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花殺し月の殺人 の商品レビュー

4.2

21件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2024/06/16

読後感は、やりきれない思い。となるだろうか。殺害された人も、した人も多くて、名前と立場がうまく繋がらないこともある。この本が売れているということが、すごいけど、読まない人も多いのだろう。

Posted byブクログ

2024/01/28

現実の歴史を辿るノンフィクション。ネイティブ・アメリカンに対する白人の入植者の横暴さ、卑劣さが際立った。しかも解明されない多数の殺人事件。その為に組織されたFBIの誕生など、凄過ぎて読後に虚脱感があった。嫌なアメリカの始まりが見えてくる。

Posted byブクログ

2023/11/26

映画を観て気になったので原作を。映画に描かれていない部分も恐ろしい。トム・ホワイトはあまりにも聖人すぎるような気もしたが。著者の取材、調査力が素晴らしい。 本当に世の中は知らないことばかりだな…

Posted byブクログ

2023/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」の原作。予告編を観て面白そうだな、と思って図書館で借りました。 石油の利権で裕福になったネイティブアメリカン、オセージ族。1921年5月、オセージ族のモリーの妹、アナが行方不明となる。1週間後、アナともう1人の死体が見つかる。そしてモリーの周りで人が次々と死んでいく。殺したのは誰か。次は自分が殺されるのではないか…。 図書館での本の扱いとしては小説ではなくて、歴史・北アメリカ史・中央南部諸州 (253.6)。 『事実は小説より奇なり』と言うけれど、小説でもありえないぐらい周りで人が—ネイティブアメリカンが―次々に死んでいきます。映画ではネイティブアメリカンのモリーの夫、7アーネストが主人公となっているようですが、本では、モリーと特別捜査官のトムが中心となって話が展開していきます。誰を信用したらいいのか、いや、誰も信用できない状態でページが進んでいき、ハラハラさせられます。 このハードカバー版の副題に「インディアン」とあえて入れているところに出版社や訳者の意図が見えます。「インディアン」と蔑称で呼び、殺しても、金を横領しても罪悪感がない白人社会が恐ろしく、どうにもならないところにもどかしさを感じます。 人権無視で次々にお金のために殺され、後見人制度を悪用されてお金をむしり取られていくオセージ族の人々。20世紀初頭の差別については、黒人差別はよく知られているけれど、ネイティブアメリカンについては全く知らなかったので、この本のようなことがあったことに驚かされました。 100年後石油が枯渇し、同じ土地で跡地の風力発電の建設をめぐって裁判になるって、皮肉すぎます。

Posted byブクログ

2023/10/31

映画鑑賞前に読んだ。 映画はこの原作の3分の2あたりまで描いている。だが、この3部の部分が特に怖ろしかった。 映画は作劇上の問題でしょうがないのだが、この事件はアーネストやヘイルだけに限った話ではないのだということが原作を読むとわかる。 100年前の事件ということで確証はないらし...

映画鑑賞前に読んだ。 映画はこの原作の3分の2あたりまで描いている。だが、この3部の部分が特に怖ろしかった。 映画は作劇上の問題でしょうがないのだが、この事件はアーネストやヘイルだけに限った話ではないのだということが原作を読むとわかる。 100年前の事件ということで確証はないらしいが15年間に600人以上のオセージ族の人間が消えているという。しかも行方不明者はカウントされていないようなので、その倍はいるのでは、という話も……。 映画で描かれているのはあくまで一部であり、オセージ族の金を毟り取ろうとする白人がどれだけいたのか、考えるだに怖ろしい事件である。

Posted byブクログ

2023/11/02

ディカプリオの新作映画の原本と知って読んでみた。 追いやられた居留地オクラホマに眠っていた石油、その利権を奪い取るべく群がった白人たちの犠牲となった多くのオーセジ族の人々の苦難の歴史と、ままならない捜査。 著者グランは膨大な資料にあたり子孫にも面会して、1921年~25年「狙...

