レオナルド・ダ・ヴィンチの「解剖手稿A」 の商品レビュー

マーティン・クレイトン(著者),ロン・フィロ(著者),森田義之(訳者),小林もり子(訳者)

2024/02/03

レオナルド・ダ・ヴィンチの緻密なデッサンの元の手稿に文字を、その位置に日本語に置き換えてあり、彼が何に注目しているのかがよくわかる。これは貴重な本で、今グレイ解剖学といった、人体がより詳細に、リアルにわかるビジュアル本もあるのだけれど、５００年もの前にこの手稿を残したレオナルド・ダ・ヴィンチの好奇心と驚異的な観察眼に驚嘆するばかりだ。
時間をかけて、じっくりと紙面を読み回したいものだ。

2018/07/13

借りたもの。
レオナルド手稿の中で、出来栄えも内容も完成度が高い作品群『解剖手稿A』の解説と手稿原文・その日本語対訳をまとめた、読み応えある一冊。
前橋重二『レオナルド・ダ・ヴィンチ―人体解剖図を読み解く』( https://booklog.jp/item/1/4106022435 )でも、またこの本でも指摘されている通り、おそらくレオナルドは図解解剖解剖学読本として刊行するつもりで、これら草稿をまとめていた模様……完成していたら、本当に人類に偉大な功績・貢献を遺していただろう……
手稿とあったから、絵画制作の研究の一環として行っていたのかと思ったら、必ずしもそうではなかったようだ。

驚くべきレオナルドの観察眼に感嘆する。
歴史上最初の正確な脊柱の図、360°Viewな脚の骨、図に所狭しと描き込まれた解剖をする際の注意書きや気になる点について、更には描き方の注意点等……

わざと誇張している？部分や、あまり注視していない箇所があったり、生体では無いので間違いや仕組みが不明であった部分も多々あるとはいえ、その正確さや緻密な描写は後世に大きな影響を与えたことは言わずもがな。
読み応えがありすぎる一冊。

2018年　国立科学博物館 特別展『人体 神秘への挑戦』( http://jintai2018.jp )で拝見した《『解剖手稿』より頭部断面、脳と眼の結びつき部分》について知りたくて読了……したものの、その手稿は『解剖手稿B』に分類されているものだった……orz