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2018/07/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

面白かったです。 私が読む本を選ぶ時、最も参考にしているのが定期的に送られてくる電子書籍サ販売サイトからのメルマガ、後はハーレクインの公式サイトからのメルマガです。 ピックアップされていたり、その月の新刊が紹介されているため、そこで興味を持った本のページにいって面白そうだと思ったら購入します。 この本も、そういう一冊でした。 ただ、別の某サイトでは読者評価はイマイチだったので、購入に躊躇いはありました。 読んでみて、途中までは私も同じような感想をいだいていました。 あまりにも自分勝手で傲慢なヒーローと、彼に翻弄されるヒロインの姿、関係にはあまり共感できませんでした。 ただ、最後の方まで読んでいって、ヒーローが改心というか、ヒロインや息子への愛、本当に大切なものが何かに気づいた下りでハッとしました。 過ちは誰にでもあるものです。 ヒーローは過去の悲惨な体験がトラウマとなり、愛する両親や兄が亡くなったのはすべて自分のせいだと思いこんで、自分を責め続けてきました。 そのため、ヒロインへの自らの愛情も認めることができずにいたのに、最後の最後で -自分はまた、大切なものを失おうとしている。 ことに気づきました。 過ちに気づいたヒーローが結婚式の最中、再びヒロインの元に戻るシーンには胸が熱くなりました。 人は脆く弱い生きものであり、ヒーローの最初の傲慢さも、その弱さの裏返しだと思えば、むしろ気の毒になるくらいです。 人生で犯してしまった過ちに気づいた時、そこで諦めた自棄になるのてはなく、できるだけの努力をすること-その大切さをこの作品は教えてくれているようです。 ヒロインはヒーローに押され、状況に流されてばかりの弱い女性のように一見、思えるかもしれませんが、 最後まで読めば、そんなことはないと判ります。 結婚式までこぎ着けておきながら -愛のないあなたと結婚はできない。 結婚式を直前に控えて言い切ったヒロイン。 むしろ、誰よりも強い意思を持った女性ではないでしょうか。 これはあくまでも主観ですが、この作品を書いた作者の人を見つめる暖かな眼差しが作品から感じられ、好感が持てました。

Posted byブクログ