父と私 恋愛のようなもの の商品レビュー
父親っ子ではないから、ということも大きく影響していると思うが、ここまでの思い入れがないので、ちょっと困惑するほどの想い。鷗外の膝の上に乗っている時の描写はとても素敵。鷗外との今生の別れの描写も素敵。素敵だが、一体どれだけ繰り返し書けば、お茉莉は満足するのだろう。愛情をかけられる、...
父親っ子ではないから、ということも大きく影響していると思うが、ここまでの思い入れがないので、ちょっと困惑するほどの想い。鷗外の膝の上に乗っている時の描写はとても素敵。鷗外との今生の別れの描写も素敵。素敵だが、一体どれだけ繰り返し書けば、お茉莉は満足するのだろう。愛情をかけられる、とはこういうことなのか、と思う。それがいいのか、悪いのかは分からない。だが、森茉莉と鷗外の間は確かに恋愛のようなもの、と呼ぶのがしっくりくる。
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森茉莉は相当、父親に溺愛されていたのだろうなという事がこの文章を読んでいて分かる。森鴎外の様な偉大な人間が自分の父親だったらどんな感覚がするのだろうか?私は実の父とは疎遠の間柄だし、森茉莉の気持ちに共感する事は出来なかった。最初から最後まで私には分からない。
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パッパは私のすべてだった。全集未収録16編を含む、森茉莉の「鴎外との密の筺」。森茉莉による、父・森鴎外についてのエッセイ。 タイトルの通り、父・鴎外とのエピソードや思い出を語った文章だけで構成された早川茉莉編集の第4作目。個人的にはお父さんの小説はけなし気味なのが笑ってしまうけれ...
パッパは私のすべてだった。全集未収録16編を含む、森茉莉の「鴎外との密の筺」。森茉莉による、父・森鴎外についてのエッセイ。 タイトルの通り、父・鴎外とのエピソードや思い出を語った文章だけで構成された早川茉莉編集の第4作目。個人的にはお父さんの小説はけなし気味なのが笑ってしまうけれど、それ以外はベタベタに自慢していて、確かな愛情が二人の間にはあったんだなあと羨ましい。繰り返し茉莉が述べている、最後に二人が別れたシーン(茉莉がヨーロッパへ旅立つときの)「鳩のようだった」という鴎外の言葉にはぐっと胸が締め付けられる。茉莉が自分の作品を、父に一度でいいから読んでほしかったと回想するのも泣ける。ああ、森茉莉の感性が素敵すぎて、こんな風に年老いていきたい。全集を復刊してくれないかなあ。
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森茉莉のエッセイの中から『父』についてのものを集めた文庫オリジナル版。 森茉莉の魅力は色々あるが、矢張り、鷗外について書かれたものが一番なのではないか……というか、文豪・森鷗外の最高傑作って実は森茉莉なんじゃね? なんて気がして来るのだった。いや、割とマジで……。
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