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トレバー・ノア 生まれたことが犯罪!? の商品レビュー

4.5

18件のお客様レビュー

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2019/03/23

南アフリカ出身のカラードであるトレバーの半生を描いた本。 単なる自伝にとどまらず、所々でアパルトヘイト時代の南アの社会背景が説明されておりとても興味深い。 一番衝撃的なのは最終章で、トレバーの母の強さをあらためて感じさせる。 「なによりも、人とのつながりを保つのは暴力じゃなく、愛...

南アフリカ出身のカラードであるトレバーの半生を描いた本。 単なる自伝にとどまらず、所々でアパルトヘイト時代の南アの社会背景が説明されておりとても興味深い。 一番衝撃的なのは最終章で、トレバーの母の強さをあらためて感じさせる。 「なによりも、人とのつながりを保つのは暴力じゃなく、愛だと気づいていた。愛は創造的な行為だ。誰かを愛すると、その人のために新しい世界を創りだすことになる。」

Posted byブクログ

2019/03/10

クッツェーの小説も読んだし、インビクタスとか遠い夜明けとか映画も見ていたので、アパルトヘイトについてちょっとは知っているつもりだったけど、ちっとも知らなかったんだなと認識をあらたにした。 クッツェーは白人インテリの富裕層で、底辺の黒人がどんな生活をし、どんな思いでいたのかをリアル...

クッツェーの小説も読んだし、インビクタスとか遠い夜明けとか映画も見ていたので、アパルトヘイトについてちょっとは知っているつもりだったけど、ちっとも知らなかったんだなと認識をあらたにした。 クッツェーは白人インテリの富裕層で、底辺の黒人がどんな生活をし、どんな思いでいたのかをリアルに体験してはいないし、映画もアメリカ人が、つまり外国人が撮ったもので表面的なものでしかないということがよくわかった。 まず、黒人白人だけでなくカラード(もともと南アフリカにいたコイサン族女性と白人の間に生まれた混血を始まりとし、文化的背景がない。準白人として扱われる。カラード居住区で暮らす。)という括りもあったこと。黒人はたくさんの部族に分かれていて違う言語を話し、それぞれ別々の土地に暮らしており(当然比較的裕福な部族もあれば赤貧洗うが如しという部族もある)一つの集団ではないどころか、お互いに対立している。部族間の対立は前述の作品でも描かれてはいたが、そもそも会話すら成り立たないほどであり(言語が違うから。アフリカーンスはオランダ系白人とカラードの言語)、その対立を白人支配者たちは上手く利用していたこと。だから数々の矛盾がありながら制度として成り立っていたということ。そんな中で黒人やカラードがどんな思いで生きていたのかが、この本で本当によくわかった。 著者は見た目はカラードでありながら黒人の母の子として黒人(ネルソン・マンデラと同じコサ族)文化で育った(ヨーロッパ人の父との交流もあった)。すなわちどこの社会からもはみ出していることを子どもの頃から意識していた(何事も一歩引いて客観的に見る癖がついた)。自立心の強い母のお陰できちんと教育を受け、知能が高く言語を能力も優れていたので、英語もアフリカーンスも他の部族語もでき、何よりユーモア精神があった。これらがうまく結び付いた結果がアメリカでの成功だと思う。アパルトヘイトという悪法が産んだ奇跡。 重苦しくなって当然のエピソード満載でありながら、持ち前のユーモアセンスで笑いに変え、人種差別のバカバカしさを描き出すテクニックは最高。ヒトラーという名前の友人とユダヤ人学校に行くエピソードは面白過ぎるが、ナチスに迫害されたユダヤ人と白人に差別されている黒人の歴史を思うと、複雑な後味。 あまりに名言が多すぎて書ききれないが、「生まれてはじめてお金を手にして、すごく解放された気分になった。お金があることでまず気がついたのは、いろいろ選択できる、ということだ。人はお金持ちになりたいわけじゃない。選べるようになりたいのだ。お金があるほど選択肢も広がる。それが、お金のもたらす自由なのだ。」なんて、本当にそうだと思う。 いきなり性行為に関する法律(白人と黒人との性行為を禁止する法律、タイトルの「生まれたことが犯罪⁉」につながる)から始まる本ではあるが、高校生くらいから読んでほしい本。もちろん大人も。

Posted byブクログ

2018/12/09

The Daily Showは最近知りましたが、司会者Trevorさんの面白い口調にハマっています。 この本も是非読みたいと思い、購入します‼また別途にAudio bookもあるようなので手に入れて、文章と音声の両方で楽しみたいです‼‼‼

