不安は今のところ解消されていないが、記念すべき1冊目を買わずにはおれず、差し当たり問題は先送りすることにした。 私もネットの「千夜千冊」は数えきれないほどアクセスしてきたものの、一介の本好き程度に「「千夜千冊」とは」を語ることは到底できない。松岡氏は本書の中で、「ぼくはそういう本たちとのべつ交際しながら、人生大半の時間を費やしてきた。そして56歳のとき、その体験の一部を互いに連鎖する感想録のように綴って「千夜千冊」としてウェブに公開することにした。書評ではない。その本との「めぐりあい」の事情と「印象」と「言わずもがな」を綴った。」、「ほくは「千夜千冊」を書き手と読み手の結託を示すために綴ってきた。書評ではない。批評もめったにしない。」と語っている。 そして、本巻は、シリーズ1冊目に相応しく、松岡氏曰く「第一には、ぼくが本に接するたびに試みてきた「読み」の手法がわかるような千夜を選んだ」、「第二に、そもそも本はどのように編まれて著されてきたのか、どう読まれてきたのか、そのプロフェッショナルな「しくみ」に言及した千夜を並べた」、「第三に、本というもの、・・・いまやその多くが電子化されて、ネットの中にも生息するようになってきた。それなら、本の読み方や本との交際の仕方は変わるべきなのかといえば、いやいや、そんなことはない、もっとラディカルになったほうがいいという主張者たちの本を選んでおいた」というものである。 収められた一夜一夜については、冒頭から、道元『正法眼蔵』、パスカル『パンセ』と続き、難解なものも少なくない。が、読み易い一夜から読んでも、随所に散りばめられている松岡氏の本読術や読書思想に触れることはできるように思う。 例えば、 『記憶術と書物』(メアリー・カラザース)・・・「古代ギリシアでも、ある哲人に多くのことがしっかり記憶されているときは、しばしば「世界がアタマのなかに書きこまれている」と言っていた。・・・中世、書物はそのように「頭のなかの絵を見ること」のために作成されていた。そこでは、記憶は実践そのものなのである。執筆は読書であり、読書は記憶であり、記憶は執筆なのである。」 『棚の思想』(小川道明)・・・「本屋に入ってついつい本をすぐに手にとりたくなるのだが、これをなんとか我慢する。・・・本のばあいもそれを選び並べている「棚」の思想を見ることになる。・・・こうした棚組みを前後左右に存分にたのしみ、自分なりの「見方」を確立する。このとき著者のほうの思想に負けてはいけない。本はそれ自体がモードやフードなのだから、自分がほしい(自分の関心と好奇心にふさわしい)モードとフードの思想のほうを感じることになのである。」 『本は死なない』(ジェイソン・マーコスキー)・・・「もともと本を読むという行為は、さまざまなアフォーダンスを出入りさせる身体的な行為として発達してきた。目も手も使うし、体の姿勢も関係ある。車中の読書や寝転び読書は、まさに体ごとのエクササイズなのだ。」 まさに「千夜千冊」の入り口として相応しい一冊目といえるのではないだろうか。 (2018年10月了)
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