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2023/10/15

ここ1〜2週間ほどで何故か急に韓国文学にハマり、自分でも訳がわからないまま色々と読み漁っているが、この本もまた「韓国文学」の豊かさや奥深さといったものを思い知らされた作品。 一体何を読まされているんだろう?という意識もありつつ、夢中になって最後まで読み進めてしまう。しかし読んだ後...

ここ1〜2週間ほどで何故か急に韓国文学にハマり、自分でも訳がわからないまま色々と読み漁っているが、この本もまた「韓国文学」の豊かさや奥深さといったものを思い知らされた作品。 一体何を読まされているんだろう?という意識もありつつ、夢中になって最後まで読み進めてしまう。しかし読んだ後も何を読んだのだろう?と呆然としつつ不思議な満足感がある。 全編通じて講談みたいな語り口の印象(講談は・・・ちゃんと聞いたことないけど)。神話を読んでいると現れるような不条理さが語り口の面白さによって押し切られるような感じ。語り口については訳者・斎藤真理子さんのあとがきにも、韓国の語り芸「パンソリ」との関連(影響?)が指摘されている。 というか、訳者あとがきのおかげでわけのわからない読後感(しかし不快ではない)が少し整理できた感はある。 一言に「韓国文学」といっても何か一定の方向性が必ずしもあるわけではなく、作家の数だけ表情がある・・・というのは当たり前といえば当たり前みたいな話なんだが、それでも「韓国文学」というものが醸し出している匂いみたいなものに今現在惹かれているのも確かなので、もう少し色々読み漁っていきたい。

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2023/09/05

抜きん出た才覚により財を成す母親とその娘の物語。猥雑、過剰、暴力、性差別、ロマン、駄洒落、…そして感動。2023年国際ブッカー賞最終候補。 読め始めは、ぶっ飛んだエンタメ小説だと思いました。著者のユーモラスな語り口を楽しみながら、次第に物語に夢中になりました。韓国の小説はあまり...

抜きん出た才覚により財を成す母親とその娘の物語。猥雑、過剰、暴力、性差別、ロマン、駄洒落、…そして感動。2023年国際ブッカー賞最終候補。 読め始めは、ぶっ飛んだエンタメ小説だと思いました。著者のユーモラスな語り口を楽しみながら、次第に物語に夢中になりました。韓国の小説はあまり読んだことはありませんが、好きになりそうです。また、韓国文学における本作の位置付けが訳者あとがきで分かり良かったです。

Posted byブクログ

2023/05/10

いわゆるイノセントもの。 無垢なために、不幸な境遇に陥るけど、 本人は不幸だと思っていなくて、 (他者に倣って行動したり、  人と比べて自己憐憫する知性を  先天的に持っていないため、  受難しても無垢のまま、というキャラ設定) 読後、どう感じるかは 読者にお任せします、的...

いわゆるイノセントもの。 無垢なために、不幸な境遇に陥るけど、 本人は不幸だと思っていなくて、 (他者に倣って行動したり、  人と比べて自己憐憫する知性を  先天的に持っていないため、  受難しても無垢のまま、というキャラ設定) 読後、どう感じるかは 読者にお任せします、的な オチのつけ方をしている。 読むとセンチメンタル(死語)な気分に なるので、 (障がい者に鞭を打ってはいけない) 「傑作」と呼ばれやすいジャンルの 作品だと思う。 話の展開が気になって最後まで読んだけど、 ・好きか嫌いか? ・傑作か否か? と聞かれると判断に困る内容だった。 主人公以外の登場人物の多くが、 最終的に勧善懲悪的な結末を迎えるのが 韓流っぽいと思ったが、 もともとシナリオライターやってたと 知って納得だった。

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2022/11/11

 『〝クジラ〟強調月間始めました!』11  第11回は、韓国作家チョン・ミョングァンさんの『鯨』です。  韓国で2004年に、日本では2018年に出版されました。韓国作家さんの著書は、ソン・ウォンピョンさんの『アーモンド』以来でしたが、とっても読み応えがあり、「面白かったー!」...

 『〝クジラ〟強調月間始めました!』11  第11回は、韓国作家チョン・ミョングァンさんの『鯨』です。  韓国で2004年に、日本では2018年に出版されました。韓国作家さんの著書は、ソン・ウォンピョンさんの『アーモンド』以来でしたが、とっても読み応えがあり、「面白かったー!」と言える作品に出逢え、〝棚ぼた〟いや、うれしい僥倖です。  2組の不幸な母娘関係が全体を貫く、重厚で波乱万丈の物語で、現実とも幻想とも受け取れる内容が怒濤のように続きます。  欲望、愛、性、孤独など、不屈・栄華・破滅の道をたどり悲惨なのですが、講談の演者に乗せられる感覚と言うか、陰鬱さ・猥雑さが感じられません。  本書の語り口が軽妙・奔放で、軽く読み進められるエンタメ性に富んでいるからだと思います。とにかく、登場人物とエピソードが圧倒的に魅力的で面白いのです。  港町で初めて見た鯨に魅了され、鯨劇場が建てられるのですが、これが悲劇の象徴ともなりました。  平家物語の「盛者必衰の理」「諸行無常の響き」を感じますが、不毛や虚しさ、厭世観を超越した感動を得ました。  広く知らしめたいと強く思う作品でした。

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2021/08/02

何だろう…韓国文学ってあんま経験ないんだけども 日本のものとはやっぱりちょっとだけ違う泥臭さみたいなものを感じる… 何だろう…

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2021/03/31

初めての韓国文学。 物語は時代も場面も人物も入り混じり進んでいく。 誰かに感情移入をして進んでいく物語とは違い、壮絶な女たちの人生を俯瞰していく。 語り手が話しかけてくるので不思議な感覚に陥った。 でも、読みやめる気にならない、本当に不思議な本。

Posted byブクログ

2020/11/14

原始的、野生的、幻想的でも現実的で永続的。不思議な物語でした。異国の小説だからか、流れる空気感がどこか非現実的なのだけどその実、どこまでも地に足がついている、そんなお話しでした。

Posted byブクログ

2019/09/15

第二次大戦後の朝鮮の歴史の流れの中で、2世代にわたる女性たちのお話は、散りばめられたマジックリアリズムとストーリーのチカラでグイグイ読者を巻き込み、物語の世界へと没入させていく。 まるでガルシアマルケスであり、ミルハウザーであり、アーヴィング。 これが物語の法則だ。

Posted byブクログ

2019/06/04

母子二代にわたる途方もなく脂っこい大河ドラマ。この長大な物語の荒波を渡り切った後だけに見ることができる景色は、曲者ばかりが跋扈するキテレツな躁状態からは思いもよらない、底なしに深い静かな祈りだった。まさかそんな角度から心をえぐってくるとはー!

Posted byブクログ