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知性は死なない の商品レビュー

3.9

21件のお客様レビュー

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2024/08/24

卓ジェネ本繋がりで読んでみました。 文体含め、鬱の回復過程が生々しく感じられる本でした。 そして、解説が東畑先生。読む本のかなりの確率で東畑先生に出会ってしまう。

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2022/11/03

東大教養学部、博士(学術) 2007-2015公立大の准教授 躁うつ病(双極性障害)を発症したのを契機に辞職 大学の同僚「知識人」への幻滅 ●院生時代 文献メモなしで論文が書けた。 後から振り返ると軽躁状態だったのかも、と。 ●語り 教員になるまで 精神病理学につい...

東大教養学部、博士(学術) 2007-2015公立大の准教授 躁うつ病(双極性障害)を発症したのを契機に辞職 大学の同僚「知識人」への幻滅 ●院生時代 文献メモなしで論文が書けた。 後から振り返ると軽躁状態だったのかも、と。 ●語り 教員になるまで 精神病理学について 教授会について

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2022/05/24

最近の著作に比べると、もしかすると回復途上の名残りがあるのかなとも。 逆に言えば、平成史のような大作を読んだ限りはそういった異変の兆候は感じられなかったわけで。

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2021/09/08

心を病んだらいけないの?、で紹介されていたので読みました。 もっと闘病日記多めかなと思いましたが、その部分よりも病を経験した後に與那覇先生が気づいたり考え直した論点が整理されている本でした。 私は歴史や政治、世界情勢などに疎いので、SNSで散見される断片的な主張をどう捉えるべき...

心を病んだらいけないの?、で紹介されていたので読みました。 もっと闘病日記多めかなと思いましたが、その部分よりも病を経験した後に與那覇先生が気づいたり考え直した論点が整理されている本でした。 私は歴史や政治、世界情勢などに疎いので、SNSで散見される断片的な主張をどう捉えるべきか迷うことが多いのですが、そういう論点に対しても歴史的背景や思考が色々載っていてとても参考になりました。 大学運営に関する部分は、伝書鳩という表現が絶妙で笑ってしまいました。アカデミックに残った友人たちが次々辞めていったときも同じような問題を口にしていました。研究と教育のバランス、実学寄りでないと降りない研究費、働かない教授と空かないポスト、ハラスメント、学生の質の低下、、。ブラック要素山盛りです。 アフォーダンスという考え方、とてもいいなと思いました。先生の文章を忘れないように引用しておきます。 >能力差という、けっして解消されることのない格差と付き合いながら生きる上で、コミュニズムを共存主義として読み換えていくことは、すべての人のヒントになると私は感じています。

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2021/04/24

少し構えて読み始めたのだが、とても読みやすい1冊だった。「心を病んだらいけないの」へと繋がる、病を経験したからこその思考の広がりが興味深い。

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2021/04/12

今後求められる「知性」の在り方を、歴史と筆者の患った躁うつ病の観点から論じている本。私もうつ病になったことがあるので、筆者の病気の体験談が痛いほど分かった。第二章の「『うつ』に関する10の誤解」はうつ病に対して抱くステレオタイプが的確にまとまっているので、うつの当事者やサポートす...

今後求められる「知性」の在り方を、歴史と筆者の患った躁うつ病の観点から論じている本。私もうつ病になったことがあるので、筆者の病気の体験談が痛いほど分かった。第二章の「『うつ』に関する10の誤解」はうつ病に対して抱くステレオタイプが的確にまとまっているので、うつの当事者やサポートする家族、企業の人事はもちろん、それ以外の人にも読んでもらいたい。

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2021/10/30

コロナ禍で全く仕事が手につかなくなる鬱々とした気分になり,活字を読んでも理解した気にならない.そんな自分のうつな気分をどうにかするヒントを求めて読んだ. 身体的な理解だけでなく,ことばによる理解が足りてないという問題と向き合わないとこの沼からは出られないな.

