双亡亭壊すべし(第八巻) の商品レビュー
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双亡亭の悪意がいよいよ主人公たちを蝕み始めた8巻である。 この巻では凧葉が坂巻泥努と、緑朗が侵略者の実体の一つであるしのと邂逅し、この双亡亭という存在の秘密を説明されている。 その中で、同じ画家として会話を求める泥努はともかく、明確な悪意を持って対するしのの関係は緑郎を襲い、予断を許さない結末に導いている。 残花と帰黒の関係や双亡亭の汚染された土地柄のこと、あるいは双亡亭の主・坂巻泥努と侵略者たちの関係が詳らかにされている巻である。 その意味で見れば、物語的な展開より立ち話がやや多くなってしまっている巻でもある。 その辺を加味してここでは星四つ相当と評価している。 まだまだ泥努は過去を明らかにしているとは言えないが(決定的な部分は匂わせるにとどめている)、双亡亭の秘密もだいぶ明らかになってきている。終盤に向けて、少しずつ物語は進展している印象である。
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