横浜ではまだキスをしない の商品レビュー

樋口有介(著者)

2020/12/31

10年前、父親が盗撮事件で逮捕され、母親と二人暮らしの高校生の"ぼく"。父親の隠し子が現れ、盗撮事件の真相を探ることに。
幼なじみの美少女、姉を名乗る美人刑事、バイト先の美女、人間が乗り移ったというミケ猫。
相変わらず美女ばかりの設定だが、珍しくファンタジー要素があり、明るめの雰囲気。
不思議ちゃん系の幼なじみがいい味だしてて面白かった。

2020/10/31

今回は少しファンタジー色があるライトミステリー。
バラバラだと思っていた事柄が実は繋がっていたという構成も珍しければ、ヒロインの不思議ちゃん振りも珍しい。
メイの家柄という飛び道具を都合良く使うことであまりミステリー色を強め過ぎず、その分アキオを通して樋口節が堪能できたので満足です。

2020/02/27

高二の夏休み、突然、人生の転換期が訪れた。盗撮事件で離ればなれになった父親に隠し子が出現して、幼なじみのメイとともに真実を探し求める夏が始まる！
幼なじみの美少女、姉を名乗る美人刑事、バイト先の初体験美女、そして魅惑の牝猫。羨ましい限りの美女だらけの中でも、樋口作品の少年は決して自分を見失うことはない。いつもよりファンタジー色が強いが、嘘っぽくないのは作者の巧さ。

2018/05/28

ミステリではあるがファンタジー色強め。
作者お得意の「韜晦した若者」が主役で、
でも今作は主人公の「韜晦度合い」を軽く上回る
不思議ちゃんのお嬢さまがいろいろ引っかき回す（^ ^

地の文で軽妙な突っ込みを入れるお馴染みの文体は
今回も冴えている。何度も吹いた（^ ^;

不思議ちゃんに振り回されて、夏休みの暇つぶしにと
捜査を始めた主人公たちだが、事件自体は「まじめ」。
二つの「事件」をそれぞれ捜査していく内に、
点と点が線で結ばれていき、予想以上にでかい話に。
ミステリなので、内容は書けないが（^ ^;

シーンが変わるときに、映画用語で言う
「ジャンプカット」の手法が取り入れられており、
それが軽妙なリズムを生んでいる。

具体的に言うと、前章の終わりに盛り上げておいて、
次章では「その数日後」になっており、
「肝心なやりとり」を敢えて描かない。

でも「次章」の登場人物の態度や会話などで、
どういう展開になったのかは容易に分かる。
はっきり描かない分、「どんな修羅場だったか」は
創造力を働かせる余地があるとも言える。

いろいろな要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、
それでいて「交通整理」がきちんとなされているので、
読みやすいし何度も山場があるし、一粒で何度もおいしい
ものすごい「お得感」（^ ^

いや〜、面白かった（^o^

2018/05/16

まずタイトルが秀逸。
今までの作風と違いちよっとラノベ的な要素もあるかも。

夏休みに入った高校生の一夏の冒険譚。と言うほど危険な事も全くなく、それでいて普通とは少し違う日常のお話。
まさかあの子猫が！えっ、姉が突然現れた!

好きな作家さんなので、少し甘めの星です。