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2019/11/17

読んでいてこの著者は教養があるなと思った反面、この著者と同世代にも拘わらず自分が全然教養を身につけてないことにへこんだ。。。 言語と身体を使った説明、能力の共有という共存主義、当たり前や当然の前提を疑い変えていくものとしての知性を今後の参考にしたいと思った。。。

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2019/07/25

ご自身の発病が、それまでのものの見方を改める端緒となった経験は、ともすれば二項対立のように見てしまいがちな世の中の出来事を、立ち止まって少し離れたところから、俯瞰的にではなく掘り下げて見直すことの大切さを説く。

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2019/07/02

うつ病を発症して大学を退職したことを契機に、反知性主義が力を増した時代を重ねて論評する。後半はがぜん読みごたえがあり、天皇制を言葉と身体の関係において説明するくだりは見事だった。能力のコミュニズムの考え方も興味深いが、その具体的な実現方法については読者に委ねられている。 反知性...

うつ病を発症して大学を退職したことを契機に、反知性主義が力を増した時代を重ねて論評する。後半はがぜん読みごたえがあり、天皇制を言葉と身体の関係において説明するくだりは見事だった。能力のコミュニズムの考え方も興味深いが、その具体的な実現方法については読者に委ねられている。 反知性主義の起源をたどると宗教改革に至る。司祭が典礼を執行し、信徒の身体に働きかけるカトリックに対して、プロテスタントは自ら聖書を読んで理解する言語能力が求められる。 「プロレタリア革命によって建国された」というロシア革命の神話は嘘で、当時労働者はほとんどいなかった。プラハの春を弾圧するために軍事介入した際にソ連が表明したブレジネフ・ドクトリンは、社会主義の実現という正義は国際法に優先するというエゴイズムだった。9.11を受けてアメリカが表明したブッシュ・ドクトリンも、自由世界を脅かすテロの脅威を取り除くためなら一方的な先制攻撃が容認されるというものだった。ソ連はアフガン侵攻の戦費に堪えられずに崩壊し、アメリカは自国第一主義を唱えるトランプが当選した。帝国の維持や拡張に向けられていたエゴイスティックな信仰は、人々の身体的な自己像を超えると帝国は崩壊する。 漢民族と呼ばれているのは、官僚の選抜試験にエントリーするために、儒教的な思考法や風習を身につけた人々というのが実態で、中国は歴史が長いため、帝国にほぼ等しい民族の身体を作り出した(内藤湖南)。 集団的自衛権とは同盟締結権と同じ。集団的自衛権なしの日米同盟が生まれたのは、それが朝鮮戦争のさなかで緊急に生まれたため。後に、重光葵や岸信介が安保条約の対等同盟化を求め、岸政権の下で新安全保障条約が締結された。 ムハンマド誕生時のメッカは、ビザンツ帝国とササン朝ペルシアの対立によって、地中海とアジアをつなぐ交易ルートが一時的に南に移った時期に栄えた。莫大な富を手にした人々が出現したことによって、その公正な分配を求めて力を得たのがイスラームだった。コーランは、公正な取引のルールを示して、部族や民族の違いを超えてフェアの交易を広めた。ウラマーはコーランを解釈する法学者であり、モスクは礼拝所で、聖職者はいない。10世紀頃にコーランの新たな解釈が禁じられたため、独自の礼拝や衣食住の習慣を持つ身体的な側面が強くなった。 君主を一人に決めて、その人に英才教育をほどこす啓蒙専制は、教育コストの観点では効率的であり、ポピュリズムの防止になる。エリートを絞り込んでいく点では、旧ソ連や中国の党を経由して幹部候補だけに知識を与えるのも、難関大学でふるいにかける方法も大差ない。 日本の天皇制は、民族的な意味での共同体という観念を具象性のあるひとつの身体として与える意義がある。政治的な実権と離れたところに民族の身体を持っているのは、トランプやプーチンのような独善的政治家が民族の身体を簒奪するポピュリズムには陥らないで済んでいる側面がある。 能力には格差があるが、社会に与えることによって認められるものである。財産のコミュニズムではなく、能力のコミュニズムとして共存主義に読みかえる可能性があるのではないか。

Posted byブクログ