Posted byブクログ

2018/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 アパルトヘイトを機能させておく唯一の方法は、黒人の考える力を削ぐことだった。アパルトヘイト体制のもと、政府はバントゥー教育法に基づき、バントゥー学校をつくった。(中略)「黒人に歴史や理科を教えたってなんの役にも立たない。未開人なんだから。そんなもの教えたって、混乱させるだけだ。食べることが許されない牧草地に、家畜を連れていくようなもの」というのが政府の言い訳だった。(p.89)  生まれてはじめてお金をテニして、すごく解放された気分になった。お金があることでまず気がづいたのは、いろいろ選択できる、ということだ。人はお金持ちになりたいわけじゃない。選べるようになりたいのだ。お金があるほど選択肢も広がる。それが、お金のもたらす自由なのだ。  お金を手にした僕は、それまでとはまったく違うレベルの自由を味わった。マクドナルドだ。アメリカ人にはわからないと思うけど、アメリカ発のチェーン店が第三世界の国でオープンすると、それはもう大騒ぎになる。(p.257)  部外者が、被害者の女性ばかりを責めて「出ていけばいいのに」と言うのは簡単だ。家庭内暴力はうちに限ったことじゃない。僕はそういうのを見て育った。ソウェトでも、テレビや映画の中でも目にした。それがよくあることとされる社会で、女性はいったいどこへ行けばいいのか。警察も助けてくれない、自分の家族も助けてくれないのに。(中略)当時の僕は、こういうことがなにもわかっていなかった。若造のものの見方しかできない若造だった。(p.382)

Posted byブクログ

2018/11/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

GG recommended: This coming-of-age memoir begins with comic Trevor Noah’s birth to a black Xhosa mother and a white Swiss-German father in South Africa. During the final years of apartheid, his family often hid him indoors rather than face difficult questions or potential arrest—as black/white marriage was still illegal. Yet Noah learned to navigate racism in South Africa with the help of his mother Patricia—a woman who was both fiercely religious and rebellious. “My mother wanted her child beholden to no fate. She wanted me to be free to go anywhere, do anything, be anyone.” Noah’s tragic yet humorous story of hope, resistance, and resilience is a tribute to his mother’s bravery and their complicated bond.

Posted byブクログ

2018/08/15

黒人母と白人父の間に生まれ、育った稀有の世界的コメディアン。アパルトヘイトからマンデラ政権誕生が、その幼少期であり青春だった。こんな不条理な世にあっても、子供の世と青春は、羨ましいほどキラキラ、ワクワクしている。事あるごとにぶつかった、たくましく生きる母へのオマージュでもある。ど...

黒人母と白人父の間に生まれ、育った稀有の世界的コメディアン。アパルトヘイトからマンデラ政権誕生が、その幼少期であり青春だった。こんな不条理な世にあっても、子供の世と青春は、羨ましいほどキラキラ、ワクワクしている。事あるごとにぶつかった、たくましく生きる母へのオマージュでもある。どんな状況であれ、子供時代や青春時代って最高なんだと思う。

Posted byブクログ

2018/07/25

 歴史の授業と、映画『インビクタス』から程の知識しかもっていなかったアパルトヘイト。この本を読まなければ、おそらくこの先意識的に知識を得ることはないだろう。人間の歴史の中でも大きなトピックスであっても、遥彼方の出来事にアンテナを張れるほど暇ではないから。    この本を選んだ際も...

 歴史の授業と、映画『インビクタス』から程の知識しかもっていなかったアパルトヘイト。この本を読まなければ、おそらくこの先意識的に知識を得ることはないだろう。人間の歴史の中でも大きなトピックスであっても、遥彼方の出来事にアンテナを張れるほど暇ではないから。    この本を選んだ際も、特にアパルトヘイトに関心を寄せたわけではなかった。 カバーデザインがいい感じ。フィクションよりも自伝を読みたい。外国作品の方が、違った世界を見せてくれる。どうやら世の評判も良いようだ。そんなところだった。  話の軸は、主人公の成長と、魅力ある母親の姿。やんちゃ坊主と肝っ玉母さん。万国共通の生き様なのだろうか。そこに南アフリカの現実、アパルトヘイトの実態が色濃く反映されている。    この本の世界が、今、自分が生きている世界と繋がっている、なんて意識できなかった。架空の世界の出来事。別の星での話のようだ。ほぼ同世代の主人公が同じ星の下、同じ時間の中で過ごしてきたことと、想像することが今でもできない。  主人公は今や世界を股にかけて活躍しているようだ。グローバリゼーションとはそういう事なんだろう。世界中から様々なバックボーンを携えた人が集まって世界を作っている。世界は想像以上に複雑にできているらしい。  自分の世界は引続き極東中心で、今後もアフリカ南端とのかかわりは少ないと思われる。ただ、テレビで、ネットで南アフリカというキーワードが出てきたとき、今までとは違った感覚を持ちながらその情報を見つめることになる。    学校では得られなかった世界の歴史をこの本から学ぶことができた。

Posted byブクログ

2018/07/11

南アフリカのアパルトヘイト下で、カラードとして産まれたトレバー・ノアの自伝。 恋愛とか差別とかもあるけど、これは母と子の物語だ。ものすごくリベラルでものすごく息子を愛した母がいたから、トレバーは前を向けたんだと思う。 歴史背景とかもさりげなく解説が入るのでいい。

Posted byブクログ