岡崎慎司 悩む男。 の商品レビュー
元々は「DIME」の連載から、レスター移籍後からの思考の備忘録。 編集によって型にはめないよう、章立てせずお題を五十音順にしている構成。この本を買った2年前は、つかみどころなく途中で読むのを止めてしまいましたが、ウエスカの昇格に貢献した今、「なぜ岡崎慎司は清水、代表、そしてヨーロ...
元々は「DIME」の連載から、レスター移籍後からの思考の備忘録。 編集によって型にはめないよう、章立てせずお題を五十音順にしている構成。この本を買った2年前は、つかみどころなく途中で読むのを止めてしまいましたが、ウエスカの昇格に貢献した今、「なぜ岡崎慎司は清水、代表、そしてヨーロッパで長年生き残ってきたのか」というテーマで読んだら、とても頭に入りました。 岡ちゃんの強さは悩むことにある。 それは漠然とした不安ではなく、今何をするべきかを悩み考え続け、「理屈」や「論理的な答え」を探すこと。 かつての答えは今の正解とは限らない、過去の答えに対しても疑いを持ち続ける。 新人時代、清水のファン感謝デーで挨拶代わりにブルース・リーのモノマネをしていた18歳は、おそろしく冷静で、柔軟で、そして客観的に考え、その時々で最適な選択肢を選べる男だったのです。 そして彼の二つの代名詞、「ダイビングヘッド」は失敗を恐れない、まずは飛び込むという哲学、そして「泥臭さ」は、予測と意図、意味や狙いを持った選択の先にある、「無心」の状態から生れるものなんだなぁ、という内容にもなるほど、と思いました。 編集者のあとがきのこの言葉が端的に表しています。 「固定観念を嫌う岡崎が持つ柔軟性は、強さの象徴だ。」 最近読んだ「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」でも感銘を受けたのですが、不安定な世界だからこそ、その状況下で最適の答えを選択する、という思考はこの先を生きていくうえでも重要なのかと。 自分を信じて、あらゆる力を駆使してプロの世界に生きる岡ちゃんの姿は、日本平を去って10年経った今でも自分に勇気を与えてくれます。
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