法然と親鸞の信仰 新版 の商品レビュー
法然から親鸞へと受け継がれた浄土信仰について解説している本です。 著者は、法然と親鸞のそれぞれの生涯について概観し、『一枚起請文』と『歎異抄』によって両者の信仰の内実にアプローチを試みています。そのさい、この二人の宗教家の資質のちがいに目が向けられ、「法然がいきなり親鸞のような...
法然から親鸞へと受け継がれた浄土信仰について解説している本です。 著者は、法然と親鸞のそれぞれの生涯について概観し、『一枚起請文』と『歎異抄』によって両者の信仰の内実にアプローチを試みています。そのさい、この二人の宗教家の資質のちがいに目が向けられ、「法然がいきなり親鸞のような性格であったとしたら、必ず、世間の誤解を招き、障りを生じ、余程の公明な、寛裕な人であっても、今日においてすら、なお浄土門の信仰を受け容れる事を躊躇したに相違ない」と述べるとともに、「もし法然の後に親鸞が出て、その信仰の本質を忌憚なく徹底せしめなかったら、法然の信仰は、恐らく法然の不徹底であった方向に発展して、自力、精進、持戒、奇蹟というようなものが重んじられ、その信仰の本質はかえって雲に隠され、大衆性を失って、貴族主義、理想主義に後退したであろう」と述べて、この二人によって浄土信仰の本質が明らかになったことを説明しています。
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