現代詩人探偵 の商品レビュー
タイトルと表紙から軽めのミステリー小説と思って手に取ったら完全に予想外の展開。 ✖️ミステリー小説で謎解きやトリックを重視する人には向かない 「誰が」「誰のせいで」「どのように」死んだことより、「なぜ」死ぬことになったかについてを重視した話。根気強くないと前半で頓挫するかも(根...
タイトルと表紙から軽めのミステリー小説と思って手に取ったら完全に予想外の展開。 ✖️ミステリー小説で謎解きやトリックを重視する人には向かない 「誰が」「誰のせいで」「どのように」死んだことより、「なぜ」死ぬことになったかについてを重視した話。根気強くないと前半で頓挫するかも(根気強く最後まで読んだら面白いけどね!) ◎いつもと違うタイプの小説を読みたい人におすすめ ランキング上位の本や書店の店頭に平積みされている本では満足できない人は、数ページだけ読んでみれば良いと思う。街灯が10メートル間隔で立っている河川敷を歩くような、真っ暗ではないけれど不安定な暗さがずっと続くような文章の虜になる人は一定数いるはず。
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面白かったです。 始終、鬱々とした空気でした。でも、好きな鬱々です。 探偵くんが詩人で、詩人仲間…というには薄い関係ですが、彼らの死の真相を調べていきます。 各章の冒頭に詩が載っているのですが、どれもそれぞれ良いです。死が香る言葉たちで。遠野昼夜さんの詩が好みでした。 死について調べていくことで、何を探るんだろう…詩人とは死ぬことで完成する、永遠になる、ということ?と、これは推理小説なのか…?と思いながら読んでいたら、すっかりやられました。 探偵くんは10年前の探偵くんではないなんて。。 蒼ざめた馬≠蓮見くん。 盗作…自分の創造したものではないもので称賛されても誇らしくなれるのだろうか。わたしにはわからない感覚です。。 探偵くんは言葉を紡ぐかは分からないですが、これこらも生きていくのだろうなと思いました。 病んでいるから、言葉を紡げるという感覚はわかる気がします。
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詩を書いて生きたいと思っている人たちの、死のお話。死ぬことと生きることと詩を書くことがたくさん詰まっていて、息苦しいほどだった。最後まで読んで、やっぱりミステリなんだと思った。 2019/10/19
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自殺した詩人たちのことを調べる「探偵くん」。なぜ死んだのか、死なないと詩人になれないのか、生きて詩を書くことはできないのか。調べたからといって答えはないし、「謎を解いて遺された人を救う」なんてことにもならない。遺されたひとの「どうして」は永遠に解消されない。 どうしてそこまで拘るのだろうと、途中からちょっと思い始めてしまったけれど、最後で腑に落ちた。 「生きて、書いて、いいんだよ」 棗のようにそう言ってしまいたくなるし、そう言うしかないと思う。 その、棗。 健康的で、なんでも持っていて、いつだって日の当たる場所をなんの疑問もなく歩いていける、だいきらいな親友。 棗の執着は、本当に草間の思ったところにあるのかなあ。 棗視点のはなしがぜひ読みたい。 言葉を尽くしているのに言葉が足りない。 最初から最後まで、そんな印象。 そしてそれでいいのだろうな、と思う。 草間が絞り出すように紡いでいく言葉だから。 その言葉たちが、まだ私の心にも響くことが分かって、そのことがとても嬉しくて、ありがとう、という気持ちになった。
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生きて詩は書けないのか。 詩と死を巡るお話。 主人公が鬱々としていて生きづらそうで、 なかなか読むのがしんどい。 探偵と呼ばれ執拗なまでに、なぜ?を追った彼の 動機が明かされたときは、やられたーと思いました。 まぎれもなくミステリー小説でした。
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6月から秋にかけての物語なのですが、物語全体に纏わりつくような雨の気配が金沢らしい。金沢駅から香林坊まで歩いたことがある人は、思いあたる場所がたくさんあって楽しいと思います。犯人が追い詰められる崖の上や、2時間ドラマの殺害現場以外の石川県が読みたい人に。
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韻を踏むという技法がありますが、同じ音である「死」と「詩」が隣り合わせで紡ぎ出されるこの物語、ひたすら暗い重苦しい雰囲気なので、ふだんの私なら途中で嫌になる所なのに妙に引き込まれました。
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私もミステリーに対してホワイダニットに重きをおく。その悲劇性か人間の心理が好きだし、なんだったらトリックやアリバイは二の次でいい。それは物語の探偵が解いてくれるものだ。 主人公「僕」の異様なまでの探究心の正体を知った時、あぁ、と私は物悲しくなった。
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現代詩が好きなので、どうしても厳しい見方になってしまう。でも、日曜の夜に月曜日の活力を犠牲にして読んだということはまあ、それなりに惹かれていたのだろう。 なんつーか創作の業とか盗作のようなテーマは古すぎるよ。想像力のかけらもないと思う。たがみよしひさが90年代に30ページの漫画で...
現代詩が好きなので、どうしても厳しい見方になってしまう。でも、日曜の夜に月曜日の活力を犠牲にして読んだということはまあ、それなりに惹かれていたのだろう。 なんつーか創作の業とか盗作のようなテーマは古すぎるよ。想像力のかけらもないと思う。たがみよしひさが90年代に30ページの漫画で描き切っていて、てことはそれ以前に大量の先行者がいたってことで、それを今更やる鈍感さには呆れ果てる。チェイサーとかアオイホノオとか漫画を描くことについての漫画がしかも良質なものばかりが量産されている現在に、創作者モノをしんきくさーくおセンチに高尚ぶって書くのはトップグループから何周も遅れてゴールして一位だと勘違いして喜んでいるのに等しい。どんなに深刻ぶってみても、等しい。 ただ、生きづらさに悩んで生きたり死んだりする人たちがリアリティーを待って作品の中に存在することは、それだけは尊いことだ。
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文庫化。 ミステリ寄りの一般文芸というか、謎や理由というものは、そこまで重きを置かれていない感じがする。どんでん返しは最後に用意されているが、あるキャラクターが登場した時点で予想がつく範囲内。登場人物ひとりひとりに寄り添って読むタイプの小説だと思った。
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