はるなつあきふゆの詩 の商品レビュー
四季の詩の絵本ですね。 詩は、ジュリー・フォリアーノさん(アメリカ生まれ)絵本作家、詩人。 絵は、ジュリー・モースタッドさん(カナダ生まれ)イラストレーター、アニメーション作家。 訳は、石津ちひろさん(愛媛県生まれ)絵本作家、詩人、翻訳家。 「4月27日」 きょう...
四季の詩の絵本ですね。 詩は、ジュリー・フォリアーノさん(アメリカ生まれ)絵本作家、詩人。 絵は、ジュリー・モースタッドさん(カナダ生まれ)イラストレーター、アニメーション作家。 訳は、石津ちひろさん(愛媛県生まれ)絵本作家、詩人、翻訳家。 「4月27日」 きょうマグノリアの木の下で ダックスフントのポールに会った ポールはなんだか ごきげんななめ おいていかれて おこってるみたい でもねポール 上を見てごらん きれいにさいたマグノリアが そよかぜにゆれてるよ それに気づいたら きみはきっとおもうはず マグノリアの 木陰につながれてるのも そうわるくはない………って だっていまは 心おどる春だもの 「7月10日」 緑のトマトが赤くなるころ ひろい空に 入道雲が もこもこわいているだろう 緑のトマトが赤くなるころ とつぜん目ざめた 夏の日ざしが まぶしくかがやいているだろう 緑のトマトが赤くなるころ ちいさなイモムシがはいまわり ひな鳥が ピイピイ鳴いているだろう 緑のトマトが赤くなるころ ひまわりの花が おひさまめざして ぐんぐんのびているだろう トマトがすっかり赤くなるころ まあるく育った実は いまにも はちきれそうになっているだろう 「9月30日」 秋の野山で咲いている 赤い花をあなたにあげたい 冬ごもりの準備にいそがしい チョウチョもあげたい 残りわずかなラズベリーも 澄んだおひさまの光も みんなあげたい かわりにわたしがほしいのは 土の上にひらひらと 落ちてくるそのまえに あなたがうまく受けとめた 夕日色したきれいな葉っぱ あともうひとつほしいのは 春を待ちながら 暖炉のそばで くちずさめるような すてきなことば 「2月27日」 まどのそとに ゆきがふる ふわふわふって ふりつもる まどのそとに ゆきがふる しんしんふって あたりいちめん しろくなる まどのそとに ゆきがふる どんどんふって かぜがふきあれ ふぶきになる まだまだ やまずに ゆきがふる 優しく語りかけてくる詩が、四季の移ろいをなぞります。ロマンチックに自然のなりわいを教えてくれます。ユーモアも感じさせながら、生き物たちの息吹を目覚めさせます。 モースタッドさんが柔らかな色彩で、子どもたちと自然を演出してくれています。 石津ちひろさんの訳も、リズミカルで愉しく詩情を感じさせてくれますね。 とても美しい、ほんわりと和ませてくれる、四季の詩の絵本ですね。
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