新約聖書と神の民(下) の商品レビュー
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下巻では原始キリスト教共同体の抱えていたストーリーとは何だったのかという問題について迫る。新約学初心者なので、利用可能な文献の整理や定説・議論の流れなどもある程度示してくれるのがありがたい。 キリスト教徒のストーリーは救世主イエスという文脈でのユダヤ教トーラーの読み直しであり、イスラエルの「救済」がどのように到来するか(したのか)という絶対に譲れないストーリーの要になる部分で決別しているので分かりあうことはできなかった、他のユダヤ教セクトとの違いもここにあったという指摘はなるほどと納得。しかしここまでもいわば前置きの議論なので、次の本論が読みたいと思う。
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