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14歳の水平線 の商品レビュー

3.8

16件のお客様レビュー

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2020/04/27

椰月美智子を初めて読んだ。 日本のYAもこの頃は虐待や貧困、LGBTなどを取り上げたものが多く、それはそれで良いのだが、こういう普通の物語もあるべきだと思う。 14歳の少年加奈太と、かつて14歳であった父征人の同じ島で過ごしたそれぞれのひと夏が、鮮やかに描かれている。 貧困やLG...

椰月美智子を初めて読んだ。 日本のYAもこの頃は虐待や貧困、LGBTなどを取り上げたものが多く、それはそれで良いのだが、こういう普通の物語もあるべきだと思う。 14歳の少年加奈太と、かつて14歳であった父征人の同じ島で過ごしたそれぞれのひと夏が、鮮やかに描かれている。 貧困やLGBTはなくても、進路や父母の離婚は子どもにとって大きな問題である。ましてや親の死は 中学生には大きすぎる出来事である。征人の父が死んだ時、島の魔物(これは作者の創作だと思うが)に蘇らせてくれるよう頼みに行くシーンは、下手すれば嘘っぽくなり、読み手を白けさせるところを、臨場感をもって描いており、上手いなと思った。 加奈太がキャンプで仲違いしていたサッカー部の三人と仲良くなるのは予想できたが、ここも納得できる描き方である。 子どもも共感でき、大人も安心して手渡せる、日本のYAの秀作。

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2019/08/06

暑い夏の日の読書にうってつけの一冊。14歳の少年の夏の物語。 14歳の加奈太、かつて14歳だった父征人。征人の故郷の島、天徳島に帰省し、加奈太は中二男子限定のキャンプに参加する。 もやもやしていた14歳。思春期。色んなことがあるけど、友達って素敵。島でのひとときはキラキラ輝くよう...

暑い夏の日の読書にうってつけの一冊。14歳の少年の夏の物語。 14歳の加奈太、かつて14歳だった父征人。征人の故郷の島、天徳島に帰省し、加奈太は中二男子限定のキャンプに参加する。 もやもやしていた14歳。思春期。色んなことがあるけど、友達って素敵。島でのひとときはキラキラ輝くようだ。 加奈太の夏と征人の14歳のころの夏が交互に語られて、ひとつの物語によられていく。 天徳島には東京にはない豊かな自然と海があり、同時に昔ながらの風習が息づく「神様の島」。美しく神秘的で不気味で、自由で窮屈でそんな島で加奈太が見つけたもの。ひと夏の少年の出会いと冒険を通した成長もの。 登場する仲間たちがそれぞれに魅力的だった。ミラクルかっこいい。光圀いやされる~。 そして父である征人の14歳のころと重なる場所、出来事、心情、征人の仲間たち。 とにかく文句なしに良かった!おすすめです。 あぁ、こんな風に海に飛び込みまくる夏を過ごしてみたいなぁ。

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2019/03/07

中二病真っ只中の少年が、夏休みに父親の故郷の島でキャンプに参加することに。14歳の息子とかつて14歳だった父親の、いつの時代も変わらぬ思春期の葛藤を描く青春小説。 少年は夏を過ごすごとに大人になる。キラキラと輝くあの頃の出来事は生涯忘れることはない。だからこそ、毎日を大切に過ごし...

中二病真っ只中の少年が、夏休みに父親の故郷の島でキャンプに参加することに。14歳の息子とかつて14歳だった父親の、いつの時代も変わらぬ思春期の葛藤を描く青春小説。 少年は夏を過ごすごとに大人になる。キラキラと輝くあの頃の出来事は生涯忘れることはない。だからこそ、毎日を大切に過ごしてほしいと思うのが親心である。でも肝心の当人はなかなかそのことに気づかない。是非とも子供たちに読んでほしい一冊である。

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2018/12/19

王道、といえば王道のストーリーですが、ひと夏の出会いと冒険(キャンプ)を通して6人の中学二年生の男子たちが成長してゆく姿は感動的です。 距離感を上手くつかめず、探りあったり反目したりしているなかで、少しずつ互いの良さを見つけてゆく、胸襟を開いた付き合いができるのも、この年頃だから...

王道、といえば王道のストーリーですが、ひと夏の出会いと冒険(キャンプ)を通して6人の中学二年生の男子たちが成長してゆく姿は感動的です。 距離感を上手くつかめず、探りあったり反目したりしているなかで、少しずつ互いの良さを見つけてゆく、胸襟を開いた付き合いができるのも、この年頃だからこそ、だと感じます。 沖縄という空間のもつ独特の魅力と夏休みのキャンプという環境。 登場人物たちの得た、かけがえのない絆がとても羨ましく感じます。 YAとして、夏休みに中1や中2の生徒に是非推薦したいと思う1冊です。

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2018/08/19

親子二代の子供から大人へと変わるひと夏の体験。 かつて庵野監督はエヴァの主人公を14歳にして理由を 「14歳は哲学のようなものが出来る年齢」と語っていた。 ままならぬ現実に苛立ちを覚える14歳の息子と、 かつては将来のことを考えていない14歳だった父親。 形は変わってもいつま...

親子二代の子供から大人へと変わるひと夏の体験。 かつて庵野監督はエヴァの主人公を14歳にして理由を 「14歳は哲学のようなものが出来る年齢」と語っていた。 ままならぬ現実に苛立ちを覚える14歳の息子と、 かつては将来のことを考えていない14歳だった父親。 形は変わってもいつまでも終わらない故郷のような友情と、 一瞬で終わる美しい花火のような友情が二人を変えて行く。 「小説では調子のいいことをいくらでも書けるけれど・・」 という征人の嘆きに共感を覚えてしまう年齢になり、 10代でこの小説に出会えなかったのは残念だが、 それでも爽やかな読後感を得られた。

Posted byブクログ

2018/06/14

これを青春と言わず何を言うか! 見知らぬ少年たちが集まって島でキャンプ。 なんとなくチームができていがみ合って、 もうどうしようもないと思いきや……。 少年たちの心は柔軟なんですね。そして素直。 心揺れる思春期が微笑ましかった。

Posted byブクログ