これからの発達障害者「雇用」 の商品レビュー
雇用者向きに書かれた、障害者雇用についてのアドバイス本。 「企業がこれまで行ってきた新卒一括採用はもう困難だから、これからは企業ニーズに合った能力を持った発達障害者を雇うべき」だとか、やたらと自信満々に主観的なことを言ったりしている部分があって、この人の記事信用して大丈夫か?思...
雇用者向きに書かれた、障害者雇用についてのアドバイス本。 「企業がこれまで行ってきた新卒一括採用はもう困難だから、これからは企業ニーズに合った能力を持った発達障害者を雇うべき」だとか、やたらと自信満々に主観的なことを言ったりしている部分があって、この人の記事信用して大丈夫か?思うことがあったが、総合的に見ればそんなに悪い本でも無いように思う。雇用者側に向けて書かれた本だけど、当事者が読んでも有益な部分はある。 以下は、本筋とあまり関係ない学習ノート。というかコピペ。 ■本書で触れられている「情報のまとめ上げ困難仮説」(p81)について。 「環境中の様々なモノや、他者や、自己身体の各所から、常時たくさんの情報が入り続けており、それらを潜在化することができないままに、すべての情報が等価に意識に上ってしまうせいで、選択肢が乱立し、マクロな行為がまとめ上げられにくい」 熊谷 晋一郎(2012)「障害の不安定性と意思決定の困難 ―発達障害と慢性疼痛の当事者研究を手がかりに―」,(社会的障害の経済理論・実証研究(REASE)第1回研究会) 「私たちは例えば空腹感といった身体全体のコンディションをカテゴリーとしてまとめあげることがあります.それを綾屋さんはなかなかまとめあげにくい.身体のあちこちから入ってくるばらばらな情報を,空腹感という一つのゲシュタルトのようなものに統合するまでに非常に時間がかかって,気がついたころには2食,3食抜いてしまって,とってもお腹が減っていることにようやく気づくというような日常を過ごしているそうです.他のASDの方に聞くと,例えば便意とか尿意がまとめあがらないとか,体温の恒常性がまとめあがりにくく,冷え過ぎているとか,温まり過ぎているということがわからないという人もいらっしゃいます.」 熊谷 晋一郎(2015)「当事者研究への招待-知識と技術のバリアフリーをめざして-」,『生産研究号』67(5)
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「とりあえず『発達障害の偉人・有名人』の名前を羅列する」とかはこの手の本のお約束なのか。そういうすごい人達の名前を挙げた後で発達障害者の持つ「異能」を云々言われても説得力がない。 「発達障害の人には必ず何かしら『異能』があり、マッチする職場でならば能力を発揮することができる」という前提条件自体間違ってるんじゃないの、という気がする。健常者(発達障害ではない人)でも、働く能力がなくてどうしようもない人はいるのと同じように、発達障害でも能力が低ければどうしようもないと思う。
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人事側向けの発達障害者雇用入門書といったところ。悪くないと思うけど、当事者向けの本出ないので評価は保留する
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