日本の分断 の商品レビュー
大規模調査に基づいて計量社会学者が描き出す“明日の日本の姿"が良く分かる。 大卒と非大卒,男性と女性,壮年と青年で8分割して様々な視点で定量的に分析してある。この結果からは,レッグスと著者が呼ぶ人たち(非大卒,青年,男性)への支援が一番必要と思われるが,政治はこの人た...
大規模調査に基づいて計量社会学者が描き出す“明日の日本の姿"が良く分かる。 大卒と非大卒,男性と女性,壮年と青年で8分割して様々な視点で定量的に分析してある。この結果からは,レッグスと著者が呼ぶ人たち(非大卒,青年,男性)への支援が一番必要と思われるが,政治はこの人たちを見ていない。
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これは実感が伴う納得でした。どこの大学を出たかという差別は、学歴差別ではなく、「学校歴」差別という指摘、そもそも大学を目指さない若者が一定数いるのだという現実、非大卒男性の幸福度、自己肯定感が非常に低いという問題、アメリカのラストベルトさながらのマジョリティだけど決して優遇されて...
これは実感が伴う納得でした。どこの大学を出たかという差別は、学歴差別ではなく、「学校歴」差別という指摘、そもそも大学を目指さない若者が一定数いるのだという現実、非大卒男性の幸福度、自己肯定感が非常に低いという問題、アメリカのラストベルトさながらのマジョリティだけど決して優遇されていない層が日本にも存在しているのだということなどなど、学ぶことが多かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前半、時代ごとに、その時代を構成していた若者層、壮年層がどのような時代を生きてきた人たちだったのかを並べたチャートがあったが、その切り口はあまり見たことがなく面白かった。 ジェンダーの観点も、男女かおたがい既得権益を守りながら相手の領域とされてきたところに入ろうとしている、という分析も面白かった。 その後は、学歴✖️年代✖️男女の8つの区分で比較されていくが、確かに日本社会の半分を占める非大卒人口に対して、さまざまな社会的支援は届いていないように思う。施策を考える方も大卒メンバーが多いからか?
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日本の労働人口を性別、年齢、大卒・非大卒で8つに分けると、人口規模がだいたい等しい8つのグループができる。これを、幸福感、将来への展望などのアンケート結果に基づいて分析すると、若年非大卒のグループ、それも若年非大卒男性のグループが特異に将来性の乏しい状況に押し込められているという...
日本の労働人口を性別、年齢、大卒・非大卒で8つに分けると、人口規模がだいたい等しい8つのグループができる。これを、幸福感、将来への展望などのアンケート結果に基づいて分析すると、若年非大卒のグループ、それも若年非大卒男性のグループが特異に将来性の乏しい状況に押し込められているという現状認識。しかも、大卒・非大卒は世代間で継承されるという傾向があるし、大卒より被大卒の方が子供が多い傾向がある。すなわち、このグループは、これからも、日本の人口の大きな部分を占めることになる。なので、このグループを切り捨てることはできず、このグループの幸福感を高め、非大卒男女が経済活動に積極的に参加してくれるような政策を取っていく必要がある、という内容。 現状認識は正しいが、そんな政策は、難しいよね。国際競争を考えると、高度知的労働人口に富が集中するのは、不可避だと思う。
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https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334043513
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日本社会の分断について、学歴、性別、年齢を軸にあぶりだす。接しないカテゴリーの人の存在に気づかされる。 同時に、子供を育てやすくという政策に、例えば大卒若年カップルの一人目と非大卒カップルの3人目、どちらを優先すべきか、はっきり別の狙いとして分けるべきとの指摘、もっとも頷く。 政...
日本社会の分断について、学歴、性別、年齢を軸にあぶりだす。接しないカテゴリーの人の存在に気づかされる。 同時に、子供を育てやすくという政策に、例えば大卒若年カップルの一人目と非大卒カップルの3人目、どちらを優先すべきか、はっきり別の狙いとして分けるべきとの指摘、もっとも頷く。 政治参画、文化参画しない、若年非大卒男子の利益を抑圧する仕組みになっていなるとの指摘も思い当たる。 社会の中で果たす役割に合った利益を得られていないカテゴリーのグループを考えると、それが分断なのだと理解できる。 考えるきっかけに。
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大卒・非大卒、年齢できれいに区切れるところが怖いと感じた。自身の視点は各自「偏り」があることに注意したい。
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日本社会の実態が大学進学と居住場所でここまで説明されるとは思わなかった。 これまで私は日本における大学進学は本人の能力・意思・家庭状況によって決定されているという認識に留まっていた。しかし本書を読むと社会のあり方がかなりの程度影響しているということが分かる。 こうした大規模な社会...
日本社会の実態が大学進学と居住場所でここまで説明されるとは思わなかった。 これまで私は日本における大学進学は本人の能力・意思・家庭状況によって決定されているという認識に留まっていた。しかし本書を読むと社会のあり方がかなりの程度影響しているということが分かる。 こうした大規模な社会調査データから導かれる事実に基づいた政策を期待したい。
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日頃あまり意識していないが、確かに非大卒の方と日常話す機会がないなと思いました。両親や妻も大卒だし。近所の祭りや運動会などしかありません。気づくことなく分離されているのは怖いと思いました。
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めちゃくちゃ面白かった!!新書は久しぶりに読んだけど、わかりやすい。社会学の本でこんなにスルスル読めた本はあんまりない。最新のデータもたくさん使われててよかった。
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