ディカプリオの新作映画の原本と知って読んでみた。 追いやられた居留地オクラホマに眠っていた石油、その利権を奪い取るべく群がった白人たちの犠牲となった多くのオーセジ族の人々の苦難の歴史と、ままならない捜査。 著者グランは膨大な資料にあたり子孫にも面会して、1921年~25年「狙われた女」、1925年~1971年「証拠重視の男」、2012年~「記者」としてルポする。オーセジ族の歴史を描くことはアメリカの先住民政策も描くことになり、そこに描きだされたのは「アメリカ黒歴史」とでもいうものだな、と感じた。原文がいいのか訳文はとても読みやすい。 メインとして描かれるのはオーセジ族女性モリーとその夫で白人のアーネスト・バークハート。モリーの姉、妹夫婦、母が不審な死を遂げる。そしてアーネストのおじのウィリアム・ヘイル。ヘイルは手広く牧畜業を営む名士で「オセージ・ヒルズの王」と呼ばれる。そして事件当時連邦司法捜査局長に就任した若きフーバー。フーバーは正直な捜査官ホワイトを派遣する。ホワイトの捜査のおかげで犯人は捕らえられるが、フーバーは組織の宣伝以上のことはしなかった。 著者が子孫に面会すると、当時殺されたのは24人とされたが、事件になっていないが不審死を遂げたオセージ族は他にもたくさんいることが分かる。さらに街の白人全体がいわばグルになってオセージ族の石油利権を奪うために殺人をしていた、といっても過言でないような状況が浮かびあげる。しかしそれは公にされることはなかったのだ。 「花殺し月」はオセージ族で5月のこと。 エリース・パスチュンの詩。「ウキギエ」という詩の中でアナの死を詩う。   ”ラスカ・ズィサ・ツェゼ” 花殺し月のころに   わたしはブラックフィッシュやカワウソやビーバーの川を渡ろう メモ ・オーセジ族は今のミズーリ、カンザス、オクラホマ、ロッキー山脈西端までの範囲に住んでいた。 1870年代初頭:オーセジ族はカンザスの領有権を恒久的に保障されていたが、開拓者が増加したため、オクラホマへ移れといわれる。このカンザスは「大草原の小さな家」のローラがいたところで、ローラは父から、もうすぐ政府がオセージ族を立ち退かせる、と聞かされる。 1877年、インディアンの生活の糧であったバッファローがほぼ全滅する 1904年、オーセジの族長は政府との交渉で、地下の埋蔵物はオーセジ族が有する、との契約をとりつけた。族長は石油があることを知っていた。このおかげで土地は部族員だけで分割され(一人当たり675エーカ)、石油会社からの賃貸料、ロイヤルティの権利を得た。さらに先住民は半人前とされ(白人の)後見人が必要で、家族を殺し権利者を一人にし、その後見人になるために殺人が起きていたのだった。 映画ではディカプリオはモリーの夫役。ロバート・デ・ニーロは顔役ヘイル役。この二人悪者なんですよね。どう描かれているのか。 2017発表 2018.5.25初版 図書館

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2022/04/15

フィクションとして読んだら「入念に恐ろしい状況を作り込んであるけど、流石にここまではないわ〜まぁフィクションだからな」と思いそうな、実におぞましいノンフィクション。 時系列仕立ての構成に引き込まれつつ、膨大な数の裏付け資料によって度々我に返り、冷や汗をかいた。 (多少のネタバレ...

フィクションとして読んだら「入念に恐ろしい状況を作り込んであるけど、流石にここまではないわ〜まぁフィクションだからな」と思いそうな、実におぞましいノンフィクション。 時系列仕立ての構成に引き込まれつつ、膨大な数の裏付け資料によって度々我に返り、冷や汗をかいた。 (多少のネタバレ) 欲に眩まず良心と勇気を持って事件解決や阻止に尽力しようとした人々が、いとも簡単に消されていく絶望感がすごい。 これが今のアメリカでは堂々と出版でき、広く読まれる状況なのが少し救いだと感じる。

Posted byブクログ

2020/02/29

「死刑囚」に挟まっていたチラシを見て、以前に読みたいと思ったことを思い出した。フラワー・キリング・ムーンの訳だったんだ、変なタイトルで気になっていたけど最初のページに書いてあってすっきり。

Posted byブクログ

2019/11/30

クロニクル1 狙われた女 クロニクル2 証拠重視の男 クロニクル3 記者 謝辞 訳者あとがき 写真クレジット 主要参考文献 原注 記録文書と未公開の参考文献 参考文献について

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2019/11/14

19世紀、アメリカ。ネイティブアメリカンのオセージ族は広大な土地を所有していたが、トーマス・ジェファーソン大統領に数百万エーカーの土地を手放すよう命じられ、カンザスへと移った。その後、結局政府は土地を割り当てることにした。その中でオセージ族が代わりに割り当てられたオクラホマの土地...

19世紀、アメリカ。ネイティブアメリカンのオセージ族は広大な土地を所有していたが、トーマス・ジェファーソン大統領に数百万エーカーの土地を手放すよう命じられ、カンザスへと移った。その後、結局政府は土地を割り当てることにした。その中でオセージ族が代わりに割り当てられたオクラホマの土地から、石油が出ることが分かった。裕福になったオセージ族を襲うのは、関係者が24人も殺害される事件。発足当初のFBIは解決できるのか。 めちゃくちゃ面白いドキュメント。殺人事件の謎を解く過程も面白いけれど、アメリカの狂ったような歴史も非常に興味深い。 19世紀、チェロキー族の保有地の一部を政府が買い上げ、4万2千の区画に分割し、なんと1893年9月16日正午に一番乗りしたものに与えると発表した。何日も前から何万もの人垣が出来、殴り合いながら突進して行ったそうだ。クレージー。 また、20世紀初頭、汚職まみれ、能力不足の警察や保安官に代わって、推理し尾行ししていたのは私立探偵だった。(ピンカートン探偵社は知っていたけれど、まさか捜査の補完をしていたとは) というような歴史の話がてんこ盛り。そして事件の謎が解かれていくプロセスも良かった。ありそうでない、ドキュメント+ミステリーだった。

Posted byブクログ